「一次試験には合格した。でも、面接でちゃんと話せるか不安」
「模範解答を読めば分かるのに、自分では言葉が出てこない」
「ナレーションの途中で時間がなくなってしまう」
英検準1級の二次試験を前に、そんな悩みを抱えていませんか。
こんにちは。英語講師のTaka先生・根岸貴規です。
外資系投資銀行で約20年勤務し、現在は英語講師として、累計14,000人以上の方の学習をお手伝いしてきました。英検1級・TOEIC980点を取得し、英検対策や英語の学び直しをサポートしています。
面接に向けて、解説を読んだり、対策動画を見たりしている方も多いと思います。
そのあとに、ぜひ確かめてほしいことがあります。
解答例を閉じても、自分の口で答えられますか。
理解した英文を、実際に声に出す。言えなかったところを確認し、もう一度話す。この練習を、毎日の勉強に入れてください。
今回は、準1級の二次試験に向けて、私が大切にしている5つのポイントをご紹介します。
まずは、面接の流れを確認する
この記事では、従来型の英検準1級二次試験を取り上げます。
面接は約8分間で、面接委員1人と英語でやりとりします。簡単な会話のあと、問題カードを使って次の課題に取り組みます。
1分間で、ナレーションの内容を考える。
4コマのイラストの展開を、2分間で説明する。
イラストや社会的な話題などに関する、4つの質問に答える。
ナレーションや回答の内容に加え、発音、語彙、文法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢などが評価されます。
試験の流れを知ったうえで、実際に時間を測り、声に出して練習していきましょう。
1.教材を1冊決め、「答えられない問題」を繰り返す
面接が近づくと、別の問題集や、新しい解説動画が気になるかもしれません。
そんなときは、まず今使っている教材を開いてみてください。
すでに取り組んだ質問に、解答例を見ずに答えられるでしょうか。
昨日言えなかった表現が、今日も出てこない。そのまま次の問題へ進んでいると、練習が必要な部分が残ってしまいます。
私は、まず中心となる教材を1冊決め、繰り返し使うことを勧めています。準1級の面接形式に対応し、解答例と音声がある教材を使いましょう。
取り組んだ問題には、次のように印をつけてください。
○: 解答例を見ずに、必要な内容を話せた。
△: 答えられたが、途中で止まったり、説明が抜けたりした。
×: 答えを組み立てられなかった。
翌日は、△と×の問題から復習します。
何ページ進めたかと一緒に、「昨日言えなかったことが、今日は言えるか」を確かめる。
一通り練習したら、初めて見る問題にも取り組みましょう。覚えた表現を、別の質問に合わせて使えるかまで確認してください。
2.解答例は、理解してから音読・暗唱する
「解答例は読めるのに、自分では話せない」
そんな方は、理解した英文を口にする練習を増やしてみてください。
まずは、単語の意味や文の構造、答えの組み立て方を確認します。そのうえで、次の順番で取り組みましょう。
音声を聞き、発音や区切り方を確認する。
意味を思い浮かべながら、繰り返し音読する。
英文を隠して、声に出して言ってみる。
言えなかった箇所を確認し、もう一度言う。
大切なのは、「何回読んだか」に加えて、見なくても言えるようになったかを確かめることです。
例えば、次のような英文を練習したとします。
Some students cannot afford to buy a computer.
「コンピューターを買う経済的な余裕がない生徒もいます」
この英文が言えるようになったら、主語や内容を変えてみましょう。
Some families cannot afford to buy a car.
「車を買う経済的な余裕がない家庭もあります」
こうして、cannot afford to buyという表現を別の内容にも使ってみます。
解答例を覚えることを通じて、質問に応じて使える表現を増やしていく。それが、音読・暗唱の目的です。
自宅での練習では、スマートフォンで録音することも勧めています。動詞が抜けていないか、文の途中で止まっていないかを聞き直し、気づいた箇所を修正して録り直してください。
3.ナレーションは、最後のコマまで見てから組み立てる
ナレーションで気をつけたいのが、最初のコマを詳しく説明しすぎることです。
細かな情報を入れようとして、最後の出来事まで話せなくなってしまう。それを防ぐために、準備時間の使い方から練習しましょう。
1分間の準備では、まず4コマすべてに目を通し、話の流れをつかみます。
誰が、何をしようとしているのか。
そのあと、何が起きたのか。
最後に、どうなったのか。
この流れを押さえ、各コマで必ず伝えたい出来事を決めてください。
例えば、女性が職場でリサイクル活動を提案し、同僚たちが賛成している場面なら、次のように説明できます。
A woman suggested starting a recycling program at her office. Her coworkers agreed with her.
