中学・高校受験の面接対策を始めるとき、まず自分の経験を書き出したり、志望理由を考えたりすることがあると思います。
ところが、実際に質問をされて答えてみると、
「あれ? どうやって話せばいいんだろう。」
と、言葉に詰まってしまうことがあります。
決して、話すことがないわけではありません。
これまで頑張ってきたこともある。心に残っている経験もある。
自分なりに考えていることもある。
それなのに、質問されるとうまくまとまらない。
そんなときに一度見直してみたいのが、
「何を話すか」ではなく、「どんな順番で話すか」です。
1.まずは、聞かれたことに答える
面接でまず意識したいのは、聞かれたことに対して結論から話すことです。
たとえば、
「あなたの長所を教えてください。」
と聞かれたとします。
そのときに、いきなり経験の説明から始めるのではなく、
「私の長所は、周りの人のことを考えて行動できるところです。」
と、まず質問に対する答えを伝えます。
最初に結論を伝えることで、聞き手もその後の話を追いやすくなります。
話している本人にとっても、最初に結論を決めることで、そのあとに何を話せばよいのか整理しやすくなります。
2.具体的な経験が、答えの「根拠」になる
ただ、
「私の長所は、周りの人のことを考えて行動できるところです。」
と伝えただけでは、聞き手にはまだ、
「どんな場面で、そう感じたのだろう?」
という部分が見えていません。
そこで、具体的な経験を加えます。
たとえば、
「学校行事の準備をしていたとき、困っている友達がいることに気づき、自分から声をかけて一緒に進めました。」
というように、その長所が実際に表れた場面を伝えます。
長所は、
「私はこういう人です。」
と言うだけでは、なかなか相手には伝わりきりません。
でも、その言葉を裏づける経験が加わると、
「なるほど。だから、この子は自分の長所をそう考えているのだな。」
と、聞き手も納得しやすくなります。
つまり、具体的な経験は、ただ話を長くするために入れるものではありません。
自分の答えに「根拠」を持たせる役割があります。
3.「何を学んだか」に、その子らしさが見える
そして、もう一つ大切にしたいのが、
その経験を、自分自身がどう受け止めているかという部分です。
先ほどの例であれば、
「この経験から、周りの様子を見ながら、自分にできることを考えて行動することの大切さを学びました。」
と続けることができます。
同じような経験をしていても、そこから感じることや学ぶことは、一人ひとり違います。
だからこそ、
「何を経験したのか」だけではなく、
「その経験から何を感じ、何を考えたのか」
まで伝えることで、その子自身の考え方が見えてきます。
面接で伝えたいのは、経験のすごさだけではありません。
その経験の中で、どのように考え、どのように行動し、そこから何を学んだのか。
そこにも、その子らしさが表れるのだと思います。
面接の回答を組み立てる3つのステップ
ここまでを整理すると、
結論 → 具体的な経験 → そこから得たこと
という流れになります。
でも、これは単に「この順番で話せばうまくいく」という型ではありません。
それぞれに役割があります。
結論は、質問に対する自分の答え。
具体的な経験は、その答えを裏づける根拠。
そこから得たことは、その経験を通して自分が何を感じ、何を学んだのか。
この3つがつながることで、聞き手にとっても、
「何を伝えたいのか」
「なぜそう考えているのか」
「その経験から何を得たのか」
が分かりやすくなります。
3つのステップを使った回答例
質問:「あなたの長所を教えてください。」
① 結論
私の長所は、周りの人のことを考えて行動できるところです。
② 具体的な経験
学校行事の準備をしていたとき、困っている友達がいることに気づき、自分から声をかけて一緒に進めました。
③ そこから得たこと
この経験から、周りの様子を見ながら、自分にできることを考えて行動することの大切さを学びました。
このように整理すると、何を伝えたいのかが明確になり、自分自身も話の流れをつかみやすくなります。
ただし、すべての質問に必ず3つの要素を入れる必要はありません。
質問によっては、簡潔に答える方がよい場合もあります。
大切なのは、型に当てはめることではなく、質問の意図を理解し、伝えたいことを整理することです。
「うまく話す」より、「伝わるように話す」
面接では、立派な言葉をたくさん並べる必要はありません。
大切なのは、自分の考えや経験を、相手が理解しやすい形で伝えることです。
経験を書き出すことも、志望理由を考えることも、もちろん大切です。
でも、それだけで面接の準備が終わるわけではありません。
書き出した経験を、
「質問されたときに、相手に伝わる形で話せるか」
そこまで練習していくことで、少しずつ自分の言葉になっていきます。
もし、
「経験はあるのに、うまく話せない。」
「答えようとすると、話がまとまらなくなってしまう。」
そんなことがあったら、
「結論 → 具体的な経験 → そこから得たこと」
という順番を、一度意識してみてください。
もちろん、質問によって答え方は変わります。
大切なのは、準備した文章をそのまま覚えることではなく、質問に合わせて自分の経験や考えを伝えられるようになることです。
話す順番を整えることは、自分をよく見せるためではありません。
自分の中にある考えや経験を、相手に届く形に整えること。
それも、面接に向けて大切にしたい練習の一つです。