「長文の解説を読めば分かるのに、読むスピードが上がらない」
「リスニングの音声が速くて、意味を考えているうちに次へ進んでしまう」
「単語や文法は勉強しているのに、英語が口から出てこない」
そんな悩みはありませんか。
勉強を続けているのに、思うように使えるようにならない。そんなときは、新しい教材を増やす前に、学んだ英文の復習方法を見直してみてください。
こんにちは。Taka先生・根岸貴規です。
外資系投資銀行で約20年勤務し、現在は英語講師として、累計14,000人以上の方の学習をお手伝いしてきました。
私が受講者の皆さんに繰り返しお伝えしているのが、意味を理解した英文を、何度も声に出して読むことです。
今回は、音読で何を練習するのか、どのような順番で取り組めばよいのかを、具体的にお伝えします。
音読は「文字・意味・音声」を結びつける練習
英文を見れば意味が分かる。それでも、同じ英文が音声で流れてくると分からない。
このような経験はありませんか?
文字を見て理解することと、流れてくる音を聞いて理解することには、それぞれ別の練習が必要です。
例えば、知っている単語でも、実際の音声では前後の単語とつながったり、弱く発音されたりします。自分が想像していた音と違えば、聞き取るのに時間がかかります。
そこで、英文の意味を確認し、教材の音声を聞き、その発音やリズムをまねして声に出してみる。
文字を見て意味を捉え、その英文がどのような音で表されるのかを確かめる。
これが、音読で大切にしてほしいことです。
口だけが動いていて、何を言っているのか分からない状態なら、いったん立ち止まりましょう。意味を確認してから、もう一度読みます。
目指すのは、理解した英語をスムーズに使える状態
私は英語学習を、次の三つの段階で考えています。
① 分かる
② できる
③ 忘れずにできる
授業の説明を聞いて理解することは、大切な出発点です。ただ、その場で分かった英文を、翌日も翌週も、それ以降もずっと同じように理解できるとは限りません。
意味を考えるのに時間がかかる。途中で語順が分からなくなる。声に出そうとすると、口が止まってしまう。
そうした部分を見つけ、繰り返し練習する必要があります。
音読で目指すのは、一語ずつ長く考え込まなくても、英文の流れに沿って意味を捉えられる状態です。私は、こうして理解や発話をスムーズにしていくことを「自動化」と呼んでいます。
「解説があれば分かる」から、「自分で理解しながら読める」へ。
そのための基礎練習として、音読を取り入れてほしいのです。
長文・リスニング・英会話で、音読をどう使うか
長文読解では、英語の語順で意味を追う
長文問題を解き、答え合わせをしたら、内容を理解した英文を声に出して読んでみてください。
主語と動詞はどれか。どこまでが意味のまとまりか。前の文と、どのようにつながっているか。
精読で確認したことを思い出しながら、前から意味を追っていきます。
途中で意味が分からなくなったら、その箇所を確認します。理解できたら、また声に出す。この反復を、語順に沿って理解する練習にしてください。
初めて読む英文でも同じように理解できるかは、別の文章で確かめていきましょう。
リスニングでは、聞き取れなかった原因を確かめる
音声を聞いて問題を解いた後は、聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認します。
知らない単語だったのか。文の構造が分からなかったのか。それとも、知っている表現なのに音がつかめなかったのか。
原因が違えば、復習する内容も変わります。
意味を理解したうえで音声を聞き直し、音のつながりや強弱をまねして音読する。そして、最後にスクリプトを閉じ、もう一度聞いて内容を捉えられるか確かめてください。
英会話では、練習した表現を自分の話に使う
自分が使いたい表現を含む英文は、音読から暗唱へ進めてみましょう。
例えば、休日の過ごし方を説明する英文なら、読めるようになった後に、自分の予定に合わせて言い換えてみる。
英検のスピーキング対策なら、練習した理由や具体例の表現を使い、別の質問にも答えてみる。
声に出して練習した表現を、自分が伝えたい内容に合わせて使う。
音読で準備したことを、実際に話す練習につなげていきましょう。
