「GMARCHを目指すなら、高校生のうちに英検準1級を取っておいたほうがいいですか?」
志望する学部や入試方式が合えば、取得する価値は大きいです。英語を満点として扱ってもらえたり、大学独自の英語試験が免除されたりするからです。
たとえば、2027年度の明治大学経営学部には、準1級合格で英語が150点満点に換算される方式があります。法政大学には、英語資格の基準を満たすと、当日は英語以外の1科目で合否を判定する方式があります。
高校3年生になってから、英語も国語も社会も、全部を同時に仕上げるのは大変です。その前に、英語で使える資格を用意できていたらどうでしょう?残りの科目に、時間も気持ちも向けやすくなるはずです。
今回は、準1級を持っていると、GMARCH受験の何が、どのくらい変わるのかを、大学ごとの例でお伝えします。
こんにちは。英語講師のTaka先生・根岸貴規です。私は日本国内で教科書の音読を中心に英語を身につけ、その英語を使って外資系投資銀行で約20年間働いてきました。英検1級・TOEIC980点を取得し、これまで累計14,000人以上の方に英語学習を指導してきました。ストアカでは、2022年から2025年まで4年連続で「最多受講者賞」を、2025年には「ストアカン・オブ・ザ・イヤー」をいただきました。
※入試情報は、2026年11月6日時点で公表されている2027年度の要項・概要・変更予告に基づきます。以下は各大学の一部の方式の例です。出願時には、受験する年度・学部・方式の最終的な入試要項を各自で確認してください。
■ 「準1級を持っていると有利」の中身を知っておく
GMARCHとは、学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政の6大学を指します。
英検の使い方を見るときは、「準1級が使えるか」から、もう一歩進んでください。
・英語の得点として換算されるのか。
・試験の点数に加点されるのか。
・出願資格として使われるのか。
・大学で受ける英語試験が免除されるのか。
これらは、組み合わせて使われる場合もあります。また、「準1級合格」という級を見る大学もあれば、成績表に載っているCSEスコアを見る大学もあります。
同じ合格証書を持っていても、利用する方式によって、受験への生かし方が変わるのです。
■ 明治大学:経営学部では英語150点満点に換算される方式がある
2027年度の全学部統一入学試験で、経営学部の「英語4技能3科目方式」を利用する場合、準1級合格は英語150点満点に換算されます。当日の英語試験は免除です。
同じ方式では、2級合格かつCSEスコア2088以上なら135点。準1級合格なら150点なので、換算点には15点の差があります。
この方式では、準1級合格後にさらにCSEスコアを上げても、英語の換算点は150点のままです。ここまで届いたら、ほかの志望校の条件も見ながら、残りの科目に時間を回す判断ができます。
ただし、この方式には独自の募集人員があり、合否も方式ごとに決まります。「明治大学のどの入試でも、準1級があれば英語満点」という制度ではありません。meiji.ac.jp
■ 法政大学:英語が免除され、当日は1科目で勝負できる
法政大学の「英語外部試験利用入試」は、指定された資格・スコアの基準を満たすことで、T日程入試の英語が免除されます。合否を判定するのは、英語以外の1科目です。
2027年度の基準では、たとえば法学部は英検準1級以上の合格が必要です。一方、社会学部や経営学部など、2級以上の合格で利用できる学部もあります。
ここでは、資格は出願条件として使われます。基準を超えてさらに高いスコアを取っても、それだけで加点されるわけではありません。nyushi.hosei.ac.jp
準1級を取ることで選べる方式が増え、当日受ける科目を絞れる。これは具体的なメリットです。その分、残る1科目の出来が合否を左右するので、過去問を使って十分に準備しておきたいところです。
■ 学習院大学:準1級でも、スコアによって換算点が変わる
学習院大学国際社会科学部の「プラス試験」では、英語資格・検定試験の成績を英語の得点に換算します。
2027年度の換算表では、「準1級・CSEスコア2304以上」は150点満点中130点、「準1級・CSEスコア2540以上」は140点です。univ.gakushuin.ac.jp
明治大学の先ほどの方式とは違い、準1級合格後のスコアにも意味があります。合格した時点で十分なのか、もう一度受験して換算点を上げることを目指すのか。他教科の仕上がりと比べて考えましょう。
■ 青山学院大学:スコアに応じて加点される方式がある
青山学院大学国際政治経済学部のB方式では、英語資格・検定試験を出願資格と加点に使います。
2027年度の概要では、英検の4技能CSEスコアが2300〜2599なら10点、2600〜3299なら15点の加点です。受験した級や合否は問われません。
準1級の勉強を通じてスコアを伸ばすことが、加点につながる例です。ただし、大学独自の論述・総合問題への対策も必要です。英語資格の準備と、大学が当日出す問題への準備を、両方進めていきます。
出典:青山学院大学「2027年度 入学者選抜概要」158〜160・167ページ
■ 立教大学:「準1級だから何点」と一律には決まらない
立教大学の一般入試では、英語資格・検定試験のスコアや、共通テストの英語の得点を利用します。文学部の一部の日程などには例外があります。
