「単語は覚えているのに、文になると分からなくなる」
「何度説明しても、同じところで間違える」
お子さんに英語を教えていて、困ったことはありませんか。
分かってほしいと思うほど説明が長くなり、気づけば子どもは上の空。親子で勉強していると、そんな時間もあると思います。
こんにちは。英語講師のTaka先生・根岸貴規です。外資系投資銀行で約20年勤務し、現在は英語講師として、累計14,000人以上の方の学習をお手伝いしてきました。
英文法を教えるとき、私が大切にしているのは、理解した内容を、その場で使ってもらうことです。
説明を聞いてうなずけても、自分で英文を言ったり書いたりするには練習が必要です。小学生に教えるときも、説明だけで終わらず、「では、言ってみよう」という時間をつくってあげてください。
今回は、ご家庭で取り組める教え方を、例文とともにご紹介します。
1.文法用語の前に、身近な一文を使ってみる
初めて英文法を学ぶ子に「主語」「目的語」と説明しても、その言葉自体が分からないことがあります。
まずは、意味の分かる短い文を一緒に読んでみましょう。
I like cats.(私は猫が好きです。)
「犬が好きだったら、どう言う?」
「サッカーが好きなら?」
catsをdogsやsoccerに変えれば、自分のことを話せます。知らない単語があれば先に意味を確認し、使う単語を絞って練習します。
語順は、英文の左から見ていきます。
I(私は)→ like(好きです)→ cats(猫が)
日本語では「猫が好きです」と言いますが、英語では「好きです」に当たるlikeが先に来ます。
「英語では、この順番で言うんだね」と確かめてから、もう一度読んでもらってください。
文法用語も大切ですが、例文と結びつけながら教えた方が、何を指しているのかを理解しやすくなります。
2.動詞に注目して、文の意味をつかむ
英文の中で、まず見つけてほしいのが動詞です。
最初は、動作を思い浮かべやすい単語から始めるとよいでしょう。
run:走る
eat:食べる
swim:泳ぐ
絵を見せたり、動きをまねしたりしながら、「何をしているかな?」と聞いてみます。
ただし、動詞には、動作以外を表すものもあります。like(好きである)、know(知っている)、want(欲しい)も動詞です。am・is・areも、様子や状態などを伝える動詞の仲間です。
「動詞=体を動かす言葉」とだけ覚えさせないこと。
動作を表す単語で感覚をつかんだら、先ほどのI like cats.に戻り、「このlikeも動詞なんだよ」と説明すると、話がつながります。
3.三単現のsは、二つの文を比べて練習する
三単現のsを教えるときは、最初に次の二つを見せてください。
I like cats.
She likes cats.
「IがSheに変わったら、動詞はどうなったかな?」
sがついたことを確認したら、ルールを整理します。
普段のことや現在の状態を表す一般動詞の肯定文では、主語がI・you以外の一人・一つのとき、likesのように動詞の形が変わります。基本はsやesをつける形です。
そのうえで、主語を変えて言ってもらいます。
・She likes cats.
・He likes cats.
・My mother likes cats.
慣れたら、好きなものを変えます。
・She likes dogs.
・She likes soccer.
最初は主語だけ、次は好きなものだけ。一度に変える部分を一つにすると、練習するポイントがはっきりします。
これができるようになってから、疑問文や否定文に進みましょう。
・Does she like cats?
・She does not like cats.
ここでは、doesを使うと一般動詞が元の形のlikeになることを確認します。
study→studiesのようなつづりの変化も、使う単語が出てきたときに教えてください。すべてを一度に説明する必要はありませんが、必要なルールを学年だけで先送りする必要もありません。
4.文の形は、色を使って確かめる
短い英文に慣れてきたら、動詞のあとに何が続くかを見てみましょう。
・I swim.(私は泳ぎます。)
・I like music.(私は音楽が好きです。)
I swim.は、ここまでで文が成り立ちます。
I like music.では、musicが「何が好きなのか」を伝えています。このmusicに当たる部分を「目的語」といいます。
動詞に赤い線、目的語に青い線を引くと、文の形の違いを確認できます。
なお、Children play.とChildren play soccer.のように、同じ動詞でも目的語がある使い方と、ない使い方があります。単語だけで決めつけず、例文の中で見ていきましょう。
自動詞・他動詞という名前を覚えるのは、こうした違いが分かってからでも構いません。まだ難しければ、無理に進まず、短い文を使う練習を続けてください。
5.「分かった」のあとに、毎日5分の練習を入れる
私が学習で大切にしているのは、次の3段階です。
① 分かる → ② できる → ③ 忘れない
文法の説明は、最初の「分かる」を助けるものです。そのあと、音読や書き取り、見ずに英文を言う練習を重ねていきます。
ご家庭では、まず次の5分をつくってみてください。
最初の1分:意味を確認する
I like cats.なら、「誰が、何を好きなのかな?」と聞きます。意味が分からないまま、音だけを繰り返さないようにします。
次の2分:声に出して読む
最初は一緒に、そのあとはお子さんだけで読みます。意味を思い浮かべながら、何度か繰り返しましょう。
次の1分:英文を隠して言ってみる
「私は猫が好きです」を英語で言ってもらいます。言えなければ、もう一度見て確認し、再び隠して試します。
最後の1分:自分のことに変える
好きなものを入れ替えて一文を作ります。書く練習ができるお子さんなら、その一文を書いてもよいでしょう。
翌日も、前日に練習した文から始めます。「夕食のあとに5分」と時間を決めておくと、取り組みやすくなります。
5分ですべてを覚えるわけではありません。短い練習を毎日続け、思い出して使う回数を増やすことが大切です。
間違えたときは、次に見る場所を教える
お子さんがHe like cats.と書いたとき、「また間違えた」と伝えるだけでは、何を直せばよいか分からないことがあります。
「主語はHeだね。動詞には何をつけたかな?」
このように、確認する場所を示してみてください。
思い出せなければ、例文を一緒に見直します。正しい形を確認したら、もう一度言って、書いてみる。自分で直せたら、「今度はlikesと書けたね」と具体的に伝えます。
単語の意味が分からないのか、ルールがあやふやなのか、分かっていても使う練習が足りないのか。間違えた箇所を見ると、次に取り組むことが見えてきます。
保護者の方が毎回、長い説明をする必要はありません。今日の一文を一緒に読み、見ずに言えるか確かめる。まずは、そこから始めてみてください。
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