芦澤 千夏子

こんなことを教えています

税金を正しく理解してビジネスを成長させる！

なぜ、多くの事業主は税金に対してネガティブなイメージを持っているのでしょうか？

税理士とはいえ、初めは会計事務所に勤務していたので給料をもらっていました。
給料から税金は差し引かれているけど、結局手元にくるお金で生活するので、税金についてあまり気にしていませんでした。
逆に年末調整でお金が戻ってくるのが嬉しかったくらいです。

ただ、担当していた会社の社長の中には、売上が上がって利益が増えても、それを喜ぶどころか、税金を納めることにものすごく抵抗を示したり、「税金を払ってお金が減るくらいなら」と、税金を納めて残ったお金が本当に使えるお金なのに、乗り換える必要のない車を買い換えた結果お金が手元に残っていない状況になっていたり、「税金が高い」と政府に対して批判ばかり言う人もいました。

社長達が税金を納めたくないと思う気持ちもわからなくはないけど、「お金がなくなる」というネガティブな事ばかりに意識がいって、本来経営をするうえで先に考えるべき「業績を上げる」がおざなりになるのは本末転倒ではないかと思いました。

そして政府の悪口を言うわりに、納めた税金が廻り回って私たちが仕事や生活をするうえでいろいろな事に使われているのかを自覚していない社長達もいました。

知っていても「我々が納めている税金で公務員は給料をもらってるんだ」レベル。

でも、私も同じようなレベルでした。

そして、気がつくと、自分もまた税金を納める事に対して強い抵抗感を持つようになっていた。

そんな自分に気が付いた時、抵抗感なく税金を払えるようになりたい、気持ちよく払う方法はないのかな？と思いました。

ふと、税金の名称は知ってるし、計算もできるけど、そもそも税金って、誰に、どのように使われているのかよくわかっていない自分を発見。

そんな時、税理士の仕事として学生に税金について教える租税教室があることを知りました。

そこで教えるシナリオを読んで愕然としました。
税金にもメリットがあるんだ！

ちゃんと国民のために使われている部分もあるんだ、という事を知って「このことを広く伝えなきゃ」と思いました。

税金のメリット、デメリットを知らず、デメリットだけを子供やこれからの起業しようとする人たち抵抗感を植え付けてしまうことに恐怖を感じました。

「このままじゃいけない！」

最初はどのようにこの事を社長達に伝えて税金を納める抵抗感を和らげてもらおうかと思いましたが、自分の考え方を変える事に抵抗を感じる大人より、子供たちやこれから起業する人たちに伝えた方が効果が早いんじゃないかなと思いました。

義務教育である小中学校の授業料や教科書は無料です。
これって税金が投入されているからです。
他にも、病院だったり、年金だったり、ゴミ収集だったり、消防警察だったり、いろいろなところに税金は投入されています。

もし税金が投入されていなかったらゴミ回収のないくさい街になっちゃうし、救急車が有料になります。

税金って本を買うようにお金を払ったら直接受け取れるものではないから、どこか損した感があります。

でも、日常生活で当たり前過ぎてすっかり忘れているけど、税金のおかげで間接的ではあるけど助かっていることもあるんです！

税金にはメリットもあるという事を忘れてほしくないです。

だから気持ちよく税金を払いましょうとは言いません。
税理士の私も税金を払う時はまだ心から気持ちよく支払えません。
というか、本来税金は「支払う」じゃなくて「納める」って言います。
でも、つい、お金が出ていくイメージが強くて「支払う」って言い方をしてしまいます。

でも、このお金が回りまわって誰かの役に立っていると思えば少しは抵抗感が減るような気がします(笑)

これからの子供たちやこれから起業する人がフラットに税金を見てほしいなと思います。

周りの税金に対するネガティブな話を鵜呑みにするのではなく、正しい税金のメリット、デメリットを知ったうえで自分で考えて自分で答えを出す、これが大切。

誰かの価値観の上塗りではなく、自分の価値観をしっかりもってほしい。

それが自分軸を持つことにつながり、自分自身に責任を持てる人になります。

このような思いから私は経営者には一度はちゃんと確定申告に取り組んでほしいと思っています。

多くは起業して売り上げを上げることを優先し、ある程度の年収になったり、予測しなかった税金をガッツリ払うことになって、急いで税理士に頼みますが、税金の事は税理士にまかせっきり。

それが間違いとはいいませんが、税金の仕組みを知るという事は大事だと思います。
税金の仕組みを知ることは、自分の国の仕組みを知ることにもなります。

そして税金の仕組みを知って、税金を払わなければお金が貯まるなんて間違った考えではなく、どうせ税金を払うなら、がんばって節税したうえで納税して、手元に残ったお金でしっかり会社を存続させてほしい。

子供たちやこれから起業する人へ正しく税金のメリットデメリットを伝え、あとの判断を託してほしいです。