レシピどおりに計ったのに、1時間たっても生地がぺたんとしたまま。
オーブンから出てきたのは、ずっしり詰まった「石」
——パン作りを始めた頃、私も何度もやりました。
膨らまない原因は、たいてい次の5つのどれかです。
上から順に確認すれば、次に焼くときには8割がた解決します。
原因ごとに「なぜ起きるか」と「どう対策するか」をセットで見ていきます。
原因1:イーストが古い・弱っている
いちばん多いのがこれです。
ドライイーストは生きた酵母を乾燥させたもので、開封して常温に置くと数週間で発酵力が落ちます。
賞味期限内でも、キッチンに出しっぱなしの半年前のイーストは別物と思ってください。
確認方法は「予備発酵テスト」です。
40℃くらいのぬるま湯100mlに砂糖ひとつまみとイースト小さじ1を溶かし、10分で表面がもこもこ泡立てば生きています。
ふくらまなければ廃棄です。
対策は、少量ずつ使い切って新しいものに替えること。
予備発酵なしで粉に直接混ぜられるインスタントタイプが扱いやすく、私は開封後は密閉して冷凍庫で保存しています。
原因2:仕込み水の温度が合っていない
酵母がいちばん働くのは生地の温度が28〜32℃のとき。
冬に冷たい水道水(10℃前後)で仕込むと、生地温度が20℃を下回って発酵が一気に遅くなります。
逆に「早く膨らませたい」と50℃以上の湯を使うと、酵母が弱って死んでしまいます。
目安の仕込み水は30〜40℃。
夏なら水道水をそのままでもOK!冬は電子レンジで10秒ほど温めて上げるのがおすすめです。
「お風呂のお湯くらい」という感覚でもOKですが、確実に温度を確かめたい場合は、温度計を使うと良いでしょう。
原因3:発酵させる場所が寒い
生地温度が正しくても、置き場所が18℃の部屋ならレシピの「40分」では発酵は終わりません。
発酵時間は温度で2倍以上変わります。
対策は温度を作ってあげること。
オーブンの発酵機能(30〜35℃)を使う、40℃程度のお湯を張ったボウルの上に生地を置く、電子レンジに熱湯カップを一緒に入れて閉じる、など。
私の「時短パンレッスン」では、予熱中のオーブンの上に置いて、そこで発酵させる方法をとっています。
時間ではなく「生地が1.5〜2倍になったか」で見極めるのが基本です。
原因4:塩とイーストが直接触れた
ボウルに粉を入れ、同じ場所に塩とイーストを隣り合わせで乗せていませんか?
塩は浸透圧で酵母の水分を奪うため、直接触れて時間が経つとイーストが弱ります。
対策は単純で、塩とイーストはボウルの反対側に離して入れ、イーストをめがけて水を加えるだけ。
また、パン作りに使いやすいのは粒子の細かい「サラサラタイプ」。
溶けやすく、計量もしやすいので、おすすめです。
原因5:粉のタンパク量が足りない
パンが膨らむのは、小麦のタンパク質(グルテン)がガスを抱え込む袋になるからです。薄力粉(タンパク約8%)だけで作るとこの袋が弱く、発酵しても横に広がってしぼみます。
食パンや丸パンは強力粉(タンパク11〜12%台)を使うのが前提です。全粒粉やライ麦を混ぜる場合も、まずは全体の2〜3割までにとどめると膨らみを保てます。
まとめ
うまくいかないときは、この順で1つずつ試してくださいね。
イーストの予備発酵テスト(10分で泡立つか)
こね上げ生地の温度を測る(27〜30℃に入れる)
発酵場所を30〜40℃前後にして、時間でなく2倍になったかで判断する