昨日、単語帳で「覚えた」と思ったはずの単語。今日も同じところで手が止まる。
「これ、昨日もやったのに……」
そんなとき、どうしていますか。「自分は記憶力が悪い」とがっかりして単語帳を閉じるのか。それとも、「そうだった、この意味だった」と確かめて、次の単語へ進むのか。私が注目してほしいのは、この数秒です。
こんにちは。英語講師のTaka先生・根岸貴規です。私は日本で音読を中心に英語を独学し、外資系投資銀行で約20年間、英語を使って働きました。英検1級・TOEIC980点を取得し、2021年に英語講師として独立。これまでストアカで累計14,000人以上の方にご受講いただき、2022年から4年連続で最多受講者賞をいただきました。
■ 「また忘れた」と思ったあと、どうしていますか?
「先生、何度やっても単語が覚えられません」
そんなご相談を受けたとき、私がまず伺いたいのは、「その単語の意味を、今日は何回思い出そうとしましたか?」ということです。
一日に3回、5回と見ても、翌日には忘れている。私なら「それで普通ですよ」とお答えします。そこで毎回「どうして覚えられないんだろう」と考え込んでしまうと、一つの単語で疲れてしまい、その先の単語に触れる回数まで減ってしまいます。
たとえば、自分の住所。初めて見た日に「絶対に暗記するぞ」と意気込んだでしょうか。さまざまな場面で書いたり、人に伝えたり、何も見ずに思い出したりするうちに、今ではすっと言えますよね。英単語も、「何も見ずに思い出す機会」を、一日の中に何度も作ってほしいのです。
■ 私が勧めるのは「同じ200語を、1日最低10回以上」
私の講座では、1週間の範囲を200語に限定し、同じ単語に一日10回以上触れることをお伝えしています。今週の200語の範囲を、何度も見返します。
やり方はシンプルです。
① 日本語の意味を隠し、英単語を見て、意味を一つ思い浮かべる。
② 1秒ほどで浮かばなければ、すぐに意味を確かめて次へ進む。
③ 200語を一周したら、手帳やスマホに「正」の字を一画書く。
一語に何十秒もかけてにらめっこするより、いったん答えを見て、あとでもう一度その単語に会いにいきましょう。目指すのは、一語を見て1秒ほどで意味が浮かぶ状態です。
仮に1語1秒で進めば、200語を一周するのに3分20秒。初めは意味を確かめる時間もかかりますが、10回を一度にこなす必要はありません。たとえば朝食後に2回、昼休みに3回、夕方に2回、寝る前に3回。生活に合わせて分けてみてください。一瞬で意味がわかる単語は何度も繰り返し意味を確認しなくてもいいので、徐々に減っていくので1周するのに3分以上もかかりません。
記録するのは、覚えられなかった単語の数よりも、まず「今日、何周したか」です。「正」の字が二つ並んだら、一語につき10回、意味を思い出す機会を自分で作れたということです。
■ 何度もつまずく単語は、覚え方を変えてみる
何周しても、なぜか同じ単語で止まる。そんなときは、その一語だけ練習の仕方を変えてみましょう。
たとえば、borrow(借りる)と lend(貸す)が混ざるなら、ペンを借りたい場面を思い浮かべて、“Can I borrow your pen?”(ペンを借りてもいいですか?)と声に出してみる。自分が借りる側に立つと、文字だけで見比べていた二つの単語に違いが見えてきます。
音声を聞いてまねする。例文の中で意味を確かめる。自分に関係のある短い英文を作る。似た意味や反対の意味を持つ単語と組み合わせる。覚えにくい一語には、次に思い出すための手がかりを一つ足してあげてください。
■ 今日の単語帳には、点数より「正」の字を
忘れたら、意味を確かめる。また忘れたら、また確かめる。そのたびに、ご自身の記憶力を採点する必要はありません。
今日、昨日と同じ単語で止まったら、「また忘れた」で単語帳を閉じずに、「そうだった」と意味を見て、次の一語へ進んでください。そして最後まで回れたら、「正」の字を一画。それが、今日の自分で増やせる一回です。
何度も繰り返しているのに覚えにくい単語があれば、ぜひ授業でその一語を教えてください。どの単語と混ざるのか、見ると分かるけれど聞くと思い出せないのか。そこから一緒に、覚え方を考えます。私も毎回、その日のベストを尽くして皆さんの学習をサポートします。
1人でも多くの英語学習者にためになる情報を発信しています。頑張っているのになかなか成果が上がらない方は、ぜひ他の投稿も参考にしてみてください。
Taka先生・根岸貴規