「昨日勉強した単語や英文を、今日は何も見ずに思い出せますか?」
通勤中に単語アプリを開く。
家事が終わってから、英語の解説動画を見る。
寝る前に、問題集を数問解く。
忙しい一日の中で、勉強時間は何とかつくっている。それなのに、会話になると英語が出てこない。同じ単語で何度も止まる。
もし思い当たるなら、次の学習では「終わったときに何ができるようになるか」を、一つだけ決めてください。
「単語帳を開く」から、「この10語の意味を、答えを隠して言えるようにする」へ。
この違いが、限られた時間の使い方を変えます。
こんにちは。英語講師のTaka先生・根岸貴規です。私は日本国内で教科書の音読を中心に英語を身につけ、その英語を使って外資系投資銀行で約20年間働いてきました。英検1級・TOEIC980点を取得し、これまで累計14,000人以上の方に英語学習を指導してきました。ストアカでは、2022年から2025年まで4年連続で「最多受講者賞」を、2025年には「ストアカン・オブ・ザ・イヤー」をいただきました。
■ 学習の濃さ|「その15分で、何をできるようにする?」
学習時間も、繰り返す回数も必要です。そのうえで、忙しい方ほど、一回の学習で何をするかを明確にしておきましょう。
私が考える「濃い学習」には、次の3つがあります。
① 分からないところを、理解する。
② 理解したことを、見ずに思い出して使う。
③ スキマ時間があるたびに、繰り返し思い出そうとして確かめる。
解説を読んで「なるほど」と思ったところから、もう一歩進むことが大切です。
文法なら、なぜその形になるのか説明する。
例文なら、日本語だけを見て英語で言う。
長文なら、主語と動詞を捉え、何を述べているか説明する。
私は、学習の成果を「頭が疲れたかどうか」だけでは判断しません。
確かめたいのは、「何を理解したか」「何を自力で再現できたか」です。疲れることを目標にせず、できるようにする対象を決めてください。
■ 問題集の使い方|「答え合わせの後、すぐ次の問題へ進んでいない?」
問題を解き、間違えたら解説を読む。「分かった」と思って、次へ進む。
これを繰り返しているのに、似た問題でまた間違える。そんなときは、解けなかった原因への練習が足りているかを確かめましょう。
① 単語の意味が分からなかった
→ 意味を確認し、隠して思い出す。翌日も確認する。
② 文法が分からなかった
→ 該当する説明と例文に戻り、その形になる理由を確かめる。
③ 英文の構造を読み違えた
→ 主語・動詞や修飾関係を確認し、意味を理解してから音読する。
知らない単語が多く、英文を十分に理解できていないなら、まず語彙・文法・精読に時間を使ってください。
私が大切にしているのは、単語・文法を確認し、英文を正確に読み、理解した英文を音読し、聞く・書く・話す練習につなげることです。
問題演習にも、思い出す力や知識を使う力を鍛える役割があります。だからこそ、答え合わせで見つかった課題を、次の学習に反映させましょう。
問題を一つ解いたら、「次に何を覚え直すか」まで決める。そこまでを、一回の学習に含めてください。
■ 覚え方の見直し|「答えを見れば分かる状態で、終わっていない?」
単語帳を見て「知っている」と思うことと、答えを隠して意味を言えることは、別の確認です。
英文を読んで理解できても、日本語だけを見て同じ内容を英語で言おうとすると、止まることがあります。
この「自力で思い出す場面」を、学習に入れましょう。
外国語の単語を使った研究でも、一度正答できた語について、繰り返し思い出す練習を続けることが、後日の記憶に役立つ結果が報告されています。WashU Research Profiles
やり方は、シンプルです。
① 意味や使い方を理解する。
② 答えを隠して、自分で思い出す。
③ 出てこなかった部分を確認する。
④ 少し間を置いて、もう一度試す。
知らないことを、何分も考え続ける必要はありません。出てこなければ確認し、その後にもう一度、自力で答える機会をつくります。
「答えを見て終わる」を、「確認した後、もう一度言ってみる」に変えてください。
■ 成果の確かめ方|「翌日にも、できる?」
その場で言えたら、翌日にも教材を閉じて確かめましょう。
思い出せなかったら、そこが今日の復習箇所です。
記録は、次の3つで十分です。
・今日、何を理解したか。
・何を見ずに言えたか、書けたか。
・明日、何をもう一度確かめるか。
単語なら意味を答える。文法なら短い例文を作る。長文なら内容を説明する。学習したことに合った方法で確認します。
私が大切にしている「分かる」「できる」「忘れない」という3段階を、毎日の勉強の中で確かめていくのです。
■ 次の学習から|「終わったとき、何が一つできていたい?」
仕事や家事を終えた後の15分は、貴重な時間です。
その時間を、「何となく教材を開いて、何となく終わる」だけで使い切ってほしくありません。
今日から、学習を始める前に一つ決めてください。
「この10語の意味を答えられるようにする」
「この一文を見ずに言えるようにする」
「この問題の答えがそうなる理由を説明できるようにする」
そして、最後に本を閉じて確かめる。
あなたの次の15分では、何を一つ、できるようにしますか?
「理解する」「思い出す」「確かめる」を、今ある学習時間に入れていきましょう。
参考資料
Karpicke, J. D., & Roediger, H. L.(2008)
The Critical Importance of Retrieval for Learning. Science, 319, 966–968.
根岸貴規
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