易占いとは
ようこそ、易の世界へ。
「易占い」と聞くと、難しそうに感じる方も多いかもしれません。でも実は、とてもシンプルで、日常に活かしやすい占いです。
易占いは古代中国で生まれた占いです。
陰と陽をキーワードに世界の変化を読み解くので、単なる吉凶判断にとどまらず、次のようなことを教えてくれるのが特徴です。
今の状況が、どんな意味を持っているか
これから、流れがどう変わっていくか
どんな選択肢があるか
私は、自分の内面や状況の変化を大きな流れとして捉えられる易占いを、人生の指針や決断のヒント、そして日常生活を送る上での頼りになる相談相手として信頼しています。
易占いのやり方はいくつかあります
筮竹(ぜいちく)を使う方法:細い竹の棒を使う古典的な方法です。手順があり、ハードルが高めです。
八面体サイコロを使う方法:手順はシンプルですが、専用のサイコロを購入する必要があります。
スマホアプリを使う方法:最近の現代的な方法です。
コインを使う方法:特別な道具が不要で、誰でもすぐに試せます。手軽に始められるのに、本格的な易のメッセージを受け取れるので、入門者に人気があります。私が特におすすめしたいのが、この方法です。
コインを使う方法には「3枚のコインを6回振る」やり方もありますが、この記事では、もっとシンプルで分かりやすい「コイン6枚」を使うやり方を紹介します。直感的で、迷いにくいです。
コイン6枚の易占いは、筮竹を使う古典的な方法より劣っていると言う人もいます。でも、私はそう思いません。初心者向けと言われることの多い方法ですが、卜術(ぼくじゅつ)本来の姿は偶然性の純度を高めることだと考えると、むしろ正統的な方法のひとつだと思っています。
準備するもの
コイン6枚の選び方
易占いでは、陰を「- -」、陽を「─」であらわし、この線を下から上に6本重ねて、1つの卦(か:占いの結果)をつくります。1本の線を1枚のコインで表すと、6枚のコインで一度に6本の線がそろいます。これが、コインを6枚使う理由です。
コインはどんなものでも構いません。私の経験から、次の3点をおすすめします。
同じ種類、サイズのコインを6枚そろえる:種類がばらばらだと、表裏の判定で混乱しやすくなります。10円玉、5円玉、100円玉のどれか6枚がおすすめです。
表と裏のルールを先に決めておく:たとえば日本の硬貨なら、「数字の面=陰(- -)」「日本国と書かれた面=陽(─)」と決めておくと、迷いません。
清潔にしておく:占いの道具は、自分の心を映す「鏡」のような存在です。大切に扱いましょう。
占う場所と心構え
道具がそろったら、次は占う環境を整えます。やり方がシンプルでも、心が乱れているとメッセージを読み取りにくくなることがあるからです。
静かで落ち着いた場所を選ぶ:できれば、一人で集中できる空間が理想です。カフェでも構いませんが、音や人の目が気になると、心が散ってしまいます。
スマホの通知をオフにする:現実の世界から一時的に離れることで、自分の内面とより深く向き合えます。
吉凶にこだわりすぎない:易占いでは「流れ」「変化」「選択肢」を読み取ります。「今の状態にどんな意味があるのか」「どんな選択肢があるのか」という視点で問いかけてみましょう。
コイン6枚で卦をつくる手順
いよいよ実践です。1つずつ順番に進めれば、どなたでもスムーズに占えます。
手順1 占いたいことを決める
まず、何を占いたいのかをはっきりさせます。たとえば、次のような問いです。
今の仕事を続けるべきか?
この恋愛はうまくいくか?
新しいことを始めるタイミングは?
自分の状況や迷いを具体的な質問にしておくと、より明確な答えを得られます。
手順2 コインをシャッフルする
占いたいことを心に思い浮かべながら、6枚のコインを両手でやわらかく包みます。おにぎりを握るときのように、手の中に空間をつくるのがコツです。そのまま両手を上下に振って、コインを混ぜます。
混ぜている途中で、「ここかな」と感じる瞬間があります。そのタイミングで止めてください。
手順3 コインを並べて卦をつくる
両手を開き、片方の手のひらにある6枚を、順番が入れ替わらないように気をつけて重ねます。そのコインを、表裏を変えないようにして、一番上の1枚から順に、手前から奥へ一列に並べていきます。
1枚目(一番上の1枚)を、自分に一番近い手前に置きます。
2枚目を、1枚目の奥に置きます。
3枚目を、2枚目の奥に置きます。
4枚目、5枚目、6枚目も、同じように奥へ向かって置きます。
並べ終えると、一番手前の1枚が重ねたときの一番上だったコイン、一番奥の6枚目が一番下だったコインになります。
次に、上を向いている面を、陰と陽に当てはめます。
数字の面が上 → 陰(- -)
「日本国」と書かれた面が上 → 陽(─)
こうして、6本の線ができます。手前の3本と奥の3本は、それぞれ名前がついています。
内卦(ないか、下の卦):手前の3本(1〜3枚目)
外卦(がいか、上の卦):奥の3本(4〜6枚目)
手順4 卦を調べる
内卦と外卦の組み合わせで、64通りある卦のどれかが決まります。64卦の一覧表で、内卦と外卦が交わるところを見てください。そこに書かれているのが、易からのメッセージです。
「64卦 一覧」でネット検索すると、たくさんのサイトが見つかります。ご自分が使いやすいものを探してみてください。
メッセージの読み解き方
卦からメッセージを受け取るのが、易占いの醍醐味です。卦にはそれぞれ名前と意味があり、象徴する自然や状況が表されています。
八卦(はっか、はっけ)
