「先生、これって冷凍できますか?」
オンライン料理教室で、本当によくいただく質問です。
忙しい毎日、まとめて料理を作って冷凍しておけたら便利ですよね。
実は私、管理栄養士の資格だけでなく、日本野菜ソムリエ協会認定の「冷凍生活アドバイザー」という資格も持っています。
冷凍すると食品にどんな変化が起こるのか、食材ごとの冷凍方法や、おいしく解凍するためのコツなどを専門的に学びました。
そんな私が今回お伝えしたいのは、冷凍は、ただ食品を凍らせればいいというものではない!ということ。
実は、冷凍にはちょっとしたコツがあるんです。
今回は、料理教室でもよく聞かれる疑問をもとに、家庭で実践できる冷凍保存の基本をお伝えします!
① そもそも、冷凍に向く食材と向かない食材は?
まず知っておきたいのが、どんな食材でも冷凍すればおいしく保存できるわけではないということ。
特にポイントになるのが、食材に含まれる水分と組織の状態です。
食品を凍らせると、中に含まれる水分が氷になります。
家庭用冷凍庫では比較的ゆっくり凍るため、氷の結晶が大きくなり、食品の組織が傷つくことがあります。
その結果、解凍したときに水分が流れ出たり、食感が変わったりするんです。
冷凍に向く食材
例えば、こんな食材です。
ごはん
食パン
肉や魚
きのこ
下ゆでしたブロッコリー
納豆
ミートソースや加熱済みのおかず
特にきのこは、冷凍ストックにおすすめ!
石づきを落として食べやすくほぐし、保存袋に入れるだけ。
凍ったままスープや炒め物に使えるので、とっても便利ですよ。

冷凍にあまり向かない食材
反対に、食感が変わりやすいのがこちら。
生のレタスやきゅうり
生のトマト(サラダ用)
こんにゃく
じゃがいもの大きな煮物
牛乳
豆腐
例えば、じゃがいも。
カレーに入っている大きなじゃがいもをそのまま冷凍すると、解凍後にボソボソした食感になりやすいんです。
でも、マッシュポテトにすれば冷凍しやすくなります。
豆腐も、冷凍するとスポンジ状の食感に変わりますが、その特徴を活かして煮物に使う方法もあります。
冷凍に向かない食材も、調理方法を変えれば活用できる!
ここが料理の面白いところですね。
② 冷凍焼けを防ぐには「密封」が大切!
冷凍保存でぜひ気をつけたいのが、冷凍焼け。
冷凍していたお肉の表面が白っぽく乾燥したり、味や香りが落ちたりした経験はありませんか?
これは、冷凍保存中に食品の水分が失われたり、脂質が酸化したりすることで起こります。
私が特におすすめするのは、できるだけ空気に触れさせないこと!
例えば、お肉を冷凍するときは、
1回で使う量に小分けする。
ラップでぴったり包む。
冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封する。
日付を書いて冷凍庫へ。
このひと手間が大切です。

保存容器を使う場合も、食品に対して容器が大きすぎると空気が多く残ります。
適切な大きさの容器を選ぶといいですよ。
③ おいしく冷凍するなら「薄く・早く」!
もう一つ、覚えてほしいのがこちら。
できるだけ短時間で凍らせること!
食品をゆっくり凍らせると、氷の結晶が大きくなりやすく、解凍後の食感が悪くなる原因になります。
そのため、家庭では、
保存袋に平らに広げる
1回分ずつ小分けする
金属製のトレーにのせて冷凍する
冷凍庫の急速冷凍機能を活用する
といった工夫がおすすめです。

