バク転 コラム
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バク転は運動音痴でもできる?3,000人以上を指導して分かった「できない」の正体

バク転は運動音痴でもできる?3,000人以上を指導して分かった「できない」の正体

「バク転、一度はやってみたいなぁ」

そう思ったことはありませんか?
でも、次の瞬間にはこんな考えが浮かんでくる。

「いやいや、自分は運動音痴だし……」
「身体も硬いし、筋力もないし……」
「そもそも逆立ちすらできないのに、バク転なんて無理でしょ!」

そして、挑戦する前から諦めてしまう。

実は、バク転教室でたくさんの初心者を指導してきた僕からすると、これは非常にもったいないことなんです。

なぜなら、バク転ができない理由は、必ずしも運動神経の良し悪しではないからです。

僕はこれまで、子どもから大人まで3,000人以上にバク転を指導してきました。
その中で何度も目にしてきたのが、「運動が苦手だからできない」と思っていた人が、練習の方法を変えただけで、それまでできなかった動きをできるようになる瞬間です。

今回は、そんな指導経験をもとに、「運動音痴でもバク転に挑戦できるのか?」という疑問についてお話しします。

そもそも「運動音痴」って何だろう?

「自分は運動音痴です」

教室でよく聞く言葉です。
でも、僕はこの言葉を聞くと、いつも少し疑問に思います。

具体的に、何が苦手なんだろう?

走るのが遅い?
ボールを投げるのが苦手?
身体が硬い?
それとも、初めての動きを覚えるのに時間がかかる?

これらは全部、違う能力です。

走るのが遅い人が、必ずしも逆立ちが苦手とは限りません。
身体が硬い人でも、身体の使い方が上手な人はいます。
反対に、スポーツ経験が豊富な人でも、後ろに倒れる動きには強い恐怖心を感じることがあります。

つまり、「運動音痴」という一言だけでは、何ができなくて、何を練習すればいいのか分からないんです。
大切なのは、運動が得意か苦手かではなく、今できない動きの原因を具体的に見つけること。
これが、僕の指導の基本になっています。

「逆立ちが怖い」という人に起きた変化

ここで、実際のレッスンであったお話を紹介します。

ある受講者さんは、逆立ちがとても苦手でした。
逆立ちをしようとすると、どうしても怖くなってしまう。
その恐怖心から肩に余計な力が入り、腕が真っすぐ上がらず、上手く身体を支えられない状態でした。

こういうとき、一般的には、
「もっと腕をまっすぐ伸ばして!」
「肩の力を抜いて!」
「怖がらずにやってみよう!」
と言いたくなるかもしれません。

でも、本人だって腕を伸ばそうとしているし、怖がりたくて怖がっているわけではありません。
それなのに、同じことを繰り返しても、なかなか改善しません。
そこで僕は、逆立ちを練習するのを一度やめました。

代わりにやってもらったのが、腕立て伏せの姿勢です。

まずは、両手を床につけて身体を支える。この姿勢なら、怖くありません。
次に、僕が脚を持ち上げて、手押し車の姿勢にします。ここでも、腕で身体を支える感覚を確認します。
そして、脚の位置を少しずつ高くしていきます。身体の角度が変わっても、腕で支えるという動作自体は大きく変わりません。
そうして段階的に脚を持ち上げ、最終的に逆立ちの姿勢まで持っていきました。
もちろん、指導者が補助しながら安全に配慮して行っています。すると、どうなったと思いますか?

それまであれほど肩に力が入っていたのに、無理に力むことなく、腕を良い位置まで上げて身体を支えられたんです。

そして、面白いのはここからです。
一度「できた!」という感覚を経験すると、それが自信になったのでしょう。その後は、以前よりもずっとスムーズに逆立ちができるようになりました。

できなかった原因は「筋力不足」だったのか?

この事例で注目してほしいのは、受講者さんの筋力が急に増えたわけではないということです。
柔軟性が突然向上したわけでもありません。
もちろん、運動神経が一瞬で良くなったわけでもない。

変えたのは、目的の動きにたどり着くまでの手順です。

最初から逆立ちをしようとすると、怖さによって身体が力み、必要な動きができなくなってしまう。
でも、怖くない姿勢から始めて、少しずつ身体の角度を変えていけば、自然と正しい身体の使い方に近づけることがあります。

つまり、この方の場合は「腕で身体を支える能力がまったくない」のではなく、逆立ちという状況で、その能力をうまく発揮できていなかった可能性があるんです。
これって、バク転にも共通することだと思いませんか?

