カメラの説明書や本を開くと、
必ず出てくる「F値(エフち)」という言葉。
「数字が小さいとボケる…って聞いたけど、そもそもF値って何?」と、
もやもやしていませんか?
じつはF値は、
ひとことで言うと「光の入り口の大きさ」のこと。
ここがわかると、
背景をふんわりぼかした写真も、
景色をくっきり写した写真も、
自分で選んで撮れるようになります。
この記事では、
F値とは何かをいちばん基本から、
季節も場所もいろいろな写真で見比べながら解説します。
F値とは?「光の入り口の大きさ」のこと
レンズの中には、
「絞り(しぼり)」と呼ばれる、
大きさを変えられる丸い穴があります。
この穴から光が入って、
写真ができあがります。
その穴の大きさを数字であらわしたものが、
F値です。
F値が小さい(F1.8、F2.8など)→ 穴が大きい → 光がたくさん入る
F値が大きい(F8、F11など)→ 穴が小さい → 入る光が少ない
「数字が小さいほうが穴が大きい」ので、
最初はちょっと逆に感じますよね。
講座でもいちばんよく「ややこしい!」と言われるところです。
覚え方のコツは、
F値は「穴のせまさ」をあらわす数字と思うこと。
数字が大きいほど、
穴がきゅっとせまくなるイメージです。
F値は「F1.4 → F2 → F2.8 → F4 → F5.6 → F8 → F11」と変わっていき、
1段ごとに入る光の量が半分になります。
数字を全部覚えなくても大丈夫。
「小さい=明るい、大きい=暗い」とだけ覚えておけばOKです。
F値を変えると、写真の「ボケ方」が変わる
F値を変えると、
明るさだけでなく、
ピントが合って見える範囲の広さも変わります。
この範囲のことを「被写界深度(ひしゃかいしんど)」と呼びますが、
名前は覚えなくて大丈夫です。
F値が小さい → ピントが合う範囲がせまい → 背景がふんわりボケる
F値が大きい → ピントが合う範囲が広い → 手前から奥までくっきり

F2.8で撮った木の柵です。
手前の柵にピントを合わせると、
奥にいくほどふんわりボケていきます。
「ここを見てね」と、
自然に目線を集められるのがF値の小さい写真の魅力です。
F値を小さくすると:背景がふんわりボケる
花や小物、ペットなど、
主役をひとつにしぼりたいときは、
F値をできるだけ小さくしましょう。
目安はF1.8〜F4です。

カフェの窓辺の観葉植物をF3.5で。
うしろの窓枠がやわらかくとけて、
葉っぱの形がきれいに浮かび上がりました。

秋の海辺で見つけたすすきをF2.8で。
うしろの景色がふんわりとけて、
穂のふわふわ感がぐっと引き立ちました。

赤ちゃんの小さな足もF2.8で。
人物や子どもを撮るときも、
F値を小さくするとまわりがやわらかくボケて、
主役がやさしく浮かび上がります。

こちらは、手前の草がレンズのすぐ近くに入るように撮った一枚。
手前もボケるので、
そっとのぞき見しているような、
やさしい雰囲気になります。
F値を大きくすると:すみずみまでくっきり
反対に、旅先の景色や街並みなど、
全体をはっきり見せたいときは、
F値を大きくします。
目安はF8〜F11です。

大きな木をF10で。
手前の葉っぱから奥の建物まで、
ぜんぶにピントが合っています。

冬の旅先で見た山を、
F13で。
手前の道から遠くの山まで、
どこを見てもはっきりしています。

海辺の景色もF11でくっきり。
景色の写真は、
すみずみまで見えるほうが気持ちのいい一枚になります。

並木道はF4.5で。
奥がほんのりやわらかくなる、
ちょうど中間くらいの写り方です。
迷ったらF4〜F5.6から試すのもおすすめです。
初心者さんは「絞り優先モード」から始めよう
F値を自分で決めるなら、
絞り優先モード(ダイヤルの「A」または「Av」)が便利です。
F値だけを自分で決めれば、
明るさに合わせたシャッタースピードはカメラが自動で決めてくれます。
ぼかしたい → いちばん小さい数字にする
景色をくっきり → F8くらいにする
迷ったら → F4〜F5.6
講座でよくあるのが「F値を小さくしたのに、あまりボケない…」というお悩み。
じつはボケ具合は、
F値だけでなく主役との距離でも変わります。
主役にぐっと近づいて、
背景から離れると、
ふんわり感がぐんと増しますよ。
F値 よくある質問
Q. F値は小さいほど良いレンズなんですか?
A. F値が小さいレンズは「明るいレンズ」と呼ばれ、
暗い場所に強く、
大きくボカせます。
ただ、そのぶん値段が高く、
重くなりがち。
撮りたい写真に合っているかで選ぶのがいちばんです。
Q. カメラに付いてきたレンズ(キットレンズ)でもボカせますか?
A. ボカせます!
キットレンズはズームして望遠側にすると、
F値が少し大きくなりますが、
そのぶん背景が大きく写るのでボケやすくなります。
ズーム+近づくを試してみてください。
Q. 暗い場所ではF値をどうすればいいですか?
A. F値を小さくすると光がたくさん入るので、
暗い室内や夕方でも明るく撮りやすくなります。
まとめ
F値は「光の入り口の大きさ」。小さいほど穴が大きく、明るくなる
F値が小さいと背景ふんわり、大きいとすみずみまでくっきり
まずは絞り優先モード(A / Av)で、F値だけ変えて撮り比べてみる

同じ場所で、
F値だけを変えて何枚か撮り比べてみると、
違いがいちばんよくわかります。
次のおさんぽで、
ぜひ試してみてくださいね。
「実際にカメラを触りながら教わりたい」という方は、
講座でお待ちしています。
F値のダイヤルをいっしょに回してみましょう。