病院の受付で、外国の方が「おなか、いたい」と言いました。
あなたは、やさしく聞きました。
「キリキリですか? シクシクですか?」
相手は、困った顔になりました。
やさしい気持ちがあるのに、伝わらない。これは、よくあることです。
🍀音や様子のことばは、とても難しい
日本語には、「ズキズキ」「キリキリ」「ジンジン」のような、音や様子を表すことばがたくさんあります(オノマトペといいます)。
日本で生まれ育った人は、子どものころから自然に使っています。
でも、日本語を勉強している人は、初級の教科書であまり習いません。
「ズキズキ」と「ジンジン」のちがいは、日本で育った人でも説明しにくいですよね。
🍀今日のコツ:「どんな音?」ではなく「いつ・どこ・どのくらい?」
痛みの種類を当てようとしないで、答えやすい質問に変えてみましょう。
どこ:「どこが痛いですか?」(指でさしてもらいます)
いつ:「いつからですか? きのうから? 今朝から?」
どのくらい:「0から10で、いくつですか? 0は痛くない。10はとても痛い。」
ずっと?:「ずっと痛いですか? ときどき痛いですか?」
選べる質問にすると、相手は数字や「はい・いいえ」だけで答えられます。
🍀病院だけではありません
仕事でも、ぼんやりしたことばはよく出てきます。
「資料をざっと見ておいてください」
「ちゃんとやっておいてね」
「ざっと」は、何分ぐらい? 「ちゃんと」は、何をどうすること?
「いつまでに」「何を」「どのくらい」に変えると、ぐっと伝わりやすくなります。
「資料を、10分で、最初から最後まで見てください」
🍀今日、試してみてください
今日の会話で、自分が使った「音のことば」や「ぼんやりしたことば」を1つ見つけてみましょう。
そして、「いつ・どこ・どのくらい」で言い直してみてください。
やさしい日本語は、ことばをやさしくするだけではありません。
相手が答えやすい聞き方を考えること。それも、思いやりのひとつです。