【子どもが野菜を食べない!】実はレシピだけが原因じゃない?
「うちの子、野菜を全然食べないんです!」
「子どもが喜んで食べるレシピを教えてください!」
オンライン料理教室を開催していると、こんなご相談を本当〜によくいただきます。
そもそも、料理教室に参加してくださる方って、ただレパートリーを増やしたいだけではないんですよね。
「家族においしいものを食べてほしい」
「子どもに、もっといろいろなものを食べてほしい」
そんな温かい思いを持っている方が、本当にたくさんいらっしゃいます🥺
私自身、保育園や学校給食など、さまざまな食の現場に関わってきました。
そして、自分も子育てをしながら、あることを強く感じるようになりました。
それは……
子どもが食べない理由は、必ずしも料理の味やレシピだけではない!
ということ。
今回は、私が実際の現場で経験してきたことを交えながら、子どもの好き嫌いと向き合うヒントを5つご紹介します。
①「家では絶対に食べないのに、保育園では食べる!」なぜ?
以前、保育園で2歳児の食事に関わっていたときのこと。
保護者の方から、こんな質問をいただくことがありました。
「給食の献立を見ると、うちの子が家では絶対に食べない野菜が入っているんです」
「どうやったら保育園では食べてくれるんですか?」
実は、これ、珍しい話ではありません。

家庭では食べないものを、保育園では食べることがあるんです。
理由はいろいろ考えられます。
例えば、お友達や先生と一緒に食べる雰囲気。
いつもと違う食器や食事の流れ。
食べ物への興味がわくタイミング。
また、家庭は子どもにとって安心できる場所なので、園とは違う反応を見せることもあるでしょう。
もちろん、給食の味や調理方法が合っている可能性もあります。
でも、「家で食べない=お母さんの料理がおいしくない」ということでは決してありません。
食べる場所や一緒にいる人など、環境によっても子どもの反応は変わることがあるんです。
②「この子は食べない」と、決めつけていませんか?
これは、私が食の現場で感じてきたことの一つです。
保護者の方は、子どもの好き嫌いをよく知っています。
だからこそ、
「この子、にんじんは嫌いだから入れないでおこう」
「どうせ食べないから、最初から出さないでおこう」
と、つい先回りしてしまうことがあります。
その気持ち、よ〜〜〜くわかります!
せっかく作った料理を残されたら悲しいですし、食事のたびに困りたくないですよね。
でも、子どもの好みはずっと同じとは限りません。
昨日は食べなかったものでも、今日は興味を持つかもしれない。
家では嫌がっていても、別の場所では口にするかもしれない。
だからこそ、「食べない」と決めつけず、ときどき出会う機会をつくってみる。

「一口食べてみる?嫌だったら無理しなくていいよ」
そんな声かけでも十分です。
食べるかどうかだけでなく、食材に興味を持つことも大切な経験です。
③ お母さん、お父さんがおいしそうに食べる姿も大切!
「子どもに野菜を食べてほしい!」
そう思うと、ついつい子どものお皿ばかり見てしまいがち。
でも、ちょっと視点を変えてみませんか?
大人自身が、おいしそうに食事を楽しむこと。

例えば、家族で食卓を囲んで、
「このにんじん、おいしいわあ〜」
「今日のきのこ、いい香りがするね!」
そんな会話をしてみる。
子どもが食べなくても、そこで無理に勧めなくて大丈夫。
まずは、食べ物に興味を持つきっかけを増やしてみましょう。
料理教室のレビューでも、
「普段は食べないのに、先生のレシピだと子どもが食べてくれました!」
という、うれしいご報告をいただくことがあります。
もちろん、そんなときは私もうれしいです!
でも、それは必ずしも私のレシピが特別だから、というだけではないと思うんです。
いつもと違う料理が新鮮だったのかもしれません。
お母さんが楽しそうに料理を学ぶ姿に、子どもも興味を持ったのかもしれません。
理由は一つとは限りませんが、新しい食体験がきっかけになることは十分に考えられます。
④ 大嫌いだったしいたけが、ある日突然おいしくなった!
実は、私自身にも忘れられない食体験があります。
小学生の頃、私はしいたけが大嫌いでした!
独特の香りも、あのぬるっとした食感も苦手で……。
ところが、小学4年生のとき。
バーベキューで焼いたしいたけを食べる機会があったんです。
すると……
「えっ!しいたけって、こんなにおいしかったの!?」
と、びっくり!

いつも苦手に感じていたぬるっとした食感がなく、香ばしくて、とってもジューシー。
同じしいたけなのに、調理方法が違うだけで、こんなにおいしく感じるんだ!
これは、私にとって大きな発見でした。
そして、この経験は、食材の魅力や調理の面白さに興味を持つきっかけの一つにもなりました。
だから私は、子どもたちにもいろいろな食体験をしてほしいと思っています。
煮物では苦手でも、焼いたらおいしいと感じるかもしれない。
大きく切った野菜は苦手でも、小さく切ると食べやすいかもしれない。
何より、子ども自身が
「これ、おいしい!」
と発見する楽しさを大切にしてほしいんです。
⑤ 今日食べなくても、食卓に並ぶことに意味がある
子どもに食べてほしいと思うあまり、食べたか、食べなかったかだけで一喜一憂していませんか?
でも、食育は今日一日で完成するものではありません。
いろいろな食材を見たり、香りを感じたり、料理を手伝ったり。
そんな経験を少しずつ積み重ねていくことも大切です。
例えば、
野菜を一緒に洗う
スーパーで好きな野菜を選んでもらう
野菜を切ったときの断面を観察する
いつもと違う調理方法に挑戦してみる
家族で食べ物について楽しく話す
こうしたことも、立派な食育。

保育の食育に関する国の指針でも、子どもが自ら食に関わり、楽しみながら食体験を積み重ねることが大切にされています。
食べることだけが、食育ではないんです。
【保存版】子どもが食べないときの5つのチェックポイント
子どもの好き嫌いで悩んだら、次のことを振り返ってみてください。
□ 無理に食べさせようとしていない?
□ 「この子は食べない」と決めつけていない?
□ 大人自身が食事を楽しめている?
□ 切り方や調理方法を変えてみた?
□ 食材に触れたり、料理を手伝ったりする機会はある?
全部を実践する必要はありません。
できそうなことから、一つずつで大丈夫です。
なお、食べられる食品が極端に少ない、食事中にむせる、体重が増えないなどの心配がある場合は、単なる好き嫌いとして片づけず、小児科などの専門家に相談してくださいね。
「食べさせなきゃ!」から「食べる楽しさを一緒に見つけよう!」へ。
そんな気持ちで、毎日の食卓を囲んでもらえたらうれしいです😊
管理栄養士・料理講師 藤田えみこ
【参考資料】
こども家庭庁「保育所における食事の提供ガイドライン」
厚生労働省「保育所保育指針」