【元祇園No.1ホステスが教える 戦略的コミュニケーション術】
「仕事中に雑談なんて、時間の無駄では?」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本日は《雑談シリーズ》の最終回です。
私はコミュニケーション講師として活動していますが、受講される方の中には、
「雑談がうまくなりたい」とおっしゃる方が少なくありません。
そこで、なぜ雑談がうまくなりたいのか、もう少し深く伺ってみると、
「雑談が上手な人は、相手との距離の縮め方がうまいから」
「堅苦しくない会話の中で、お互いを知り、自然と仲良くなっていけるから」
といった答えが返ってきます。
もちろん、すべての方に当てはまるわけではありませんが、私もその考えに共感します。
実際、私自身も相手との距離を縮めたいときや、良好な関係を築きたいときには、
意識的に雑談を取り入れています。
なぜなら、人は相手のことを知れば知るほど親近感や安心感を抱きやすくなるからです。
職場でのケース
もちろん、仕事中ずっと雑談をしていれば生産性が下がることもあるでしょう。
私も、長く話せばいいとは思っていません。
また、相手の状況を見ずに話しかけたり、必要以上に時間を使ったりすれば、かえって負担になることもあります。
大切なのは、何のために雑談をするのか。
「長さ」ではなく「質」なんです。
私は雑談を、「目的のない会話」ではなく、「関係をつくるための短い投資」だと考えています。
♢相手を知る
♢自分を知ってもらう
♢安心感・信頼感を感じてもらう
♢相談しやすい関係をつくる
一つひとつは、ほんの数分の会話かもしれません。
でも、その小さな積み重ねが、
「この人なら聞いても大丈夫」
「この人には相談しやすい」
「この人となら一緒に仕事がしやすい」
という関係をつくっていきます。
雑談は、ただ「話せばいい」わけではない
ただし、ここで一つ大切なことがあります。
雑談は、ただ「話せばいい」わけではありません。
「どう話すか」です。
同じ言葉であっても、
声のトーン・表情・言葉の選び方などによって、相手が受け取る印象は大きく変わるから。
例えば、最近本店から異動してきた先輩が目の前にいるとします。
姿勢を正し、硬い表情でパソコンに向かい、業務以外の話はほとんどしない方。
あなたはどう感じますか?
(私だったら、『近寄りがたい人』と感じてしまいます)
私たちは、相手の仕事ぶりだけでなく、表情や言葉遣いや普段の接し方などから、その人に対する印象を形成するもの。
ですから、仕事に真剣に取り組む姿は立派でも、寡黙であったり表情が硬かったりすることで、
周囲から『少し近寄りがたい人』と思われてしまうことがあるのです。
ところが、ある日、その先輩がふと顔を上げ、笑顔でこう言ったとします。
「本店から来たばかりで、まだ慣れないことも多くて。 分からないことがあったら教えてくださいね。」
いかがでしょうか。
それまでの印象が、少し変わりませんか?
「あ、意外と気さくな方なんだ」
「なんだ、話しかけても大丈夫なんだ」
そう感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
相手の性格も仕事への姿勢も、何一つ変わっていません。
変わったのは、たった一言によって生まれた相手への印象です。
仕事のスキルを磨けば、「仕事ができる人」にはなれるかもしれません。
でも、「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえる人になるには、仕事の能力だけでは足りないことがあります。
「話しかけやすい」
「相談しやすい」
「ちゃんと自分を見てくれている」
「この人なら安心して任せられる」
そう感じてもらうための1つの手段が雑談だと考えます。
目の前の5分だけを見れば、雑談は「時間のロス」に見えるかもしれません。
でも、その5分によって信頼関係が生まれ、相談が早くなり、連携がスムーズになり...
結果として仕事が進みやすくなるのだとしたら。
それは「時間のロス」ではなく、「関係への投資」ではないでしょうか。
日常の何気ない会話を、少しだけ意識してみてください。
そこには、想像以上の価値があるかもしれませんよ。
《ビジネスでもプライベートでも“選ばれる人”になりたい》
そんな方に、このメッセージが届きますように。
それでは、また。