パンが膨らまなかったとき、原因を一つずつ疑っていくのは大変です。
温度か、こね方か、発酵時間か……。
でも、意外と多いのが「イーストが古かった」という、
とってもシンプルな原因。
「これ、いつ開封したっけ?」という状態のイーストがあれば、
パン作りを始める前にまず、「使えるイーストかどうか」を確かめてみましょう!
この記事では、
・イーストが弱る理由
・5分でできる確かめ方
・開封後の正しい保存
を、順にご説明します。
イーストは「生き物」です
ドライイーストは、酵母を乾燥させて眠らせたものです。
眠っているだけで、生きています。
だから湿気・空気・高温・時間で、少しずつ弱っていきます。
ここで大事なのは、開封済のイーストは急に死ぬのではなく、
じわじわ弱るということ。
だから症状も「まったく膨らまない」ではなく、
膨らむけれど、時間がやたらかかる
膨らむけれど、いつもより小さい
二次発酵でもう力が残っていない
という、分かりにくい形で出ます。
「最近うまくいかないな」の正体が、実は古いイーストだった、
というのはよくある話です。
目安として、未開封なら製造から2年ほどもちます。
問題は開封後。開けた瞬間から劣化が始まります。
5分でわかる、予備発酵テスト
開封後のイーストの状態を確認する方法はとても簡単です。
用意するもの
ぬるま湯 100ml(40℃前後)
砂糖 小さじ1
調べたいイースト 小さじ1
手順
コップにぬるま湯と砂糖を入れて、軽く混ぜる
イーストを振り入れる(混ぜなくて大丈夫です)
そのまま5〜10分おく
結果の見かた
もこもこ泡立って、2〜3cmの泡の層ができた !
→ 元気です。そのまま使ってください
細かい泡がうっすら出た程度
→ 弱っています。使えますが、発酵に時間がかかります。
量を1.2〜1.5倍にすると普段どおりに近づきます
何も起きない。粉が沈んだまま
→ 寿命です。新しいものを買ってください
ひとつだけ注意として、お湯が熱すぎると、
生きているイーストまで死んでしまいます。
45℃を超えると弱り始め、60℃でほぼアウト。
さわって「少しあたたかい」くらいにしてください。
「元気なはずなのに泡立たない」というときは、たいていお湯が熱すぎです。
なお、テストに使った液は捨てなくて大丈夫。そのまま仕込み水の一部として使えます(その分の水と砂糖を、レシピから引いてください)。
開封後は「冷凍」がいちばん
開封後の保存方法については、生徒様からもよく寄せられる質問!
ズバリ、開封したイーストは、冷凍してください。
常温の棚に置きっぱなしが、いちばんよくありません。
キッチンは思っているより暑く、湿気もあります。
密閉して冷凍庫へ。イーストは凍りませんし、活性もほとんど落ちません
使うときは凍ったまま計って、そのまま粉に混ぜる。解凍しないでください。出し入れのたびに常温に戻すと、結露して湿気を吸います
冷蔵庫でも可。ただし冷凍より劣化が早いので、すぐ使い切る方向け
必ず密閉!袋のまま輪ゴムはNG。空気も湿気も入ります
もちやすさの目安は、冷凍で半年〜1年、常温の開封済みなら1〜2か月。
ずいぶん違いますよ!
容器は、密閉できれば何でも構いません。
ただ、冷凍用の厚手の保存袋が手軽です。
空気をしっかり抜けて、開封日を書いておけるのが地味に便利。
バターや焼いたパンの冷凍にも同じものが使えます。
小さい袋を買う? 大袋を冷凍する?
イーストを買うとき、小分けタイプにするか、大袋にするかで迷いますよね。
大袋の方がもちろんお得。でも、どちらを買うかは「焼く頻度」で決めましょう。
月1〜2回 → 小分けタイプが安心。使い切りなので劣化の心配がありません
週1回以上 → 大袋を小分け冷凍するほうが、ずっと割安です
週に一度でも焼くなら、大袋がおすすめです。
買ってきたその日に、使いやすい量ずつ小分けして冷凍してしまえば、劣化はほぼ止まります。
定番は、予備発酵なしでそのまま粉に混ぜられるタイプ。
砂糖の少ない食事パンから、砂糖5%前後の生地まで、これ1つで困りません(砂糖がうんと多い菓子パンには「金」という別のタイプがあります)。