音読は、この三つの順番で進めてください
① 英文を精読する
まず、単語・熟語・文法・文の構造を確認します。
日本語訳を読んで納得するだけでなく、「なぜ、この英文がこの意味になるのか」を確かめてください。
長い文章を一度に扱う必要はありません。最初は数文や短い一段落でも構いません。
② 教材の音声を聞く
発音やアクセント、音のつながり、強弱、区切り方を確認します。
音声が速く感じられる場合は、一文ずつ止めて聞きましょう。聞いた後に、同じ箇所を声に出してみます。
自分の読み方との違いに気づいたら、その部分を聞き直してください。
③ 意味を捉えながら、繰り返し音読する
最初は、意味を理解できる速度で読みます。
つまずくところは一文ずつ練習し、読めるようになったら、段落全体を通して読んでみてください。
少しずつ、教材の音源に近い速度やリズムでも、内容を捉えながら読める状態を目指します。
精読する。音声を確かめる。理解しながら音読する。
この順番を大切にしてください。
まずは最低30回。その回数と一緒に「できたこと」を確かめる
私は、理解した英文について、まず30回を一つの目安として音読することを勧めています。
数回読んだだけで「効果がない」と結論を出さず、繰り返してみてください。
ただし、30回は、必ず身につくことを保証する数字ではありません。英文の難しさや現在の力によって、必要な練習量は変わります。
30回読んでも意味を理解しつつ、滑らかに読めなければ、どこで止まるのかを確認する。意味が曖昧なら精読に戻り、音が分からなければ音声を聞き直す。そのうえで、50回、さらにその先へと練習を重ねる必要があります。
確認してほしいのは、次の四つです。
英文の意味を捉えながら読めているか?
語句を読み飛ばさず、正確に読めているか?
音源の発音やリズムに近づいているか?
以前つまずいた箇所を、スムーズに読めるようになったか?
自分が音読している声を録音し、教材の音声と聞き比べることをお勧めします。
回数を記録しながら、できるようになったことと、まだ練習が必要なことを確認しながら進めていきましょう。
毎日の行動に、5分の音読を結びつける
音読を続けるには、「時間ができたらやる」よりも、やるタイミングを決めておくことが大切です。
「朝の歯磨きが終わったら、この長文を読む」
「夕食後に、今日の授業で理解した英文を読む」
このように、毎日の行動と結びつけてください。
例えば、意味と構造を確認した短い一段落を、毎日5回音読する。7日間続ければ35回です。5分で読める分量になるよう、段落の長さや回数を調整しましょう。
教材のページを開き、音声をすぐ再生できるようにしておけば、短い時間も練習に使えます。
記録は、次の程度で十分です。
「P15の長文を5回。最後の段落の文の意味を追うのが遅れる」
翌日は、その最後の文を重点的に繰り返し確認する。このように、記録を次の練習につなげるようにしましょう。
授業で理解し、次の授業までに練習する
私の講座でも、英文を理解して終わりにせず、音読などの復習に取り組んでいただいています。
文の構造が分からないところや、一人では理解に時間がかかるところを授業でスラッシュリーディングをして整理する。そして、理解した英文をご自身で繰り返し練習する。
そのために、課題の範囲だけでなく、取り組む順番や方法、反復の目安も具体的にお伝えしています。勉強はやる順序、やり方、量が必要だからです。
授業で分かったことを、次の授業までにどこまで自分でできるようにするか。
私は、その時間を大切にしてほしいと考えています。
今日、答え合わせをした長文や、聞き直したリスニングのスクリプトはありませんか?
その中から短い一段落を選び、意味と音声を確かめて、声に出して読んでみてください。
一度で滑らかに読めなくても大丈夫です。止まった箇所が、次に練習するところです。
どの教材を使えばよいか、どこまで理解してから音読すればよいか迷う方は、メールでご相談ください。目的と現在の英語のレベルをお伝え頂ければ、ご自身で練習を続けられるよう、学習のペースなどをサポートさせて頂きます。
「分かる英語」を、「使える英語」へ。
今日理解した一段落を、まずは声に出すところから始めてみましょう。
根岸貴規