「本にしたいことはある。でも、メモを眺めているだけで、今日も書けなかった」
そんな日があっても、ご自分を責めなくて大丈夫です。一つひとつが大切な思い出だからこそ、何を選び、どの順番で書くか、迷うこともありますよね。
前回は、身近な経験から本のテーマを探しました。今回は、メモを仮の目次にする方法をご紹介します。
今日の目標は本文を書き上げることではなく、「ここからなら書けそう」と思える順番を見つけることです。
1.届けたい相手を決めて場面を書き出す
まず、「誰に、何を残したいか」を一文で書いてみましょう。
例えば「家族に、あの旅行で私が感じたことを残したい」。役立つ知識を教える本だけでなく、経験や思いを届ける本も、選択肢の一つです。
ここからは、家族旅行を本にする架空の例で考えます。
紙や付箋に、一枚につき一つの場面を書き出します。「行き先を決めた理由」「出発前に心配だったこと」「道に迷ったこと」「家族と笑ったこと」など、短い言葉で構いません。
パソコンの操作が気になる方は、紙から始めましょう。頭に浮かぶことを残すために、今いちばん使いやすい方法を選んでください。

図 家族旅行の思い出を整理する例。
2.似たメモを集めて保留の場所も作る
旅行の例なら、「出発前」「旅先」「帰ってから」に分けてみます。
「持ち物の準備」は出発前、「道に迷ったこと」は旅先、「写真を整理したこと」は帰ってから、という具合です。
どこに置くか迷ったメモは、「あとで考える」と書いた紙の上に残しておきましょう。
今回の本に入れないことと、その経験を大切にしないことは別です。メモを捨てずに保留できれば、今伝えたいことを選びやすくなります。
時系列に合わないテーマなら、「困っていたこと」「試したこと」「変わったこと」で分ける方法もあります。ご自身が話しやすいまとまりを選んでください。
3.仮の目次にして気持ちを一文添える
仲間分けしたまとまりに、内容の分かる名前を付けます。旅行の例なら、次のような目次ができます。
第1章 旅に出るまで
第2章 忘れられない場面
第3章 帰ってから思ったこと
見出しの下に、そこで伝えたい気持ちを一文添えてみましょう。第2章なら、「予定どおりに進まなくても、家族と笑えたことがうれしかった」。出来事だけのメモに、そのときの気持ちが加わると、書き始める手がかりになります。
目次は仮のもので大丈夫です。
書きながら章を増やしたり、順番を変えたりできます。最初から人生のすべてを一冊に入れようとせず、まず一つの出来事から考えてみましょう。
4.今日は一つ書けそうな見出しを選ぶところまで
今日できた目次の中から、「ここなら少し話せそう」と思う見出しに丸を付けてみてください。
第1章から書き始めなくても構いません。メモがまとまらなければ、保留にしたところまでが今日の作業です。
私が大切にしたいのは、分からないことを分からないままにせず、あなたの言葉を伺いながら進めることです。
目次で止まったときは、「どの場面をいちばん覚えていますか」「そのとき、どう感じましたか」と、一緒に考えるところからお手伝いします。
パソコンが苦手なことも、言葉がまとまらないことも、ひとりで抱えなくて大丈夫です。
写真には写っていない、あのときの気持ち。あなたが残したい言葉を、本の形にできるよう、私があなたのペースに寄り添います。