ピアノの弾き方を読んだだけで、指は思いどおりに動くようになるでしょうか?
バレエの動きを理解しただけで、そのとおりに踊れるでしょうか?
野球やサッカーも、ルールや理論を知ったうえで、実際に体を動かして練習します。先生やコーチに見てもらい、自分では気づかなかったところを直しながら、繰り返し取り組んでいきます。
英語も同じように、知識を理解し、それを使う練習を積み重ねていくものです。
「解説を読んだら分かった」というところから、自分で言える、書ける、聞いて理解できるところまで進む。そのためには、日々の練習が欠かせません。
こんにちは。英語講師のTaka先生・根岸貴規です。私は日本国内で教科書の音読を中心に英語を身につけ、その英語を使って外資系投資銀行で約20年間働いてきました。英検1級・TOEIC980点を取得し、これまで累計14,000人以上の方に英語学習を指導してきました。ストアカでは、2022年から2025年まで4年連続で「最多受講者賞」を、2025年には「ストアカン・オブ・ザ・イヤー」をいただきました。
■ 一流選手も、基本の反復を続けている
大谷翔平選手や久保建英選手のように、世界を舞台に活躍する選手も、基本的な動作を繰り返し練習しています。
大谷選手が、自分はもう世界一の選手になれたからしばらく練習しなくても大丈夫だと思うでしょうか?
久保選手も、一流のプロ選手として活躍する中でも、おそらく毎日パス回しの練習に取り組んでいますよね?
世界一流の域に到達しても、反復練習は続くわけです。試合で求められる速さや正確さで動けるように、日々、基本を磨いていくわけです。
私は、英語も同じように考えてほしいと思っています。
一度意味を調べた単語を、会話の中ですぐに使えるでしょうか?
何度か読んだ英文を、何も見ずに口に出せるでしょうか?
「知っている」と「必要なときに使える」の間には、しつこいくらい練習が必要です。基本の単語や短い英文を繰り返す時間を、上達のために大切にしてほしいのです。
■ 英語を理解したあと、どれだけ反復練習してますか?
単語の意味を調べる。文法の解説を読む。問題の答えを確認する。
どれも大切な勉強です。ただ、そこで終わってしまうと、自分の力で使えるかどうかは、まだ確かめられていません。
単語なら、意味を隠して答えてみる。
文法なら、習った形を使って自分で一文作る。
英文なら、意味を理解して音読し、見ずに言えるか試す。
実際にやってみると、意味は分かるのに単語が出てこなかったり、分かっていたはずの語順で迷ったりします。
その部分を確認し、もう一度練習する。ピアノで弾けない箇所を取り出して練習するように、英語でも、できなかったところに戻って何度も取り組む必要があります。
勉強時間を振り返るときは、「何時間やったか?」ではなく、「自分で言う、書く、思い出す練習を何回したか?」を確かめてみてください。
■ 独学で迷ったら、何を見てもらうとよいのでしょうか?
私自身、国内で独学を中心に英語を身につけました。独学で英語力を伸ばすことはできます。
ただ、自分一人で進める場合には、教材を選び、練習の順番を決め、その方法で力がついているかを判断する必要があります。
「今の自分には、この教材でよいのか?」
「理解が足りないのか、練習量が足りないのか?」
「毎日続けているのに、なぜ同じところで間違えるのか?」
このようなことを考えながら試行錯誤を繰り返して進んできたので、ものすごい遠回りをして無駄な時間を費やしてきました。
だからこそ、私の受講者になって頂いた方には、時短で効率よく英語を身につける方法も丁寧にお伝えしています。
英語を学ぶなら、指導経験のある人に見てもらうほうが絶対にいいと思います。
単語をどう確認しているか? 音読中にどこで止まるか? 英作文のどの部分で手が止まるか?
「英語が苦手です」と伝えるだけでなく、普段のやり方を見せることで、見直す箇所を具体的にできます。スポーツでフォームを見てもらうように、英語でも学習の過程を見てもらうことに意味があります。
■ 続けるために、「いつ、何をするか?」を決める
英語学習で私が特に重視しているのが、継続です。そして、継続を支えるのが習慣化です。
「明日から頑張ろう」と思っても、忙しい日や疲れた日はあります。毎回やる気が出るのを待っていては、練習の機会を十分に確保できません。
そこで、すでにどんなに忙しい日でもしていることの直前や直後に、英語を置いてみてください。
歯磨きの後、朝食の後、昼食の後、入浴の前、寝る準備をする前など。
私は、一回5分を一日最低5回、生活の中に確保することをおすすめしています。これで一日25分になります。実際の生活に合わせて、取り組みやすいタイミングを選んでください。
その5分で何をするかも、先に決めます。
単語の意味を隠して確認する。前日に言えなかった英文を音読する。覚えた表現を見ずに言ってみる。
教材を開いてから考えるのではなく、開くページや取り組む範囲まで決めておく。こうして、始めるまでの迷いを減らしていきます。
最初から、呼吸をするように自然にできる必要はありません。決めたタイミングで繰り返し取り組み、少しずつ日常になじませていけばよいのです。
■ 「英語ができる自分」は、どんな毎日を過ごしていますか?
習慣をつくるときには、英語を身につけた先の自分も、具体的に考えてみてください。
「英検に合格したい」という目標があるなら、合格したあと、その英語をどこで使いたいでしょうか?
・海外の人と、自分の言葉で話したい。
・仕事で英語を使い、選択肢を広げたい。
・日本の文化や身近なことを、英語で紹介したい。
こうした「自分はどのような人になりたいか?」という意識が、学習を続ける理由になります。
アイデンティティというと難しく聞こえますが、ここでは「自分は英語を使って、こんなことをする人になりたい」という自分の姿を考えてもらえれば十分です。
その姿と、今日の練習をつなげてください。
英語で話せるようになりたいから、今日も一文、声に出して練習する。英語で仕事をしたいから、今日覚える単語の意味を、自分で答えられるようにする。
目指す姿があると、単語帳を開く理由もはっきりします。そして、小さくても実際にできることが増えれば、「自分も少しずつ近づいている」と確かめられます。
■ 続かなかった日は、次に取り組める形に直す
一日できなかったからといって、それまでの練習がなくなるわけではありません。
大切なのは、できなかった理由を確かめ、次に取り組めるようにすることです。
時間帯が合わなかったなら、別のタイミングに移す。
範囲が広すぎたなら、一回に取り組む量を小さくする。
何をすればよいか分からなかったなら、次に開くページを決める。
「もっと頑張る」で終わらせず、実際に変えられるところを一つ変えてみてください。
私が指導で大切にしているのも、英文や問題の解説に加えて、その方が日々の練習を続けられるようにすることです。
どこで迷っているのか? 何が負担になっているのか? どうすれば、次の日も取り組めるのか?
そこまで一緒に整理し、やがてご自身で学習を進められるよう、サポートしたいと思っています。
まずは今日、英語を使って何ができるようになりたいか、一行で書いてみてください。そして、そのための練習を、明日の生活のどこに入れるか決めましょう。
英語が特別な勉強から、毎日の生活の一部になっていく。その積み重ねが、自分で使える英語を育てていきます。
1人でも多くの英語学習者のお役に立てるような情報を発信しています。英語をもっと頑張りたい方、頑張っているのになかなか続かない方は、ぜひ他の投稿も参考にしてみてください。
根岸貴規