こんにちは。
ボイストレーナー・音楽家のRin Erinです。
声を変えたいと思ったとき、多くの方はまず「声を出す練習」を思い浮かべるのではないでしょうか。
もっと高い声を出したい。
もっと通る声になりたい。
歌いやすくなりたい。
人前で話すときに、もう少し楽に声を出したい
そう思うと、つい一生懸命に声を出そうとしてしまいます。
ですが私の講座では、最初から大きな声を出したり、高い声を出したりすることはありません。
まず最初にお話しするのは、体の仕組みから入ります。
「声は、どうやって出ているのか」
ということです。
声というと、どうしても「喉」を思い浮かべる方が多いのですが、実際に声を出すときには、喉だけではなく、呼吸、舌、唇、口の中など、さまざまな部分が関わっています。
ところが普段、私たちはそれらをほとんど意識せずに話したり歌ったりしています。
なので「自分は普段、どこを使って声を出しているのだろう」
というところからスタートします。
これは長年の講師活動の中で培ってきた確かな実感からです。
その中で取り入れているものの一つが、
「パ・タ・カ・ラ」という発音です。
若い方はあまり聞いたことが無いかもしれませんが
これは、口や舌、唇を動かす練習として、高齢者施設などでも取り入れられている「パタカラ運動(ストレッチ)」としてご存じの方もいるかもしれません。
少しだけ、一緒にやってみましょう。
「パ・パ・パ・パ」
「タ・タ・タ・タ」
「カ・カ・カ・カ」
「ラ・ラ・ラ・ラ」
それぞれ発音してみると、
「パ」は唇、
「タ」や「ラ」は舌、
「カ」は口の奥、
というように、使っている場所の違いを感じられると思います。
ただ言葉を発しているだけのように見えても、口の中ではいろいろな動きが起きています。
この「動いている場所を意識する」ということが、私はとても大切だと考えています。
なぜかというと声を変えるためには、ただたくさん声を出すだけではなく、
「自分が今、どのように声を出しているのか」
に気づく必要があるからです。
力が入りすぎているのか。
口の中があまり動いていないのか。
息がうまく流れていないのか。
その方によって、声の出しにくさの理由は違います。
だからこそ、いきなり「もっと大きな声で」「もっと高く」と練習するよりも、まず自分の身体の使い方を知る。
そこから始めた方が、声に対する意識は大きく変わっていきます。
ボイストレーニングというと、少し特別なことをするように感じるかもしれません。
でも最初の一歩は、
「上手に声を出すこと」
ではなく「自分の声が、どのように出ているのかを知ること」
なのです。
私の講座でも、まずこの部分を一緒に確認してから、実際に声を出していきます。
説明を聞き、自分で動かし、実際に声を出してみる。
そうすることで、
「今まで何となく出していた声」から
「自分で意識して出す声」へと少しずつ変わっていきます。
もしも今
「声が出にくい」
「高い声が苦しい」
「以前より声が出しづらくなった」
「もっと楽に歌いたい」
と感じているなら、まずは「もっと声を出さなくては」と頑張る前に
自分の喉や口の中がどう動いているのか、少し意識してみてください。
声を変える第一歩は、
声を出すことではなく、
自分の声の仕組みを知ることから始まるということをお伝えしています。