湿板写真とは?
ガラス板またはアルミプレートの上で銀とコロジオンの化学反応を利用し、唯一無二の手作り写真をつくる古典技法です。この技法は19世紀にイギリスで生まれ、幕末には日本にも広まりました。その中でも、坂本龍馬や勝海舟、明治天皇などが湿板写真に収められた写真は特に有名です。湿板技法は約20年間使われましたが、やがて乾板写真に取って代わられ、忘れ去られる存在となっていきました。
しかし、近年になって世界中で湿板写真のリバイバルが起こっています。おそらく、パソコンやスマホに保存される写真とはまったく異なるガラス写真に、思い出や記録を残したいという人々の願いが反映されているのかもしれません。
ガラス写真は、ただの記録ではなく、芸術的な表現や感情を伝える媒体としての役割を果たしています。私は、その魅力を再発見し湿板写真が新たな時代に輝きを放つことを願っています。
●ワークショップでは何を学ぶの?
ガラス板を用いたアンブロタイプの一連のプロセスを学び、ご自身でセルフポートレートを撮影、一枚アンブロタイプ(キャビネ版サイズ)をつくっていただきます。カメラの知識はなくても全く問題はありません。
●湿板写真ができるまで
薬品コロジオンを支持体(アルミプレートまたはガラス板)に塗布した後、硝酸銀に浸し感光性を帯びたところで大型カメラに装着して撮影します。湿板(しっぱん)→「湿った板」が意味するように、塗布した薬品が板上で湿っている時のみ感光性を帯びているため、撮影した直後はすぐに暗室で現像します。
●流れ
① ガラス板を完璧に磨きます
② コロジオン溶液をガラス板に注ぎ、半乾きにします。
③ 半乾きのガラス板を硝酸銀溶液に3分ほど浸します。溶液中の銀イオンがコロジオンと反応して銀ハロゲンを形成、ガラス板が感光性を帯びます。
④ ガラス板を大型カメラに装填し撮影(露光)します。セルフポートレートをお撮りいただきます。
⑤ガラス板をカメラから取り出し、すぐに暗室で現像→イメージを定着します。
⑥ 水洗して乾燥させます。銀の変色を防止するためにニスでコーティングします。
●お読みください
-湿板写真は普通のモノクロ写真とは異なる写り方をします。服装などは、以下のリンクの「コロジオンと色」を参考にしてください。
https://www.foto-studio-argento.com/湿板写真とは
-薬品や撮影機材は揃っていますので何もご持参いただく必要はありませんが、汚れても良い服でお越しください。柄物がおすすめです。
-ワークショップの開催時間は参加人数によって1時間ほど前後することがあります。
ご了承ください。
-他のプラットフォームでも募集をかけていますので、予告なく予約なく締め切られることがあります。
●湿板写真サンプル
インスタグラム
https://www.instagram.com/foto_studio_argento/ホームページ
https://www.foto-studio-argento.com/
湿板写真のプロセスを丁寧に指導して頂けます。
これから写真を志す方にも体験して頂きたい講座だと思いました。