塩麹を使って料理をしてみたけれど、
「なんとなく味がぼんやりする」
「思っていたほど、おいしくならない」
「結局、お醤油やお塩を足してしまう」
そんな経験はありませんか?
塩麹は、毎日の料理に使いやすい発酵調味料のひとつです。
お肉やお魚の下味に使ったり、野菜を和えたり、スープや煮物に加えたり。
使い道はいろいろあります。
でも、塩麹を入れれば、どんな料理もおいしく仕上がるというわけではないんですね。
私は料理教室で、塩麹をはじめとする麹調味料の使い方をお伝えしています。
そこで大切にしているのは、塩麹を使うことそのものよりも、料理全体の味をどう整えるかということです。
塩麹を使っているのに味が決まらないとき、見直してみたい3つのポイントをご紹介します。
① 塩麹だけで味を決めようとしていませんか?
塩麹には塩味だけでなく、麹由来の甘みやうま味があります。
そのため、塩だけで味付けしたときとは、少し違ったまろやかな仕上がりになるんですね。
ただ、このまろやかさが、料理によっては「味がぼんやりする」と感じられることもあります。
そんなとき、塩麹をどんどん足すのではなく、まず考えてみたいのが、味の組み合わせです。
たとえば、野菜炒め。
塩麹で味を付けたあと、少量のお醤油を加えると、香りや味に変化が生まれます。
生姜やにんにくを使って、香りにアクセントをつけるのもひとつの方法です。
塩麹だけで完成させようとしなくてもいいんです。
ほかの調味料や香味野菜と組み合わせることで、料理の幅が広がります。
② 塩麹の量は、いつも同じで大丈夫?
塩麹は、使う製品や手作りするときの配合によって、塩分濃度が異なります。
そのため、レシピに「塩麹大さじ1」と書いてあっても、使っている塩麹によって塩味に違いが出ることがあります。
また、同じ量の塩麹でも、料理に含まれる水分によって味の感じ方は変わります。
たとえば、きのこや白菜など、水分の多い食材を炒めるとき。
調理中に水分が出て、最初に付けた味が薄く感じられることがあります。
そんなときは、塩麹を追加する前に、水分の量や火加減を見直してみましょう。

調味料の分量だけでなく、食材の状態や仕上がりを見ながら味を整えることをお伝えしています。
レシピの数字は大切ですが、最後は自分の舌で確かめることも、料理のおもしろさのひとつだと思っています。
③ 塩麹を入れるタイミング、意識していますか?
塩麹は、加えるタイミングによっても料理の仕上がりが変わります。
たとえば、お肉やお魚。
調理する前に塩麹をなじませておくと、素材がやわらかく仕上がりやすくなります。
一方、炒め物やスープなどでは、調理の途中や仕上げに加えて、塩味やうま味を整える使い方もできます。
また、塩麹を使ってお肉やお魚を焼くときは、焦げ付きにも気をつけたいところです。
表面に付いた塩麹を軽くぬぐい、火加減を調整すると焼きやすくなります。

下味として使うのか、味付けとして使うのか。
その違いを意識するだけでも、料理の仕上がりは変わってきます。
まずは、いつもの一品で試してみませんか?
ここまで、塩麹の使い方について3つのポイントをご紹介しました。
塩麹だけで味を決めようとしない
塩分濃度や食材の水分を意識する
料理に合わせて加えるタイミングを考える
一度に全部を変えなくても大丈夫です。
たとえば、いつもの野菜炒めを塩麹で味付けして、仕上げにほんの少しお醤油を加えてみる。
それだけでも、味の違いを感じられるかもしれません。
料理は、調味料をたくさん使えばおいしくなるわけでも、特別な食材をそろえればいいわけでもありません。
いつもの食材と調味料を、少し違った角度から使ってみる。
その小さな発見が、毎日の食卓を楽しくしてくれるのだと思います。
塩麹を使いこなすことが目的ではなく、いつものごはんが、おいしく作れること。
これからも、そんな日々の料理に役立つ小さなヒントをお届けしていきたいと思います。
発酵薬膳料理教室「暮らしの台所」
香川ゆきえ