「アンケートの回答は、何人集めればいいですか?」
この質問は、私がセミナーをしていて一番多く受ける質問です。アンケートで正しいデータを得る為の大事な設計ポイントでもあります。今日はこの「サンプルサイズ(回答者数)」について解説します。
いきなり結論:目安は「n=400」
結論から言うと、サンプルサイズは多ければ多いほど良いです。……当たり前ですよね。バカにしているわけではありません。アンケートは統計調査なので多いに越したことはない、ということです。
ただあえて具体的な数字を挙げるなら、「n=400」を頭の片隅に置いておいてください。
アンケートは「サンプリング調査」
アンケートは、対象となる集団全体(母集団)から一部の人を選んで答えてもらい、全体の実態を読み取る「サンプリング調査(標本調査)」です。
サンプルサイズが少ない:誤差が大きくなり、母集団を代表する結果にならない
サンプルサイズが多すぎる:誤差は小さくなるが、費用と手間が増える
サンプルサイズを決める前に決めておく2つのこと
母集団の規模はどのくらいか
どの程度の正確さ(許容できる誤差)を求めるのか
母集団の規模と、必要なサンプルサイズ
母集団が大きいほど、必要なサンプルサイズも増えます。ただし、ある程度を超えるとほとんど増えなくなります。
ちょっと難しい話になりますが、許容誤差±5%、信頼レベル95%で計算すると、母集団が10,000人を超えたあたりから必要なサンプルサイズは変わらなくなり、400以下で落ち着きます。つまり、母集団が1,000人以上なら、400人程度を見込めば、誤差±5%の範囲でデータが得られるということです。
正確さを決める2つの指標
アンケートの結果には必ず誤差があります。母集団の全員に聞かない限り、誤差をゼロにはできません。その大きさを測る指標が次の2つです。
① 許容誤差
結果が母集団の本当の値からどのくらいずれている可能性があるかを表す指標です。たとえばアンケート結果が「防災に興味がある日本人は60%」で許容誤差が±10%なら、母集団全体では50〜70%の範囲にある可能性があります。
よくある勘違いは、「許容誤差10%=必ず10%ずれる」と思うことです。あくまで「±10%ずれる可能性がある」という意味です。
② 信頼レベル
選んだサンプルが、どのくらいの確率で許容誤差の範囲内の結果になるかを表す指標です。信頼レベル90%なら、「100回調査をしたら、90回は許容誤差の範囲内」ということです。
サンプルサイズが多ければ許容誤差が小さく、信頼レベルの高い調査ができます。
どのくらいに設定すればいい?
一般的には、許容誤差は1〜10%、信頼レベルは90〜99%の範囲で設定します。ビジネスの判断に使うレベルなら、まずは許容誤差5%、信頼レベル95%くらいで十分だと思います。
もっと詳しく知りたい方へ:計算の考え方
必要なサンプルサイズは、次の5つの値から計算できます。
n:必要なサンプルサイズ(人)
N:母集団の規模(人)
z:信頼レベルを表すZスコア(90%なら1.65、95%なら1.96、99%なら2.58)
p:回答比率(小数で表す)
e:許容誤差(小数で表す)
詳細の式は以下の私のブログに掲載していますので、知りたい方は是非ご覧ください。
https://lactivator.net/2019/04/04/sample_size/
回答比率pは、特定の回答を選ぶ人の割合です。たとえば前回の満足度調査で60%が「満足」と答えていたなら、p=0.60で計算します。ただ、ほとんどのアンケートは複数の質問があり、回答比率を決められません。そのため、通常はp=0.5で計算します。
まとめ
サンプルサイズは多いほど良いが、目安は「n=400」
母集団が1,000人以上なら、400人程度で誤差±5%の範囲に収まる
許容誤差は「必ずずれる幅」ではなく、「ずれる可能性のある幅」
ビジネスの判断なら、許容誤差5%・信頼レベル95%が目安