朝起きて1杯、仕事の合間に1杯、食後にも1杯。
コーヒーが毎日の楽しみになっている方も多いのではないでしょうか。
(私もコーヒー大好きです!)
でも、「コーヒーって1日何杯まで飲んでいいの?」「飲みすぎると体に悪いの?」と気になったことはありませんか?
実は、コーヒーは飲む量だけでなく、飲む時間や体の状態によっても気をつけたいポイントが変わります。
今回は管理栄養士の視点から、科学的根拠をもとにコーヒーとの上手な付き合い方をご紹介します。
目安は「杯数」より、カフェインの量
結論からお伝えすると、健康な成人の場合、1日2〜3杯程度が一つの目安になります。
欧州食品安全機関(EFSA)や米国食品医薬品局(FDA)では、健康な成人のカフェイン摂取量について、1日400mgまでであれば一般的に安全性の懸念はないとしています。
日本の食品安全委員会が示しているコーヒーのカフェイン量は、100mL当たり約60mg。
つまり、200mLのコーヒーなら1杯約120mgです。
1杯(200mL):約120mg
2杯(400mL):約240mg
3杯(600mL):約360mg
4杯(800mL):約480mg
この計算では、1日3杯で約360mgになります。
ただし、コーヒーの濃さや抽出方法によってカフェイン量は変わります。また、紅茶や緑茶、エナジードリンクなどにもカフェインが含まれています。
400mgという数字は、誰もがそこまで飲んでよいという意味ではありません。体質や健康状態によって、少ない量でも影響が出る方がいます。

※AI生成のイメージ画像です。
小さなカップなら4杯で約360mgですが、大きなマグカップなら2杯でも約360mgになります。
同じ「2杯」でも、ずいぶん違いますよね。
※含有量は、豆の種類や抽出方法、商品によって変わります。上の数字は一定の濃さで計算した目安です。
「目安以内なら大丈夫」とは限らない
コーヒーを飲んで、動悸がしたり、落ち着かなくなったり、眠りにくくなったりする方もいます。
カフェインへの反応には個人差があるため、目安の量まで飲めるかどうかより、自分の体調を見ることが大切です。
EFSAも、就寝に近い時間帯では、100mgのカフェインでも一部の成人の睡眠に影響する可能性があるとしています。
夜の一杯で眠りにくくなる方は、飲む時間を早めたり、カフェインレスに替えたりしてみてくださいね。
なお、妊娠中・授乳中の方について、EFSAはカフェインを合計200mg/日までとする評価を示しています。健康な成人の400mgという目安を、そのまま当てはめないようにしましょう。
貧血が気になる方は、食事と一緒のコーヒーに注意
ここで、もう一つ知っておいていただきたいことがあります。
コーヒーは、食事に含まれる鉄の一部の吸収を妨げることがあります。
影響が確認されているのは、主に「非ヘム鉄」と呼ばれる鉄です。
人を対象にした研究では、食事と一緒にコーヒーを飲むことで、非ヘム鉄の吸収が低下しました。ただし、これは一回の食事での吸収を調べたもので、「コーヒーを飲む人は必ず貧血になる」という意味ではありません。
とはいえ、鉄不足を指摘されている方や、鉄欠乏性貧血の治療中の方は、飲むタイミングにも目を向けたいですね。
せっかく食事で鉄をとるなら、その吸収も大切にしたいところです。
食事中や食後すぐのコーヒーを習慣にしている場合は、食事から離れた時間に楽しむ方法を考えてみましょう。
なお、同じ研究では、食後1時間のコーヒーでも吸収への影響が見られました。「1時間空ければ必ず影響しない」とは言い切れません。
鉄剤を服用している方は、コーヒーで薬を飲まず、処方時の説明に従ってくださいね

まずは、いつもの「1杯」を見てみよう
コーヒーは1日何杯まで?
その答えを考えるときは、まず、いつも使っているカップを見てみてください。
小さなカップなのか、大きなマグカップなのか。
ほかに、お茶やエナジードリンクも飲んでいないか。
そして、眠りに影響していないか。鉄不足がある場合は、食事や鉄剤と一緒になっていないか。
コーヒーは、杯数だけでなく、量と飲むタイミングも大切。
好きな一杯を楽しみながら、自分に合った飲み方を見つけていきたいですね。
管理栄養士・料理講師
藤田えみこ
【参考資料・文献】
EFSA「Caffeine」
農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
Morck TA, Lynch SR, Cook JD. “Inhibition of food iron absorption by coffee.” Am J Clin Nutr. 1983;37(3):416–420.