2019-06-20
講師・研修の紹介

コミュニケーションスキルとは?=雑談スキル×しゃべるスキル×聞くスキル+マナー|五戸講師インタビュー【前編】

 

社内外問わず、ビジネスパーソンたるもの対人コミュニケーションは避けることができません。しかしこれを「得意」「不得意」で片づけてしまうことが多いもの。対人コミュニケーションについて誰かに教わる機会も意外と少ないのが現実です。そもそも「コミュニケーションスキル」とは?「自分自身をより魅力的に見せる」とは?企業からの問合せも増えてきているという五戸講師にお伺いしたお話を、今回は【前編】【後編】に分けてお届けします。

 

【PROFILE】

五戸 美樹(ゴノヘ ミキ)講師

フリーアナウンサー(元ニッポン放送)

担当研修
ビジネスパーソン向けトークレッスン
もう”ゆとり”とは言わせない「ビジネスコミュニケーション」スキルアップ研修

 

- 企業向けの研修で「コミュニケーションスキル」の問い合わせが多いと伺いましたが、コミュニケーションといっても定義が幅広いですよね。例えばどういった問合せなのでしょうか?

例えば社外コミュニケーション、営業ですね。管理職の方から、若手社員の会話のトークスキルを上げて欲しい、といったご依頼が来ますね。

- トークスキルといってもなんとなくのイメージはあるものの、具体的にどういったスキルを指すのか、というのが説明しづらい、という方は多そうですよね。

分かりにくいですよね。皆さん教わったことないですし。ある企業の社長からのご要望だと、「若手に営業に行かせたいが、自分と若手が話していてもシーン…となるので、任せるのが不安。そもそも若手社員は物事を知らなすぎる」といった感じでした。そのため、その企業の研修では、「テレビでもネットでもいいので、ニュースを見ること。その時間は給料が発生するものではないけれど、話を広げるのに便利だし、自分のためになる。まずは天気予報だけでもいいのでニュースを見ること」といったことや「SNSは自分の興味のあることばかり見てしまう。ニュースは興味がない分野も見られるといいですね」という話をしました。これは雑談のトークスキル。本題に入る前にどう会話を繋ぐのか、というところですね。

- 会話を繋ぐスキル、と言われるとイメージしやすくなりますね。

あとは雑談にプラスするのが自己開示のトーク。「自分はこう思う、こういうことがあった」と話すことによって相手に安心してもらえることは多々あるので、自分が思うことを考えるようにすること、そして経験をネタにできるようになること、ですね。

- 自分のことを話すというのは勇気がいりますよね。私の場合、そもそも相手が興味を持ってくれるのか、とか、何か面白い話をしなければならないんじゃないか、とかをつい考えてしまいます。

聞き手を配慮するのは大事ですよね。ただ、それで言葉が出てこないと元も子もないので…。それもこれも、トークイコール才能だと考えることで、辛くなっている方は多いと思います。
たとえば、「自分は緊張して、手が震えちゃう、あがって頭が真っ白になっちゃう」という方って結構いらっしゃるんですけど、そういう方に、まずは原稿を手に持つことを勧めると、「紙を見てしゃべっていいんですね」と言われることがあります。他の人が紙を見ないでうまく話していて、自分もそうやらなきゃいけない、でも才能がないからできない、と思い込んでいらしたんですね。
なので、「人と比べないでください」という話もよくします。スピーチ1日3人の人がやります、2人うまくできて、最後に自分の番、となると「あんな風にうまくやらなきゃ」と思い込み、プレッシャーで失敗する…これはもったいないです。「あの人はあの人。あなたはあなたです」、「人と比べないでください」とお伝えしています。

- 人と比べないで、というのはすごく考え方としてはわかりますが、とはいえ慣れていないので、あなたらしくでいいんだよって言われても少しとまどうかもしれません。そこはどんなふうに教えられるんですか?