上下それぞれ3本の線の組み合わせは、八卦と呼ばれます。八卦には、自然界の8つのイメージが割り当てられています。「八卦」でネット検索すると、くわしく説明しているサイトが見つかります。ご自分にしっくりくるものを探してみてください。
内卦と外卦
内卦(下の3本):内側の傾向を示します。
外卦(上の3本):外側の傾向を示します。
内側をあなた、外側をあなたを取り巻く環境と捉えることもできます。また、内側をあなたの本心、外側をあなたの社会的な面と捉えることもできます。
読み解きの順番
まず、占った問いと、内卦・外卦それぞれの傾向を照らし合わせます。そのうえで、次の4つから総合的に読み解きます。
内卦のイメージ
外卦のイメージ
2つを組み合わせた卦に割り当てられている漢字(1文字か2文字)
卦辞(かじ)と呼ばれる、メインのメッセージ
爻辞(こうじ)は、あとで大丈夫です
易経では、メインのメッセージである卦辞のあとに、6段階の変化を表す爻辞が続きます。爻辞は卦辞の世界観を拡張するものですが、抽象度が高く、やや難解です。
先生、書籍、サイトによって方針はさまざまですが、私は、まずメインのメッセージに親しむことをおすすめします。それでも物足りないと感じたときに、爻辞をひもとくのがよいと思います。そのため、この記事では爻辞を使わず、メインのメッセージを中心に読み解く方法を紹介しています。
うまく占うための3つのコツ
コツ1 占いたい内容を具体的にする
まず大切なのは、問いの立て方です。「私の将来はどうなりますか?」のように大きすぎる問いでは、結果もあいまいになり、読み解くときに迷ってしまいます。
おすすめは、「○○について」「○○は」のように、具体的な言葉を入れて問うことです。たとえば、次のように、問いを一段具体的にします。
「転職したいと思うけど、どうか?」
→「転職先を探しています。外食産業はどうでしょうか?」
易は「未来を予言する占い」というよりは、「今の流れと自分の在り方を示す占い」と捉えた方があっていると思います。今の状況に合った問いを立てることが、易占いを効果的に使うコツのひとつです。
コツ2 結果に一喜一憂しない
「吉が出たから安心」「凶が出たから落ち込む」。気持ちは分かります。でも私は、易占いで大切なのは、結果を単純な「良し悪し」や「固定された未来」として受け取らないことだと考えています。
易の卦が表しているのは、吉凶の決まった未来ではなく、「今のあなたの状態や環境の流れ」です。
凶とされる卦が出たとき:警告や注意のメッセージです。具体的な行動しだいで状況を好転させるための助言と捉えられます。
吉の卦が出たとき:油断は禁物です。「このままの姿勢を続ければ良い流れに乗れる」という助言として受け取り、慎重に判断しましょう。
易占いは「今を映す鏡」です。どの卦も、自分を見つめ直すきっかけになります。
コツ3 同じ質問を繰り返さない
一度占った問いについて、「あまり納得できないから、もう一度」とやり直すと、易のメッセージがぶれて、混乱のもとになります。易は、そのときのあなたの状態と問いに、もっとも適したメッセージを返してくれる占術だからです。
結果に疑問が残ったときは、すぐに占い直さず、そのメッセージが何を伝えようとしているのか、自分なりに時間をかけて向き合ってみましょう。再び占うなら、数日あけるか、問い方を変えるなど、視点を調整します。
私は、同じ質問を繰り返すのはもったいないと感じています。すべてのものごとは変化し、流れていきます。望む答えに執着すると、その分だけ、自分で流れをせき止めてしまうと思うのです。執着を手放せば、流れは自然に、天地の理(ことわり)にそって流れ出します。その流れこそ、本質的な恵みそのものだと思います。
易占いを日常に取り入れるアイデア
慣れてきたら、易占いを日常に取り入れてみてください。
朝の1日占い
毎朝の習慣にするのがおすすめです。「今日をどんな気持ちで過ごせばよいか?」「どんなことに気をつけるとよいか?」と問いを立て、コインで易を立てます。
メッセージから得た気づきをスマホなどにメモしておくと、日々の自分の変化に気づけます。特別な問題がない日でも、毎日の「流れ」を感じる練習になり、易占いの感覚を育てるトレーニングになります。
私も毎日続けています。朝、ぼーっとした頭で易を立て、夜、布団の中で振り返ります。続けるうちに、易との対話が少しずつ深まっていくのを感じられると思います。
人間関係や仕事の選択に活かす
迷いがあるときに、大きな助けになります。「この人とどう関わるべきか?」「今、転職するのは良い流れか?」のように具体的な問いを立てれば、目の前の選択肢に対する「今の流れ」が分かります。注意点、現状の背景、これからの変化などが見えるのも、易占いの特徴です。
私は、相手との距離感や自分の立ち位置の見直し、冷静な判断のヒント、選択肢を目に見える形にするために使っています。
感情の整理や自己対話に使う
なんとなく気持ちが沈む、モヤモヤする。そんなときは、易占いを自己対話のツールにしてみてください。「この感情の正体は?」「何に気づくべきか?」と問いを立てて易を立てると、自分の内面の声や、無意識の状態を映し出してくれます。感情に飲み込まれずに距離を取り、冷静に自分を見つめ直せます。
私は、言葉にしにくい心の動きを、易を通して少しずつ整理するのに使っています。
まとめ
この記事では、コイン6枚でできる易占いのやり方とコツを紹介しました。まずは一度、気軽に試してみてくださいね。
易経と易占いを通じて、皆様が幸せな人生を送るきっかけになれば、とても嬉しいです。