体重計に一度も乗っていない人から、「この1か月、頑張ったのに体重がちっとも変わらないんです」と言われたら、皆さんはどう答えますか?
「先月と今日の体重を比べてみたら? もう変わっているかもしれないよ」と言いたくなりますよね。
模試の結果が返ってくれば、点数や偏差値を見て、前回と比べます。ランニングをする人なら、何キロを何分で走ったか。筋トレなら、何キロの重さを何回上げられたか。試合をすれば、スコアを見て、どこで得点し、どこで失点したかを振り返ります。
仕事でも同じです。「今月は先月より忙しかったです」という報告だけで、商売がうまくいっていると判断するでしょうか。売上はいくらで、利益はいくら残ったのか。損失が出たなら、どこで、いくら出たのか。数字を見て、来月どこに手を打つかを決めるはずです。
では、なぜ、自分の英語の勉強になると数字で管理し進捗を追わなくなるのでしょうか?「毎日1時間くらい勉強しています」ではなく「何を何回」と回数を追いましょう。
こんにちは。
英語講師のTaka先生・根岸貴規です。私は日本で、音読を中心に独学で英語を身につけ、英検1級に合格し、TOEICでは980点を取得しました。その英語を使って外資系投資銀行で約20年働き、2021年に英語講師として独立しました。
これまでストアカでは、累計14,000人以上の方にご受講いただいています。ストアカアワードでは、2022年から2025年まで4年連続で「最多受講者賞」を受賞し、2025年には「ストアカン・オブ・ザ・イヤー」もいただきました。
試験の点数は覚えている。では、試験までに何を何回やりましたか?
英検の結果を見て、「合格まであと何点だった」と覚えている方は多いと思います。では、その試験までに、「分担の」長文を何回音読したか。何題の英作文を書き直したか。前回聞き取れなかった英文のうち、何文を一度で聞き取れるようにしたか。
このような数字を強く意識してほしいんです。試験の結果は数字で受け止めるのに、その結果をつくった毎日の勉強は、感覚に任せていませんか?
数字を取らず、進み具合も確かめずに、狙った成果を出し続けることはできません。点数が伸び悩んだとき、今のやり方を変えるべきなのか、それとも、やり方は合っていて反復が足りないのか。それを判断する材料は、試験と試験の間に自分が残した数字です。
「昨日は15周した」と「今朝は140語言えた」は、別の数字です
私の講座では、毎週の英単語の小テストの範囲を200語を決め、同じ200語を毎日15〜20周することをお伝えしています。意味を見て確認するだけなので1語に1秒程度しかかかりません。例えば、昨日は15周できたとしましょう。これが練習した量です。
翌朝、復習を始める前に日本語訳を隠し、英単語を見てすぐに意味が言えたものを数えます。200語中140語だった。これが、その時点で自力でできた量です。
この二つが分かると、「今日は何をしよう」と迷いません。いつもどおり200語を確認しながら、すぐに意味が出なかった60語には印をつけ、昼休みや寝る前にもう一度戻る。翌朝、同じ条件で160語を即答できたら、前日より20語増えたと分かります。
「まだ覚えられない」という気持ちは、昨日も今日も同じかもしれません。でも、数字を見れば、今日の自分は昨日と同じところにはいません。
読む・聞く・書く・話す力にも、それぞれの「体重計」がある
読む力なら、時間と正答数を一緒に測る。 同じくらいの長さと難しさの長文で、前回は12分かかって5問中4問正解。今回は9分で読めたけれど、正解は2問だった。タイムだけなら3分短縮です。でも、この結果を見たら、次は急いで読む前に、答えの根拠を読み落とした一文に戻ります。
聞く力なら、最初の1回で内容をつかめた文を数える。 10文の音声を聞いて、意味まで言えたのが4文。聞き取れなかった箇所をスクリプトで確かめて練習し、翌朝、何も見ずに同じ音声を一度聞いて7文分かった。残った3文が、今日、耳を傾けたいところです。
書く力なら、前に直されたミスが次の作文で何回出たかを見る。 例えば、前回の英作文では、昨日の出来事を書いた段落で時制のミスが3か所あった。次に同じくらいの長さで過去の経験を書いたら、時制のミスは1か所だった。「今週は2題書いた」という記録にこの数字が加わると、添削を受けて何を直せるようになったかまで分かります。
話す力なら、同じ話題を1分録音して比べる。 例えば「自分の仕事」について、先週は所属と担当業務の2点を伝えられた。今週は「誰の役に立つ仕事なのか」まで、メモを見ずに3点とも話せた。レッスンを何回受けたかに加えて、実際に伝えられた中身も残ります。
数字を取った翌日、練習をどう変えましたか?
記録をつけて満足してしまうのは、体重計に乗って、表示を見ずに降りるようなものです。反対に、先週より少しでも伸びた数字があれば、手応えの薄い日にも、その練習を続ける理由が持てます。
私が英語講師としてお伝えしたいのは、一人で教材を開いたときにも「今日はここを練習しよう」と自分で決められる勉強の仕方です。まず、今いちばん伸ばしたい力を一つ選んでください。教材を閉じる前に、今日やった回数を記録する。翌日は答えや解説を見る前に、自力でできた数を確かめる。そして、その結果を今日の練習に反映させる。ここまでを毎日の習慣にしてください。
次の試験の点数が出るまで待たなくても、明日の朝には一つ測れます。昨日の練習で、今日は何がどれだけできるようになったのか。 ご自身の英語学習にも、それが分かる「体重計」を持ってください。
1人でも多くの英語学習者のお役に立てるような情報を発信しています。頑張っているのになかなか成果が上がらない方は、ぜひ他の投稿も参考にしてみてください。
Taka先生・根岸貴規