また、調理した料理は小分けして速やかに冷まし、粗熱を取ってから冷凍しましょう。
温かい料理を大きな鍋のまま長時間放置するのは避けてくださいね。
④ 冷凍上手は解凍上手!解凍まで考えてこそ、おいしい冷凍
ここ、実は私が特にお伝えしたいところです!
冷凍するときは一生懸命なのに、解凍するときは意外と適当になっていませんか?
せっかくおいしく冷凍できても、解凍の仕方を間違えると、食感や味が台無しになってしまうことがあります。
例えば、冷凍したお肉を朝からキッチンに置いて、夕方まで常温で解凍する。
これ、やっていませんか?
常温解凍は、食品の表面から温度が上がってしまい、食中毒菌が増える危険があります。
そして、解凍時に出てくる赤っぽい液体。
これがドリップです。
ドリップには水分だけでなく、うま味成分なども含まれています。
せっかくのおいしさを逃したくないですよね。
そこで私がおすすめするのが、冷蔵庫での低温解凍です。
冷蔵庫でゆっくり解凍すると、食品の温度を低く保ちながら解凍でき、ドリップも抑えやすくなります。
時間はかかりますが、お肉や魚をおいしく解凍したいときには、とってもおすすめ。
急いでいるときは、密封した袋のまま氷水につけて解凍する方法もあります。

「どう凍らせるか」と同じくらい、「どう解凍するか」が大切!
ぜひ覚えておいてくださいね。
⑤ 電子レンジ解凍はダメなの?
「電子レンジで解凍すると、お肉の端だけ火が通ってしまうんです!」
これもよくあるお悩みです。
電子レンジは便利ですが、食品の厚みによって加熱ムラが起こりやすいのが特徴。
一部分だけ加熱が進んでしまうと、そこから水分が抜けて、パサつく原因にもなります。
上手に解凍するポイントは、
① 解凍モードや弱い出力を使う
② 途中で向きを変え、状態を確認する
③ 解凍後はすぐに調理する
この3つ。
電子レンジは使い方を工夫すれば、安全で便利な解凍方法です。
なお、冷凍野菜などは、解凍せず凍ったまま加熱するほうがおいしく仕上がるものもあります。
⑥ 家庭で冷凍した食品、いつまで食べられる?
「冷凍したら、何か月も大丈夫ですよね?」
これも気になるところ。
実は、冷凍しても食品のおいしさが永久に保たれるわけではありません。
家庭用冷凍庫は扉の開閉が多く、温度が変化しやすい環境です。
そのため、家庭で冷凍した食品は、できれば2〜3週間以内を目安に使い切ることをおすすめします。
これは、おいしく食べるための品質面の目安です。実際の保存可能期間は食材や冷凍状態によって異なります。
また、市販の冷凍食品は家庭で冷凍したものとは条件が異なるため、パッケージの保存方法や賞味期限を確認してくださいね。
【おさらい】冷凍上手になる6つのコツ!
✅ 食材によって冷凍方法を変える!
生野菜や豆腐などは、解凍後の食感も考えて保存しましょう。
✅ 1回分ずつ小分けに!
必要な量だけ使えるので、無駄が減ります。
✅ 空気を抜いてしっかり密封!
冷凍焼けや乾燥を防ぐ大切なポイントです。
✅ 薄く広げて、できるだけ早く冷凍!
金属製トレーや急速冷凍機能も活用しましょう。
✅ 肉や魚は低温で解凍!
冷蔵庫や氷水を活用し、常温での長時間放置は避けましょう。
✅ 解凍したら早めに使い切る!
冷凍と解凍を何度も繰り返さないことも大切です。
冷凍は、忙しい毎日の強い味方!
料理教室でも、まとめて作って冷凍しておきたいという声をよくいただきます。
私自身、冷凍について専門的に学んだことで、冷凍は単なる保存方法ではなく、毎日の料理をもっとラクに、もっとおいしくするための調理技術なんだと感じています。
ただ冷凍庫に入れるのではなく、食材の特徴に合わせて冷凍する。
そして、食べるときの解凍方法まで考えておく。
このひと手間が、料理のおいしさにつながるんです。
冷凍するところまで、そして解凍するところまで考えて料理をすると、毎日のごはん作りがもっとラクになりますよ!
ぜひ、今日から実践してみてくださいね😊
管理栄養士・冷凍生活アドバイザー・料理講師 藤田えみこ
【参考資料】
日本野菜ソムリエ協会「冷凍生活アドバイザー養成講座」
農林水産省「ホームフリージングする際の注意点について教えてください」
農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」
厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
一般社団法人 日本冷凍食品協会「よくあるご質問」