この講座は、親子関係のストレスを解消する方法を学ぶ講座です。
⭐こんなことを学びます。
親の入院・介護で、どこまでサポートするかの対処法を学びます。
親の期待に応えられないと罪悪感を持ち、自分自身を裁くことがありませんか? 罪悪感を減らす方法を学びます。
高齢の親の生活サポート、急な入院や退院後のサポートをするとき、片づけを手伝うときの注意事項を学びます。
先の見えない介護のための心構えを学びます。
ひとりで抱え込まないこと、きょうだいと連携すること、相談機関や専門家との協力体制を組むことなど、できる準備をしていきます。
背負わなくてもいい責任や金銭的な負担を背負うことのないように、境界線の引き方にも意識を向けます。自分が燃え尽きるまでがんばらないなど長期的サポートのあり方を考えていきます。
もともとの性格か、加齢による性格の先鋭化か(たとえば、こだわりがますます強くなる。頑固になるなど)、認知症かは判断が難しいところです。
認知症の初期症状についての解説、症状が悪化する言葉がけの仕方など注意点も伝えます。一番世話する人が、親に一番きつい言葉を浴びせられます。たまにしか来ないきょうだいや親戚には、現状を理解されずに辛い思いをすることが少なくありません。
そういう事態を回避する方法も学びます。
⭐こんなことが出来るようになります
そろそろ介護が視野に入って来た方は、事前に何を準備すればいいか、どこに相談に行き、何を聞けばいいかがわかります。
介護が始まった方で、病院やケアマネージャーとの連絡などを担うキーパーソンになった方は、負担が他のきょうだいよりも増えます。他のきょうだいをどう巻き込み協力体制を作っていくかという方法・選択肢を準備できます。
実家の片づけをどこまでするか、いつするかは悩ましい問題。誰のための片づけかという点を忘れずに、接する方法がわかり、期待を手放せます。
⭐こんなふうに教えます
1対1の講座ですので、ご参加くださった方の困りごとも採りあげながら、丁寧に教えます。レクチャーとワークを組み合わせた内容となっています。
講師の一方的な説明にならずにご参加いただいた方と対話する形式で、学んで頂きます。
⭐定員
基本 1名
下記のようなことがあれば、医師と相談なさってください。
⭐ノーツマルシェに掲載された記事(2023年7月31日)より引用。
https://notesmarche.jp/2023/07/28944/ 🔶認知症介護で起きる介護される人の問題行動7つ
認知症の症状には「中核症状」と「周辺症状」に大きく分類されます。中核症状は脳の病変により直接起きる症状で、学習と記憶、言語、知覚、運動、社会的認知などの機能低下によるものです。問題行動とは周辺症状(BPSD)と呼ばれるもので、周囲の状況や心身のストレスによって起きます。
1. 症状は身近な人に強く出る
2. 自分が不利になることは認めない
3. 取り繕い
4. 物盗られ妄想
5. 何度も同じことを聞く
6. 何度も同じ物を買う
7. 突然暴言を吐く
🔶7つの問題行動には意味がある
介護者も周囲の人も問題行動の意味を知っていることで対応がうまくなり、精神的なストレス軽減に役立ちます。
1.症状は身近な人に強く出る
介護者以外の人の前ではしっかりした態度をとる反面、介護者にはワガママや甘えが出ます。一番頼りにしている人だからこそ、症状が強く出ると考えられています。介護者の悪口を第三者に言うのには「聞き手と親密になりたい」という気持ちも潜んでいます。
2.自分が不利になることは認めない
「自分は正しく、間違っているのは周りの人間」という思い込みが強くなります。「素直に謝らない」「平然と嘘をつく」などは本能的に起きる自己防衛です。説明や説得などは無駄な努力と考え、そういう症状と受け止めることです。
3.取り繕い
「記憶を失うこと」「それを人に知られる恐怖」「できない自分に傷つく不安」「自信の喪失」が原因で起こります。自分にとって都合のよい部分だけを記憶、つじつまの合うように話を作ることもあります。「分かったふり」で詐欺に遭うリスクも高まります。
4.物盗られ妄想