「女性は職場でリサイクル活動を始めることを提案しました。同僚たちは賛成しました」
誰が何をし、周囲がどう反応したかが伝わります。
主要な出来事を押さえたうえで、吹き出しや人物の様子など、話の理解に必要な情報を加えていきましょう。
本番ではメモを取れません。練習でも、1分間で準備し、カードに印刷された言い出しから始め、2分間で話す流れを再現してください。
録音を聞くときは、次の点を確認します。
最後のコマまで説明できたか。
誰の行動なのかが分かるか。
話のつながりに必要な情報が抜けていないか。
過去の出来事を話すときの時制が崩れていないか。
時間が足りなかったら、原因を確かめましょう。同じ説明を繰り返していたのか、単語が出ずに止まったのか。それによって、次に直すところが決まります。
4.質問には、答えと理由を具体的につなげる
“Yes, I do.”までは言えても、そのあとが続かない。
そんな場合は、「答え→理由→具体的な説明」の順で組み立てる練習をしてください。
次は、練習用の質問と回答例です。
Do you think more companies should allow their employees to work from home?
「もっと多くの企業が、従業員の在宅勤務を認めるべきだと思いますか」
Yes, I do. Employees can save time because they do not have to commute. They can spend that time with their families.
「はい。通勤する必要がないため、従業員は時間を節約できます。その時間を家族と過ごすことに使えます」
「時間を節約できる」という理由に、その時間をどう使えるかという説明を加えています。
理由が思い浮かばないときは、まず日本語で答えてみてください。
日本語でも答えが出ないなら、その話題について考える材料が必要です。日本語なら説明できる場合は、その内容を自分が使える英語で伝える練習をします。
登場人物の立場や気持ちを問われたときも同じです。
「悲しい」「心配だ」で止めず、イラストの状況に結びつけて、なぜそう感じるのかまで説明してください。
一次試験の英作文で学んだ理由や表現も、ここで活用できます。教育、環境、働き方などについて書いた内容を、短く口頭で説明してみましょう。
ここに挙げた英文は練習例です。本番では、実際の質問やイラストに合う内容を答えることが大切です。
5.聞き返しや言い直しも、練習しておく
本番で質問を聞き取れなかったときは、分かったふりをして答える必要はありません。
Could you say that again, please?
「もう一度言っていただけますか」
この一文も、普段から口にしておきましょう。
英検協会は、自然な流れでの聞き返しは減点の対象にならないと案内しています。ただし、不自然な聞き返しや、繰り返しの聞き返しは減点の対象になります。
また、言い間違いに気づいたら、短く言い直して先へ進んでください。
例えば、過去の出来事なのに“He goes...”と言ってしまったら、“He went to the office.”と言い直す。
話の最初まで戻って、すべてをやり直す必要はありません。
間違えたら修正し、そのあとに伝えたい内容を続ける。
これも、練習して身につけてほしいことです。
可能であれば、家族や講師に面接委員役をお願いし、入室から退室まで通して練習しておきましょう。
1日25分なら、こう練習する
毎日の進め方に迷う方は、次の配分を参考にしてください。
最初の5分:前日の復習
前日に言えなかった英文や表現を確認し、音読します。そのあと、英文を隠して言えるか確かめます。
次の10分:ナレーション
1分間で準備し、2分間で話して録音します。残りの時間で解答例と比べ、説明が抜けた箇所や言えなかった表現を練習します。
次の7分:質問への回答
質問を二つ選び、声に出して答えます。解答例を確認したら、不足していた説明や表現を練習し、もう一度答えましょう。
最後の3分:翌日の課題を決める
言えなかった表現や、答え直したい問題を記録します。翌日は、その記録を見て練習を始めてください。
これは練習の組み立て方の一例です。苦手な部分には時間を足し、試験までの日数に合わせて調整しましょう。
別の日には、本番と同じ順番で面接全体を通す練習も入れてください。
今日、自分の口で言える英文を増やしましょう
面接対策を終えたとき、確かめてほしいことがあります。
今日、昨日よりも言えるようになったことはありますか。
解説を読んだ。動画を見た。解答例に納得した。
そこからもう一歩進み、何も見ずに答えてみてください。
途中で止まったら、次に練習するところが見つかったということです。その一文を確認し、声に出し、もう一度答える。
こうした復習を、試験まで積み重ねていきましょう。
根岸貴規