Q1. 写真の世界観とは何ですか?
世界観は、表現者が何を大切にし、何を選び、どう表すか。
その日々の判断の積み重ねが、作品や活動に現れたものです。
たとえば、曇りの日の森ばかりを撮る人がいれば、
その選び方の奥には、静かなものを大切にしたいという考えがあるのかもしれません。

そのために大切なことがあります。
コンセプト:いま、大切にしたいこと
世界観の軸になるのは、制作で「大切にしていること」です。
これをコンセプトと呼びます。
大切にしたいことが複数あるときは、優先順位がつきます。
優先順位が決まっていると、撮影やレタッチの判断に迷いにくくなります。
ビジョン:表現したい理想の世界
あなたはどんな理想の世界を描きたいでしょうか?
いま何を大切にすれば(コンセプト)その先に、理想の世界があるでしょうか。
ビジョンが出ると方向性が決まり、コンセプトが、いまの選択を整えます。「何を大切にしているか」には、二つの階層があります。
一つは、何があっても揺らがない、表現者自身のコンセプトです。
もう一つは、いま、この一枚、この仕事で何を大切にするかという、作品のコンセプトです。
作品ごとのコンセプトを積み重ねた先に、ビジョンはより確かなものになっていきます。

だから世界観は、選べる。そして、想い通りにつくれる。
Q2. 世界観がある写真とは?
世界観のある写真は、1枚単独での出来栄えとは別のところにあります。
複数の写真を並べたときに、同じ雰囲気が一貫して続いていることです。
曇りの日の森ばかりを撮る人がいれば、
その選び方の奥には、静かなものを大切にしたいという考えがあるのかもしれません。
心が動いた理由は、「なんとなく」で済ませてしまいがちです。
けれど、必ず要素に分けられます。そして言葉にできます。
光の方向、選ばれた色、空間の余白、被写体との距離。
一枚の写真は、いくつもの選択要素の集合体です。
撮影に必要な要素は、最低限に絞ると3つです。
撮影における写真を成立させる条件は、撮影機材を除くと
①空間。②被写体。③光。です。

たとえば、森にひとりが立つ写真を、曇りの日の拡散光で撮ったものなら、場所は森、被写体はひとり、光は曇りの拡散光です。
「理解するとはことの本質は、細かくして分かる」ということです。
Q3. 世界観は、何でできていますか?
世界観とは五感に関する全ての要素の組み合わせです。
それは表現者の価値観と好きによって選択&構成されます。
撮影に必要な要素を最低限に絞ると、場所・被写体・光の3つになります。
これら3つを世界観の材料として扱います。
要素を増やせば表現の幅は広がりますが、最初から多くを扱うと、どれが自分の選び方なのか見えにくくなります。3つなら、1枚ずつ確かめながら進められます。
1枚を3つに分ける
たとえば、深い森にひとりが立つ写真を、曇りの日の拡散光で撮ったものとします。
場所は森、被写体はひとり、光は曇りの拡散光です。

要素は一語ずつ書く 文章にせず、一語ずつ書き出します。
あの作家さんの写真が好きだと思ったのならまずその写真がどうなっているか
要素に分けて観察して言葉にしてみましょう。簡単かキーワードでもいいです。
Q4. 理想の世界観は、どうつくりますか?
A:順序は、シンプルです。
①理想、②要素分解、③要素の掛け合わせ3段階です。
①理想を置く
憧れの写真や、心が動いた好きな作品を用意します。
②要素に分ける
その理想を、場所・被写体・光など要素に分けていきます。

③掛け合わせて、理想をつくる
分けた要素を、自分の選び方で組み直します。
同じ「森」でも、霧の朝を選ぶ人と、木漏れ日の午後を選ぶ人とでは、できあがる世界観が変わります。
選び方の違いが、その人らしさになります。
たとえば、森(場所)×ひとり(被写体)×曇りの光(光)から、
静けさ・奥行き・やわらかさという言葉が生まれます。

【図4:4ステップと掛け合わせ】
Q5. なぜ、世界観の核は「好き」なのですか?
A:選ぶという判断を奥までたどると、最後に「好き」に行き着くからです。
なぜ、その光を選ぶのか。
なぜ、その空間に惹かれるのか。理屈を重ねても、根にあるのは
「好きだから」という、一点です。
何が好きかは、誰かに教わるものではありません。あなたの内側のすでに存在しているものです。
説明できないのは、感性が足りないからではなく、
言葉がまだ追いついていないだけかもしれません。

▷最後にあなたの好きな世界観で表現するためのロードマップです。

世界観研究所/ とむ・よしだ