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中学生の数学|「わかった」のに問題が解けない理由と必要な演習

中学生の数学|「わかった」のに問題が解けない理由と必要な演習

数学の解説を聞いたときには「わかった」と言っていたのに、あとで一人で解こうとすると手が止まってしまう。「本当にわかっていたの?」と疑問に思う保護者の方もいらっしゃるでしょう。

でも、解けなかったからといって、話を聞いていなかったり、わかったふりをしていたりするとは限りません。解説を聞いて納得することと、習ったことを使って自分で解くことは、別の段階だからです。

たとえば、スポーツのプレーを見て動き方がわかっても、その場ですぐ同じように動けるとは限りません。実際に自分で体を動かす練習が必要です。数学にも、これと似た面があります。

「わかった」のに数学の問題が解けないのはなぜ?

先生が方程式を解いているところを見れば、「なるほど、そうやって計算するのか」と納得できることがあります。説明を理解できたのなら、その「わかった」は決して無意味ではありません。

ただ、今度は自分で問題を解くとなると、やることが増えます。まずどこに注目するか、どの計算から始めるか、出てきた答えが問題に合っているか。解説では示されていた道筋を、自分で選びながら進めなければなりません。

途中で手が止まる場所も人によって違います。計算のしかたがあやふやな場合もあれば、計算自体はできるのに、最初の式を立てるところで迷う場合もあります。

ですから、「解説はわかったのに解けない」という状態を、すぐにやる気や努力の問題に結びつける必要はありません。解説への納得は一つの前進ですが、それだけで学習が完了したとは限らないのです。

楽器やスポーツと同じ。数学の「演習」も練習です

静かな午後のピアノ練習

今度はピアノを例に考えてみましょう。

演奏している人の指の動きを見て、「こう弾くんだ」と理解しても、自分の指を思うように動かすには練習が必要でしょう。

数学も同じように、解き方を聞いて納得したあと、自分で手を動かして問題を解く時間が必要になることがあります。この練習を、勉強では「演習」と呼びます。

「演習」という言葉は少し堅く聞こえるかもしれません。私は、習ったことを自分で使えるようにするための練習と考えると、その意味が伝わりやすいと思っています。

もちろん、ただ問題の数を増やせばよいわけではありません。何につまずいているのかによって、必要なのが練習なのか、前の内容の確認なのかは変わります。

演習で目指すのは、解説を見ずに自分で解けること

「わかった」のあとに、自分で解く時間が必要

解説を聞いて「なるほど」と思えたら、次に目指したいのは、説明やヒントがなくても自分で問題に向き合えることです。

問題を見て、必要な式や手順を考え、計算を進め、最後の答えまでたどり着く。白紙から自分の力で解き切ることが、目標の一つになります。

解説を読むことも学習の一部ですが、答えを書き写しただけでは、自分で解けるかどうかはわかりにくいものです。だからこそ、納得したあとの演習に意味があります。

少年の方を向いた開き教科書

計算は、必要な練習を重ねて少しずつ安定させる

計算も、やり方を一度理解すれば、それ以降いつでも正確にできるとは限りません。途中で符号を取り違えたり、手順を迷ったりすることもあります。

そうしたときは、自分で計算する練習を重ねながら、手順や正確さを少しずつ安定させていきます。必要な問題数は、その子の状態や扱う内容によって違います。

また、何度取り組んでも同じところで止まるなら、今の問題をひたすら続けるのではなく、前に習った計算や考え方を確認することも選択肢です。

授業では「わかった」の先をどう確かめる?

解説後、可能であれば本人に自力で解いてもらう

私がオンライン家庭教師として大切にしているのは、解説した内容を、生徒が自分でも使えるようになることです。

たとえば模試の問題を解説したあと、授業時間に余裕があれば、今度は解説を見ずに、白紙から本人に解いてもらうことがあります。説明を聞いて納得するのと、一人で解答を組み立てるのとでは、確認できることが違うためです。

時間の都合で授業中にそこまでできない場合には、あとで自力で解く必要があることを本人に伝え、保護者への授業報告でも共有することがあります。毎回授業内で完結できるわけではありませんが、目指すところは同じです。

途中式・考え方を見ながら、必要なら基礎へ戻る

正解か不正解かだけでは、どこでつまずいたのかわからないことがあります。そのため、途中式や、数字・文字が何を表しているか、なぜその式を選んだかなどを、必要に応じて確認します。

文章題なら、問題に出てくる量の関係や単位を整理することもあります。うまく言葉にできないからといって、それだけで理解していないと決めつけるのではなく、問いを小さく分けながら確かめます。

もし土台となる計算や考え方があやふやなら、今の問題からいったん離れて、必要な基礎へ戻ります。演習を増やす前に、確認したほうがよいこともあるからです。

家庭では「わかったのに解けない」をどう受け止める?

お子さんが「わかった」と言ったのに解けなかったときは、「さっきわかったって言ったのに」と責める前に、理解したことを使う練習の途中なのかもしれないと考えてみてください。

もちろん、何が原因かは実際の問題や途中の考え方を見なければわからないこともあります。保護者が「理解不足か、演習不足か」を見分けたり、家庭で問題を作って確かめたりする必要はありません。

本人が困っていることを学校の先生や塾、家庭教師などに相談できるなら、それも一つの方法です。家庭では必ずしも、教える人や勉強を管理する人にならなくてよいのです。

まとめ|「わかった」はゴールではなく、練習の出発点

数学の解説を聞いて「わかった」と感じることは、学習の大切な一段階です。ただ、それと自分で解けることは同じではありません。習ったことを自分の力で使うために、演習という「練習」が必要になることがあります。

目指すのは、解説やヒントに頼らず、自分で考えて最後まで解ける状態です。一方で、練習を増やすだけでは進まないときは、基礎に戻るなど、その子に合った関わり方を考えてよいと思います。

私のオンライン家庭教師の指導でも、途中式や考え方を確かめ、必要なら基礎へ戻り、最後は自分で解けることを大切にしています。こうした方針での指導を検討される方は、記事下部の関連講座も参考になさってください。

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この記事を書いた先生
とみー (とみながこうへい) Proバッジ
「わかった」を「自分で解ける」に変えるプロ講師
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はじめまして。オンライン家庭教師のとみーです。 指導を始めた頃は、成績や結果を出すことを何より重視していました。しかし、ある生徒から「頑張った過程を認めてもらえないのは悲しい」と言われたことをきっかけに、結果だけでなく、その子がどのように考え、取り組んでいるのかを見るように…

とみー (とみながこうへい)