「お酒が好きで、なかなかやめられないんです」
ダイエットや健康相談の中で、こんなお悩みを聞くことがあります。
・・・わかる。笑
実はこれ、私自身も経験してきたことなんです。
私は過去に、最大86kgまで体重が増えたことがあります。
当時の体重増加に大きく関わっていたと思うのが、毎日の飲酒習慣でした。

とにかく、お酒をよく飲んでいたんです。
そして、お酒を飲めば、当然おつまみも欲しくなる。
気づけば、飲み物からも食べ物からも、かなりのエネルギーを摂っていました。
そんな私も、食生活を見直し、30kg以上の減量を経験しました。
現在は、お酒を楽しむのは月に1回程度。
でも、最初から簡単にできたわけではありません。
今回は、管理栄養士としての知識と、私自身の失敗談を交えながら、ダイエット中のお酒との付き合い方についてお話しします。
① お酒って、思っている以上にカロリーがある!
まず知っていただきたいのが、アルコールそのもののカロリーです。

アルコールは、1gあたり約7kcal。
ちなみに、糖質やたんぱく質は1gあたり約4kcal、脂質は約9kcalです。
つまり、アルコール自体もかなりエネルギーの高いものなんです。
例えば、一般的なビール350ml缶(アルコール5%)なら、約140〜180kcal。
しかも、これを2本、3本と飲めば、その分カロリーも増えていきます。
ここでよく聞くのが、
「じゃあ、ビールをハイボールに変えればいいですよね?」
というお話。
確かに、無糖の炭酸水で割ったハイボールは、ビールに比べて糖質が少ない飲み方です。
でも、ここはぜひ覚えておいてください。
糖質が少ないことと、カロリーがないことは別です!
ウイスキーにもアルコール由来のエネルギーがあります。
ハイボールに変えたからといって、何杯でも飲んでいいわけではありません。
大切なのは、お酒の種類だけでなく、飲んでいる量にも目を向けることなんです。
② お酒を飲むと、脂肪の代謝にも影響する!
ここからは、少しだけ栄養学のお話。
飲んだアルコールは、主に肝臓で分解されます。
アルコールは体内にそのまま蓄えておけないため、飲酒すると体はアルコールの処理を優先します。
その間、脂肪をエネルギーとして使う働きが抑えられやすくなります。
さらに、飲酒量が多い状態が続くと、中性脂肪の増加や脂肪肝にもつながります。
つまり、お酒による体重増加は、
「お酒のカロリーが加わる」だけの問題ではないんです。
アルコールの代謝そのものが、体内のエネルギーの使い方にも影響するんですね。
③ お酒を飲んだから、ごはんを抜く。それ、ちょっと待って!
これも健康相談で聞くことがあります。
「夜はお酒を飲むので、ごはんは食べません」
確かに、ごはんを抜けば、その分のカロリーは減ります。
でも、お酒を飲んだからごはんを抜けばチャラになる、というわけではありません!
お酒には、ごはんと同じような栄養が含まれているわけではありません。
ごはんは、体や脳を動かすエネルギー源となる炭水化物を含んでいます。
一方で、お酒はアルコール由来のエネルギーが中心です。
さらに、主食を抜いていても、唐揚げやポテトフライ、チーズなどのおつまみをたくさん食べていたら、食事全体のカロリーが高くなることもあります。

私がおすすめしたいのは、まずお酒を含めた食事全体を見ること。
お酒の量、おつまみの内容、主食や野菜、たんぱく質のバランス。
ごはんだけを悪者にせず、食卓全体を見直してみてくださいね。
④ お酒がやめられなかった私が、まず変えたこと
では、実際に私が何をしたのか。
ここが今回、一番お伝えしたいところです。
私も以前は、毎日のようにお酒を飲んでいました。(理屈はわかってるのに・・笑)
でも、振り返ってみると、必ずしも毎日「今日はおいしいお酒を飲みたい!」と思っていたわけではなかったんです。
なんとなく、習慣で飲んでいた。
これが大きかったと思います。
そこで、いきなりすべてをやめようとするのではなく、少しずつ生活を変えていきました。
・まずは、お酒を飲まない日を作る
毎日飲んでいるなら、まずは週に1日、お酒を飲まない日を作ってみる。
慣れてきたら、週2日、3日と増やしていく。
一般的にも、週に2日程度は飲酒しない日を設けることが勧められています。
大切なのは、「毎日飲むのが当たり前」という習慣を見直すことです。
・いつもの量を半分にしてみる
例えば、毎晩ビールを2本飲んでいるなら、まず1本に。
2杯目からは炭酸水にしてみる。
私は、薄めのハイボールにしたり、炭酸水に置き換えたりしていました。

薄めるときも、ウイスキーそのものの量を減らすことがポイントです。
・冷蔵庫にお酒を入れない!
これ、私にはとても効果的でした🤣
そもそも、お酒を買わない!
冷蔵庫にビールが入っていたら、つい飲んでしまう。
だったら、最初から買わなければいいんです。

その代わり、炭酸水やノンアルコールビールなどを用意しました。
「飲みたい気持ちを我慢する」だけではなく、飲まなくても済む環境を作る。
私にとって、これは大きな変化でした。
⑤ お酒の量、一度確認してみませんか?
ここで、ぜひ覚えていただきたい言葉があります。
それが「純アルコール量」です。
お酒は種類によってアルコール度数が違います。
そのため、同じ350mlでも、飲んでいるアルコールの量は同じではありません。
例えば、
ビール350ml(5%)……純アルコール約14g
ビール500ml(5%)……約20g
ワイン120ml(12%)……約12g
日本酒180ml(15%)……約22g
ウイスキー30ml(40%)……約10g
※アルコール度数によって変わります。
厚生労働省では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量の指標として、1日平均で男性40g以上、女性20g以上の純アルコール摂取量を示しています。
ただし、これは「そこまでは安心して飲める」という意味ではありません。少量でもリスクが高まる病気があり、健康のためには飲酒量を少なくすることが大切です。
まずは、自分が普段どれくらい飲んでいるかを知ること。
「そんなに飲んでいないつもりだったけど、結構飲んでいた!」
そんな発見があるかもしれません。
お酒は「なんとなく飲むもの」から「楽しむもの」へ
私は今、月に1回程度、お酒を楽しんでいます。
以前のように毎日飲んでいた頃と比べると、ずいぶん生活が変わりました。
でも、お酒が大嫌いになったわけではありません。
今でも、おいしい料理と一緒にお酒をいただく時間は好きです・・!

だからこそ、毎日の惰性で飲むのではなく、本当に楽しみたいときに飲む。
そんな付き合い方に変わりました。
ダイエットというと、食事を減らすことばかり考えがちですが、飲み物や飲酒習慣を見直すことも大切です。
私自身、30kg以上減量した経験から強く感じるのは、ダイエットは、一時的な我慢よりも、毎日の習慣を変えることが大切だということ。
お酒との付き合い方も、その一つです。
お酒を楽しむ気持ちは大切にしながら、これからの自分の体も大切にしていきたいですね😊
※毎日多量に飲酒している方は、急に飲酒をやめると離脱症状が起こる場合があります。手の震え、発汗、強い不安などがある場合や、飲酒量を自分でコントロールできない場合は、医療機関に相談してください。また、妊娠中・授乳中や、病気の治療中など、飲酒を避ける必要がある場合もあります。
管理栄養士・料理講師 藤田えみこ
【参考資料】
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)
厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールとメタボリックシンドローム」
厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」