介護者が疑われる理由は、「いつも近くにいるから」です。「置いた場所を忘れたことを認めたくない」ので自分を納得させるために虚記憶(盗られた)をつくります。本人にとってはそれが事実なので、否定し続けると妄想が悪化します。
5.何度も同じことを聞く
「覚えられず、分からないままの状態では不安」と「聞くと教えてもらえるので安心」の繰り返しが起きます。「さっきも聞いた」と返しては、「拒否された」と感じさせます。予定が分からない不安に対しては、メモで対応できます。
6.何度も同じ物を買う
「買ったかな?」と不安になり、「買った方がいい」と判断してしまうのです。「家族に見つからないように隠す」と視界から消えるので「ない」と思い込み、また同じ物を買ってしまいます。もともと買い物依存や収集癖がある方も、要注意です。
7.突然暴言を吐く
感情の抑制機能が衰え、自尊心も低下。些細なことで心の中の敵意が表面化しやすくなります。興奮すると、「親不孝者!」「縁を切る!」など攻撃がエスカレート。介護者が強く返すと、強い感情の不快な出来事として記憶に残ります。
自分が正しいと思い込んでいる親に対して説明や説得は効果がありません。
「言うことを聞かせたい」と介護者が強く出ると、ケアではなくコントロールの介護となります。「騒いだらかまってくれる」と思うと何度も騒ぐので、相手が騒いでいるときは反応せず、落ち着いているときに対応しましょう。取り繕いは医師でも見抜けないことがあるので注意しましょう。介護者はときに役者になることも必要です。
🔶問題行動が出始めたら施設を検討するタイミング
在宅介護において共倒れを避けるためには、本人と家族で施設に入る時期を話し合うことが大切です。ポイントは「何歳になったら」ではなく、「ここまで症状が進んだら」と具体的にすること。施設に入れば、在宅介護よりは介護者はラクになりますが、施設のスタッフ間の連絡ミスもあり、家族の思いが伝わらないこともあります。コロナ禍では面会禁止を理解できず家族を恨むケースも少なくありませんでした。
認知症の初期の段階で対応を間違うと早期発見が遅れ、症状が悪化します。周囲の人も正しい知識を持てば、介護者を一方的に責めたり、追い込んだりすることが防げます。「コントロール」ではなく、患者目線でケアをする「パーソン・センタード・ケア」の介護をするためにも、専門家とのチーム連携が必要です。
🔶「親の認知症、帰省したときに感じる違和感で早期発見」
ノーツマルシェに私が書いた記事(2023年8月13日)より引用。
https://notesmarche.jp/2023/08/28954お盆やお正月に帰省して、親の変化に驚いた方、多いかもしれません。
違和感を感じても、「暑さのせい、年のせい」と片づけていませんか?
「少しぐらいもの忘れしても大丈夫」、
「よくしゃべるから大丈夫」と思っても、
本当に大丈夫でしょうか?
「大丈夫?」と親に聞けば、「大丈夫」と答えます。
お互い、それで安心できますか?
以前は、「病院についてきて」と頼めた人が、急に「ひとりで行けるから」と言い張る、食欲不振、何を食べてもおいしくないと言う、スマホに電話しても出ないなど、変化はありませんか?
電話やメールではなかなかわかりにくい、こんな症状に気づいていますか?
認知症の始まりかも? 注意したい8つのサイン
🔸8つのサイン
1. 激やせ・激太り
2. 冷蔵庫に賞味期限切れの食材が満杯
3. 片付けられない・探し物が増える
4. 料理の段取りが悪い・鍋を焦がす
5. 小銭がドッサリ・タンス貯金
6. 薬を飲み忘れ・受診日キャセル
7. 反応が鈍い・会話がかみ合わない
8. 夏に厚着
上記は、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)の衰えとも関係しています。白内障の手術など、かかりつけ医以外の新しい医師との関係で緊張し、急に記憶障害が現れることもあります。いちばん混乱し困っているのは本人です。「どうしたの、しっかりして!」と励ますと逆効果です。否定したり騒いだりせず冷静に対応しましょう。