英検については、級の合否よりも4技能のCSEスコアが評価の対象です。一般入試の換算点は、出願後に受験生のスコア・得点を統計的に処理して決まるため、事前に「準1級なら何点」とは示されていません。
準1級に合格したら、合格という結果と一緒に、スコアも見てください。なお、共通テスト利用入試は別の仕組みなので、一般入試と混同しないようにしましょう。guide.52school.com
■ 中央大学:2027年度から英語の個別試験がなくなる方式もある
中央大学総合政策学部の「学部別選抜英語外部試験利用方式」は、2027年度から英語の個別試験を廃止し、英語資格・検定試験のスコアを150点満点に換算する仕組みに変わります。
英検の出願基準はCSEスコア2304以上で、受験級・合否は問いません。国語の個別試験で基準点に達した人について、国語100点と英語の換算点150点、合計250点満点で判定します。
ここでの150点は、英語の配点です。準1級に合格すれば全員150点をもらえる、という意味ではありません。換算の目安などは、11月中旬公開予定の入試要項で確認する必要があります。chuo-u.ac.jp
このように、前年と受験科目が変わることもあります。先輩が受けた方法をそのまま使う前に、自分の受験年度の情報を確認しましょう。
■ 一番大きいのは、高校3年生の時間の使い方が変わること
ここまで読んで、「英語が満点になるなら、かなり楽になる」と感じた方もいると思います。
ただ、同じ方式を受ける人にも、満点換算の資格を持っている人はいます。英語の得点を確保したうえで、残る科目でどれだけ取れるかが大切です。準1級だけを根拠に「合格率が何倍になる」「偏差値がいくつ足りなくても受かる」とは言えません。
それでも、私が高校生のうちに準1級を目指す意味は大きいと考えるのは、受験の準備を早く進められるからです。
英語の換算点を確保できていれば、苦手な古文をやり直す時間を増やせる。数学の過去問で止まった単元に戻れる。日本史や世界史の、まだ覚えきれていない範囲を繰り返せる。
英語の入試問題がその日うまく解けるか、という不安が減る方式もあります。
資格を取ったあと、その分の時間を何に使うか。そこまで考えて初めて、準1級が大学合格に近づくための強みになります。
■ 高校2年生までに目指すなら、「使える期間」も確認する
まだ受験まで時間がある方には、高校2年生までの準1級合格を、一つの目標として考えてほしいと思います。高校3年生になってからの再受験や、他教科の対策に余裕を持たせやすいからです。
ただし、取得は早ければ早いほど、そのまま入試で使えるというわけではありません。
たとえば2027年度の立教大学では、利用できる英語資格・検定試験は2025年1月以降に受験したものとされています。英検の従来型については、二次試験の受験時期が基準になります。guide.52school.com
高校1年生で取った資格が、志望校の受験時には対象期間から外れることもあります。早く合格できた場合は、その力を保ちながら、必要な時期に再受験する計画を立てればよいのです。
今の高校1・2年生が大学を受ける年度には、制度が変わる可能性もあります。この記事の2027年度の例を、今後の受験方式を調べる手がかりにしてください。
■ 準1級を目指す前に、今の英語でできることを確かめる
目標が決まったら、今の英語力から逆算します。
2級の単語を見ても、意味を思い出すまでに時間がかかる。長文の一文で、誰が何をしているのか分からなくなる。そういうところが残っていれば、準1級の問題を次々と解く前に、そこを固めたいです。
私なら、まず2級の過去問を時間を計って解き直してもらいます。そして、間違えた原因が単語なのか、文の読み取りなのか、時間配分なのかを確かめます。
単語は、答えを隠して意味がすぐに出るまで繰り返す。長文は、意味を確認してから英語の順番で理解しながら音読する。英作文や要約は、添削を読んだあとに、自分で書き直すところまで取り組む。面接で言えなかったことも、次には口から出るように練習します。
準1級の合格に必要な期間は、出発点によって違います。「高校2年生だから、必ず何か月で取れる」と決めず、今できることと、毎日使える時間から計画を作りましょう。
■ 今日、志望校の「学部と方式」を一つ調べてみてください
保護者の方にも、お子さんと一緒に確認していただきたいことがあります。
大学名だけで調べると、「英検が使えるらしい」で止まってしまいがちです。次の内容を、一つの学部について書き出してみてください。
・何年度の、どの学部・学科・入試方式を受けるのか
・必要なのは級の合格か、CSEスコアか、その両方か
・資格は出願条件、得点換算、加点のどれに使われるのか
・当日受ける科目と、それぞれの配点はどうなっているか
・いつ受けた英検まで使え、証明書をいつまでに提出するのか
ここが分かると、「とにかく準1級を取ろう」から、「この方式を選べるように、この時期までに取ろう」へと目標が具体的になります。
高校生のうちに準1級に合格することは、大学受験の選択肢を広げる準備になります。英語の得点を確保し、残りの科目を仕上げる時間を作る。その効果を受験本番で生かすためにも、志望校の制度と、今日の勉強をつなげて考えてみてください。
■ 参考にした各大学の公式情報
学習院大学「2027年度 国際社会科学部プラス試験の点数換算表」
中央大学「2027年度以降の総合政策学部 学部別選抜英語外部試験利用方式について」
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根岸貴規