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1978年、法務省からカリフォルニア大学バークレー・ビジネススクールに留学してMBAを取得すると同時にアメリカ公認会計士(USCPA)試験に合格し1981年に国連に転職。
国連パレスチナ難民機関や国連工業開発機関財務部長、国連難民高等弁務官事務所本部財務局長・同 駐日代表などを経て2009年から東洋英和女学院大学教授。2019年に名誉教授。国連NHCR協会理事長、同特別顧問を経て、現在は財団法人ケア・インターナショナル・ジャパン代表理事副理事長。外務省JPO選考面接委員を2020年まで11年務めた。
現在は、移民・難民問題や日本の難民政...
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講師を含む参加者全員の自己紹介、将来の希望
講師によるコース概要と背景の説明
日本人が国際的に活躍しようとする際に直面する「3つのカベ」について
外務省国際機関人事センター室長からの、国際機関への若手登竜門である外務省JPO(Junior Professional Officer)試験や、中堅職員ポストに応募する方法について説明してもらいます。どうしたらJPOなどに合格して国連に入れるのでしょうか?
日本でも最近導入が始まっているジョブ型雇用制度は、国際機関や欧米では昔からある雇用形態です。日本型の「メンバーシップ型」雇用制度に慣れた人にとっては戸惑うことも多いものです。国際機関でのジョブ型雇用制度の実際とそれへの対策を、Job Description (職務記述書)のありかたなどを参考にしながら学びます。
また、日本の組織では転職などにかかる社会規範の拘束が強く、協調性が重視されますが、国際機関では転職は普通であり、個人主義的な行動や競争的行動が多く見られます。そのような雇用環境の中でどう行動すべきかを考えます。
日本の組織と違って、国際機関は専門家を雇う建前です。したがって、入ってから研修などはなく、最初の日から仕事をすることが求められます。また、転職が多くて人々の出入りが激しい組織環境では、なるべく早く顔を覚えてもらい、注目され、組織の中での居場所を確保することが重要です。この回では、いかにしたら最初の100日で目に見える成果を上げ、成果を周囲に認めさせるかを考えます。
異文化コミュニケーションの難しさは言葉の壁だけによるものではありません。「沈黙は金」「出る杭は打たれる」「長いものには巻かれろ」などの日本的な文化が効果的コミュニケーションを阻害します。自分の意見を持つことを重視しない日本の教育制度にもその一因がありますが、効果的なコミュニケーションのためには、日本の、言わなくても分かる「ハイコンテクスト文化」と、欧米や国際機関における、言わなければわからない(または言ってもわからない)「ローコンテクスト文化」の違いも知り、「文化のカベ」を破らなければなりません。そのうえで小さな実践を積み重ね、異文化コミュニケーションに自信をつけることが必要です。
留学を機に日本の大企業を辞め、JPOで国連に入った後に欧州復興開発銀行に転じ、幹部として活躍された中沢賢治氏に、国際機関での生き残りのヒントを、多くの具体例を交え、分かり易くお話していただきます。
この講座の最も重要なテーマの一つです。国際機関の人事担当者の多くが「日本人は自己主張が弱すぎる」と言います。過剰ともいえる自己主張をする外国人が多い中で、これは弱点・欠点とみなされます。かといって、だだしゃべっていればよいのでもありません。どのようにしたら自分の意見・感情を伝え、相手の意見・感情も理解し、ウインウインの関係を築き上げることができるのかを考えます。
これもこの講座の重要なテーマです。日本では上司は部下を管理する存在と思われていますが、人事部が大きな権限を持っていて、上司が勝手なことをするのは許しません。国際機関では直属上司が人事権も握っており、そこで生き延びるには、「いかに上司を上手に管理するか」「どのようにして上司が自分を助けるように仕向けるか」が重要な課題になります。また、日本人が不得意な「組織内政治」にどう対応するかも課題です。どうしたらいいのか、ヒントを探ります。
大人になることの悲劇の一つは、自分の欠点をはっきり指摘してくれる人がいなくなることです。国際機関では評判がとても大切。ほかの人が自分をどのように評価しているかを知らないと、思わぬ落とし穴に落ちます。どうやったら「評判を管理」して「裸の王様」にならないで済むのでしょうか?
さらに進んで、いかにして自分の良いイメージ、「パーソナル・ブランド」を作り上げるかを考えます。最後に、自分の夢を達成するためのプランを考えます。
UNDP(国連開発計画)で管理局長(ASG)などを歴任された弓削昭子法政大学教授に、「国際機関でいかに生き延び、貢献するか?」の3つの秘訣についてお話し願います。あた女性の活躍のヒントもいただきます。第8回までの授業内容の意味が分かってきます。
前半は国連を目指す・入りたての国連ジュニアキャリア向けの内容でしたが、後半は国連ミッドキャリアにこそ役立つ、ミッドキャリア向けのキャリアノウハウやアプローチが学べる貴重な機会でした。また、毎週週末に2時間程度でジュネーブ(午後)やニューヨーク(午前)ベースの国連職員でも参加可能なスケジュールで助かりました。
・多種多様なバックグラウンドの受講者
・国際機関のみならず海外で勤務することを希望する人に有用な情報がたくさん
・外部講師がプレゼンする回もある
・短い期間の講座でありながら非常に中身の濃い講座であった
滝澤先生による講義(7回)、外部講師による講義(3回)の計10回の講義でした。
毎週の講義、そして異なる背景を持つ受講者の方々との意見交換を通じて、毎回気づきがありました。
目指す所は違えど、同じような悩みを持っていたり、すでに課題を解決された方、また違う分野で働く方と各回のテーマに沿った話をするなかで、自分の現状を新たな視点から捉えなおすことができました。