例えば、朝礼などまったく原稿がないフリートークでスピーチするのであれば、内容を引き出すところからですね。生徒さんが「まったく何も思いつきません」という方だったら「週末何してましたか?」と聞きます。
生徒さん「風邪ひいてました」
私「風邪ひいてお仕事は休まれたんですか?」
生徒さん「仕事は休んでないです」
私「じゃあ休みのうちに治されたんですね」
生徒さん「1ヶ月前も同じように、風邪ひきましたが仕事は休んでないですね」
私「じゃあ休みの日だけ風邪をひいちゃった。それって面白いですよね」
という引き出し方をします。そこから一緒に構成を考えますね。だいたい8〜9割の方が、自分の体験が面白いと思っていないんです。ささいなことでもネタになるんですよ、と伝えています。先ほどの事例だと、月~金出勤、土日は出かけられず風邪で休み、そこそこ治ってまた出勤、それを翌月またやる…なんだか“損してる感じ”。これは自分だけの体験、イコール面白いんです。そんな風に、皆さん掘ればたくさん出てきます。これはラジオアナウンサーとしてのリスナーインタビューの経験が役立っていますね。

 

- 会話の組み立てにも使える技法ですね。それ以外には何かありますか?

人の話を聞く、ということですね。営業の方なら、先方のニーズがどのようなものかをどんどん引き出す。トークスキルの中の、“インタビュースキル”ですね。さらに、コミュニケーションスキルでいうと、多少の“あざとさ”を加える技法もあります。

- といいますと?

メールの文に「ご返信ありがとうございます」や、「ご回答ありがとうございます」を必ず入れる、といったことですね。「ありがとうございます」は何回言ってもいいのに、若手社員はそれを知らない方が結構いますね。
例えば、何かごちそうになった時、その場で「ありがとうございます。ごちそうさまです」と言ったら終わりだと思っている方がいるので、そういう方には、LINEを知っているのであれば帰宅中にLINEすること、あるいは翌日会社でメールすること、さらに次また会った時にもう一回「ありがとうございます。先日はごちそうさまでした」と伝えること、3回言ってちょうどいいんですよ、と教えます。「ありがとう」は何回言っても怒られないけれど、言われなくて嫌な顔をする人はいっぱいいるので…。トークに加えてマナーの部分も講義しますね。

- ある意味処世術ですね。

それはありますね。営業となるとどうしても。何もしなくてもお客さんがどんどん来るんだったらそんなにやらなくてもいいかもしれないですが、多少の謙虚さと“謙虚さのアピール”は知っていて損はないですね。

- 謙虚さもアピールするものなんですか?

「私、謙虚なんです」と自ら言うのは謙虚じゃないですが。例えば、「つまらないものですが」と言ってプレゼントする、といったことですね。使い古された謙譲語かもしれないですが、ある意味「私は謙虚を理解していますよ」というアピールになります。謙虚さや謙譲語がわからない・できないと言う若手の方は本当に多いので、ちょっとできるだけですごく評価されますね。そっちの方が仕事決まるから、楽じゃない?と。そうするとちょっとずつ変わりますね。
今はやっぱりパワハラの問題があるので、先輩から「これ、持ってよ」とか「お酒注いでよ」という発言は危険ですが、若手が注ぎたくて注ぐのはいいんです。「先輩、持ちますよ」って後輩から言ってくれたら、目上の人は嬉しいものです。欧米と違って日本はどうしても年齢で上下関係ができやすいので。後輩からでもやり過ぎはよくないですが。先輩対応ができると仕事も楽になりますよ、というのを若手営業研修に入れていますね。

- 雑談スキル、しゃべるスキル、聞くスキル、そこにマナー。総じてコミュニケーションスキル、というわけですね。

そうですそうです。それらを学校で学んできた方のほうが少ないと思うので、若手社員の方が早い段階で研修を受けられるといいですよね。

- 早いうちにそういった機会があるといいですよね。このコミュニケーションスキルをより活かしていく、自分自身をより魅力的に見せる方法、というところも教えて頂けますか?

 

・・・と、前編でお届けするのはここまでとなります。後編はさらに踏み込んで伺ったお話をお届けします。どうぞご期待下さい!

撮影協力:表参道【ジーニーズ

 

 

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