嫌われないように生きる子どもだった
私はずっと、
人に嫌われないように
不快な思いを与えないように
そう思って生きてきました。
何歳の記憶かは覚えていませんが、まだ小学校に入る前、
母が友人の家に私を連れて遊びに行ったことがありました。
そこにいた数名の大人が私と遊んでくれました。
本当はもう疲れていたけれど、ここでやめると言ったら、
この大人たちは悲しむだろうなと思いました。
だから私は疲れていると言えず、
楽しんでいるふりをして遊び続けていました。
自分の気持ちを出すことを少しずつやめていった
私の母は、否定が多い人でした。
小学生の時。
友達が遊びに来るからと家を片付けていたら、
「小学生のくせにそんなところ気にしないの!」
と言われました。
中学生の時。
クラスで流行っていた恋愛ドラマを見ていたら、
「中学生のくせにそんなの見るんじゃない!」
と言われました。
高校生の時。
彼氏と部活帰りに会っていて帰宅が遅くなったら、
「高校生のくせに暗いところに2人でいるんじゃない!」
と言われました。
大学生になっても、
服装のことで文句を言われました。
弱音を吐いても、
「何言っているの!」と叱られました。
小さい頃から私は
母の顔色をよく見ていました。
今はひっそりしておいた方がいい。
今は機嫌悪くないから話しかけても大丈夫そう。
そんなふうに、
いつも空気を読んでいました。
わがままを言った記憶も、
自己主張をした記憶もほとんどありません。
言っても否定される。
言ったら空気が悪くなる。
だったら黙っていた方がいい。
でも、
本当は嫌だった。
もっと構ってほしかった。
もっと笑ってほしかった。
大人になっても本音を言えなかった
この反応は大人になっても続きます。
嫌われたくない。
悪く思われたくない。
相手に不快な思いをさせてはいけない。
その気持ちが強くて、
本音を言えませんでした。
断ることも苦手でした。
すでに中学生の時は、
友達の話を切り上げることができませんでした。
遮ったら嫌な気持ちになるかもしれない。
そう思うと、
相手が話し終えるまで付き合ってしまうのです。
寒いから早く家に帰りたかったけど。
初めて話しかけられた人でも同じでした。
相手が話し終えるまで会話に付き合い、
それによって保育園のお迎え時間に間に合わず、
延長料金を払ったこともあります。
子どもが
「早く行こうよ」
と言っていても、
目の前の初対面の人を
優先してしまうことがありました。
会社でもそうでした。
残業は当たり前。
自分の業務が滞っても、
相手からの頼み事を優先していました。
自分を後回しにすることは、
当然のことでした。
友達から言われて、
今でも印象に残っている言葉があります。
合わせてくれて優しいと思うけど、
自分がないのかなと思う。
これを言われたときは衝撃でした。
優しいだけじゃだめなんだ…
営業の仕事をしていた頃には、
お客様にできないと言えず、
トラブルになったこともあります。
結果的に迷惑をかけることになると分かっていても、
その瞬間、目の前の人にNoを言うことが怖かったのです。
これが私の性格だと思っていた
私は、自分でも人に優しいと思っていました。
でも同時に、
おどおどしている。
堂々としていない。
強くない。
自分がない。
そんな自分がコンプレックスでした。
自信をつけたいけれど、
どうしたらいいのか分からない。
パソコンスキルを身につけたり、
プレゼンの話し方を学んだりしましたが、
自信がない出来事はいろんなところで起きました。
セラピーで見つかった「心の前提」
3年前、
私はコアビリーフセラピーというものに出会いました。
コアビリーフセラピーは、
無意識の中にあるネガティブなセルフイメージを扱うセラピーです。
表面に出ている悩みだけを見るのではなく、
その悩みの奥にある心の前提(ビリーフ)を見ていきます。
私はセッションの中で、
自分の悩みを伝えました。
自分がやることに自信がもてない。
相手にネガティブなフィードバックができない。
そこから、
自分の中にどんなセルフイメージがあるのかを探っていきました。
私から出てきたビリーフは、
私には価値がない
私は大切ではない
ありのままの私は存在してはいけない
というものでした。
自分の口から出たときは驚きました。
今まで自分に対してそんな言葉を思ったことはありませんでした。
でも振り返ってみると、
私の反応はそのビリーフに沿っていたと思います。
自分には価値がないから、
私がやることや考えることに自信がもてない。
自分は大切ではないから、
相手を優先するのが当たり前。
ありのままの私は存在してはいけないから、
嫌われたらいなくていいと思われそう。
私の中にあるビリーフが、
そう感じさせていたのだと分かりました。
この反応は自分を守るためのものだった
それまで私は、
断れないことも、
言い返せないことも、
人の顔色をうかがうことも、
自分の性格だと思っていました。
でもこれは小さい頃の私が、
その環境の中で自分を守るために身につけた反応だということが分かりました。
母の顔色を伺って、
否定されないように黙って、
母に好かれるためにいい子でいる。
セラピーを学んでこれを知った時、
自分を責める気持ちが少しずつ変わっていきました。
同時に母へのネガティブな思いも変わっていきました。
ありのままの私で、ここにいていいと思えるようになった
セッションを重ねるたびに、
悩みはどんどん減っていきました。
そして、
ありのままの私でここにいていいんだ
と思えるようになりました。
体の中にあった重いものがなくなったような感覚で、
心が軽くなっていきました。
自分には能力がないと思うことも、
少しずつなくなっていきました。
もちろん、
何もかもががらっと変わったわけではありません。
でも、
色々なことに挑戦できるようになり、
その経験から自信がついていきました。
同じように生きづらさを感じている方へ
人の顔色をうかがってしまう。
相手の評価に一喜一憂する。
言いたいことを飲み込んでしまう。
断りたいのに断れない。
あとから、
「ああ言えばよかった」
と思い返してしまう。
こうした苦しさは、
性格だけの問題ではないと思っています。
その奥には、
過去の経験の中で身につけた反応や、
無意識の思い込みがあることがあります。
私はそのことを、
自分自身の体験を通して知りました。
だから今は、
かつての私のように生きづらさを感じている方に、
コアビリーフセラピーを届けたいと思っています。
自分に自信が持てない
人に合わせて言いたいことが言えない
相手の反応や評価に気持ちが振り回される
そんな悩みを性格だから仕方ないと終わらせず、
無意識にある思い込みを見つけ、
その状態から抜け出すお手伝いをしています。
私が大切にしていること
私が大切にしているのは、
その方の考え方や反応を否定しないことです。
どのようなものであれ、
それは小さい頃の自分が生きるために
身につけた反応だったのです。
だからこそ、
今までの自分を責めるのではなく、
今の自分に合わなくなった反応を手放していく。
そのための場をつくりたいと思っています。
不安のある方にも、
安心して話せる時間を大切にしています。