バク転は、一つの動きではない

バク転というと、後ろにジャンプして、手をついて、くるっと回る。
一瞬で終わる技に見えます。

でも、実際にはさまざまな動作が組み合わさっています。
例えば、

  • 脚で地面を押して身体を跳び上げる

  • 腕を適切な位置へ動かす

  • 空中で身体の姿勢をコントロールする

  • 手で身体を支える

  • 脚を振り下ろして着地する

これらの動作を、適切な順番とタイミングでつなげる必要があります。

だからこそ、バク転ができない人に対して、ただ「もっと高く跳んで!」「もっと反って!」と指導するだけでは、うまくいかないことがあります。
例えば、後ろに跳ぶのが怖い人に必要な練習と、腕で身体を支えるのが苦手な人に必要な練習は違います。踏み切りの方向に課題がある人と、脚の振り下ろしが苦手な人でも、取り組むべきことは違います。

同じ「バク転ができない」でも、その原因は一人ひとり違うんです。

だから僕は、完成形を何度も繰り返すより、まずは動きを分解して、どこに課題があるのかを確認することを大切にしています。

運動が苦手な人ほど「できるところ」から始めよう

ここまで読んで、
「じゃあ、自分もバク転を練習してみようかな?」
と思った方もいるかもしれません。

その気持ちは、とてもうれしいです。

ただし、バク転は転倒や首・頭部のけがにつながる危険がある技です。
初心者が一人で後ろに跳んだり、壁などを使って無理に練習したりすることはおすすめしません。まずは、安全な環境で、自分がどんな動きをできるのか確認するところから始めてみましょう。

例えば、次のようなことです。
① 両腕を耳の横まで上げられるか?
腕を上げたときに、肘が曲がったり、肩がすくんだりしていないでしょうか。
無理に反らず、立った姿勢で確認してみてください。

② 両腕を上げたまま、膝を曲げ伸ばしできるか?
バク転では、脚の動きと腕の動きを組み合わせる必要があります。
まずは立った状態で、ゆっくり動きを合わせてみましょう。

③ 自分の動きを意識して変えられるか?
同じ動作でも、腕を上げるタイミングや膝の曲げ方を変えると、身体の感覚は変わります。
こうした小さな違いに気づくことも、運動を上達させるための大切な練習です。

もちろん、これだけでバク転ができるわけではありません。ですが、自分の身体を知ることは、上達への大切な第一歩になります。

「できない」は、才能だけで決まるものじゃない

僕自身、23歳からアクロバットを始めました。最初から何でもできたわけではありません。
怖くて挑戦できなかったことも、何度練習してもうまくいかなかったこともあります。そんな経験があるからこそ、僕は「運動が苦手だから無理」と決めつけてほしくないんです。

もちろん、誰もが必ずバク転を習得できると約束はできません。年齢、体力、身体の状態、既往歴などによって、安全に挑戦できる範囲は異なります。
でも、少なくとも「運動音痴だから」という理由だけで、挑戦する可能性をすべて諦める必要はないと思っています。

大切なのは、今の自分に何ができて、何が難しいのかを知ること。そして、できることを少しずつ増やしていくことです。

逆立ちが怖かった受講者さんが、腕立て伏せの姿勢から始めて逆立ちを支えられるようになったように。
「できない」を「できた」に変えるきっかけは、もっと頑張ることではなく、練習の順番を変えることなのかもしれません。

バク転に憧れているけれど、自分には無理だと思っているあなたへ。
まずは、自分の可能性を決めつけず、小さな一歩から始めてみませんか?

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田代 惇人 プラチナバッジ
2時間でバク転が形になる!超速バク転トレーナー
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ストアカアワード2024,2025「ダンス・バレエ・スポーツ部門」2年連続受賞! ※通算4回受賞 身体を動かすことの専門家。 バク転を教えたり、スタントマンをやったり、ご当地ヒーローのプデュースをやったり、Kindle出版をやったり、その他色々やっています。 主に…

田代 惇人