40坪の家を手放して、20坪のアパートに暮らす。建築士の私が見つけた、本当の住みやすさ
私は、夫と4人の子どもたちと暮らすために、自分で設計した40坪の家に住んでいました。
子どもたちを育て、家族で暮らした家です。

夫が亡くなり、母を介護し、子どもたちもそれぞれ独立していきました。
暮らしは変わっていったのに、家の中には、以前の暮らしがそのまま残っていました。
夫の遺品。
介護していた母の遺品。
子どもたちが独立する前に使っていた物。
どれも、それぞれの時間や思い出につながっています。
簡単に捨てられるものばかりではありません。
でも、物は少しずつ増え、いつしか私は、自分の家にあるたくさんの物に押しつぶされそうになっていました。
建築士として、住まいを設計してきた私自身が、自分の家で暮らしにくさを感じていたのです。
自分で設計した家を、手放しました
そして私は、40坪の家を手放し、20坪のアパートに引っ越しました。
自分で設計した家です。
建築士なのに、自分が設計した家を手放すの?
そう思われるかもしれませんね。
でも、家は建てたときが完成ではありません。
そこで暮らす人の年齢も、家族構成も、生活の仕方も変わっていきます。
家を建てたときには必要だった広さが、今も必要とは限らないのです。
私にとって、40坪の家は、家族と暮らすために必要な住まいでした。
けれど、人生の段階が変わった今、同じ広さの家を維持し続けることが、本当に自分に合っているのだろうか。
そんなふうに考えるようになりました。
小さな家で、暮らしが変わりました
今の私は、20坪のアパートで暮らしています。
そこにあるのは、今の自分の暮らしに必要なものだけ。
以前の家にあった物を、すべて持ってきたわけではありません。
物が減り、管理する場所が減り、家の中での暮らし方も変わりました。
そして何より、自分の暮らしを、自分で選んでいるという感覚があります。
広い家に住んでいた頃より、今のほうが快適です。
もちろん、広い家が悪いわけではありません。
家族と暮らすために広い家が必要な時期もありますし、思い出の品を大切に持ち続けることも、その人にとって大事なことです。
ただ、以前の暮らしに必要だったものを、これからの暮らしにもすべて残しておかなければならない、ということはないのだと思います。
ただ、ひとつ誤解していただきたくないことがあります。
私は40坪の家を手放し、20坪のアパートに移りましたが、皆さんに小さな家への住み替えをおすすめしたいわけではありません。
広い家での暮らしが心地よい方もいらっしゃいますし、思い出の詰まった家を大切に守りながら暮らしたい方もいらっしゃるでしょう。
リフォームして住み続けるのも、住み替えるのも、どちらも選択肢です。
大切なのは、広いか狭いかではなく、今の自分に合った暮らしができているかどうか。
私にとっては、20坪のアパートが心地よい住まいでした。
でも、皆さんにとっての正解は、それぞれ違います。
私の経験が、ご自身にとっての心地よい暮らしを考えるきっかけになれば、うれしく思います。
住まいは、人生と一緒に変わっていい
50代、60代、そしてその先へ。
年齢を重ねると、子どもが独立したり、家族との別れを経験したり、体力や生活の仕方が変わったりします。
そんなとき、住まいについて考え直すのは、決して後ろ向きなことではありません。
リフォームして住み続ける。
使わない部屋を整理する。
一部屋を生活の中心にする。
思い切って住み替える。
答えは、人それぞれです。
大切なのは、家の広さや、建てたときの理想に自分を合わせ続けることではなく、今の自分がどう暮らしたいかを考えることではないでしょうか。
私は建築士として40年以上、住まいに関わってきました。
その私が、自分で設計した家を手放してわかったこと。
それは、住まいの価値は、広さや立派さだけでは決まらないということです。
家は、私たちの暮らしを支えるもの。
だからこそ、暮らしが変わったら、家との付き合い方も変えていい。
もし今、大きな家の管理や、物の整理に負担を感じているなら、一度考えてみませんか。
これからの自分にとって、本当に必要なものは何だろう。
どんな家なら、もっと心地よく暮らせるだろう。
リフォームするか、住み替えるかを決めるのは、そのあとでも遅くありません。
建築士としての知識と経験、そして自分自身の住み替えの経験を生かして、これからの住まいと暮らしを考えるお手伝いができればと思っています。
家のこと、暮らしのこと。
「うちの場合はどうしたらいいのだろう?」
そんな疑問があれば、気軽にご相談ください。