髙橋 宏誠のプロフィール写真

戦略人事コンサルタント

髙橋 宏誠

本人確認済み
(0)
教えた人数 2 教えた回数 2

プロフィール

 はじめまして、髙橋宏誠です。 

 私は、富士通入社後、マッキンゼー(大阪支社)、コーンフェリー(旧ヘイグループ)等を経て経営コンサルタントとして独立し、株式会社エスト(パートナー3名、メンバー3名、フェロー2名、アドバイザー1名)を経営しております。コンサル実績は85社 以上あります。

 独立と同時に、英国ウェールズ大学MBA(日本語)プログラムの教員として経営戦略、事業戦略立案、人事制度改革を通じた組織変革を教えてきました。
 
 そして、以下のようなコースの資格を取得し、プロジェクトマネジメント、コーチング、ファシリテーション、ワークショップ(組織開発)に活用してきました。

 1)3in 1 コンサルタント・ファシリテーター
 2)Appreciative Inquiry (組織開発)プラクティショナー
 3)ソリューションフォーカス(コーチング)基礎コース
 4)組織変革プロセス(システム思考)ファシリテーター
 5)NLP認定プラクティショナー

よろしくお願いします。
 
 

続きを読む

こんなことを教えています

人的資本経営の仕組み作りや研修を専門としています

 人的資本経営とは、一言でいえば、これまで資源としてしかみてこなかった従業員を価値を生む資本と考え、個々人のポテンシャルを引き出し、育て、活用することで企業価値を高めようという考え方です。 
      
 人的資本経営という考え方を説明し、その考え方に則ってご支援してきた組織人事コンサルティングの実績を紹介します。そして、人的資本経営の方法論として用いている組織開発の方法論と実務の進め方を説明します。

1.人的資本経営という考え方:
 2018年、人的資本の情報開示のガイドラインがISOによって発表されました。このガイドラインには中小企業にも開示を推奨する指標が含まれています。

 人的資本とは企業競争力の源泉としての人材を資本として捉えることです。背景には、企業価値の主な要素が人材や組織力を中心とする無形資産であることがわかってきているということがあります。

 人的資本経営とは、人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで企業価値向上につなげる経営です。従来の経営からの変化としては、以下の通りです。

・人材マネジメントの目的:人的資源の管理から人的資本による価値創造へ、
・個と組織の関係性:相互依存から個の自律・活性化へ
・企業のコミュニティ:囲い込み型からオープンに選び・選ばれる関係へ

 人的資本経営では事業戦略と人事戦略を並列に捉えます。その際、以下の通り、事業指標に加えて、組織指標の設定が必要となります。
・事業指標:PLやBS等の財務情報
・組織指標:個と組織の関係性や個の自律・活性化した組織を定量化するエンゲイジメントスコア(経産省 非財務情報の開示指針研究会)。 

2.人的資本経営という考え方をベースに支援してきた過去3年間の実績:
・医療器具ベンチャー、北里コーポレーション株式会社のジョブ型組織及び人事制度の設計            
・ITコンサルティングファームの戦略人事制度の設計
・大手総合研究所のコンサルタント及び研究員の評価・育成制度の設計・研修の実施
・総合人材派遣会社、N社のグループ経営化に伴うサクセッションマネジメントシステム(経営幹部育成制度)の設計
・スタートアップ・テック企業、電池メーカーのジョブ型人事制度の設計
・会計系大手総合コンサルティングファームのハイブリッド型等級制度、目標設定トレーニング・プログラム及び評価トレーニング・プログラムの作成
・総合人材会社におけるコンサルティング事業立上時のジョブ型評価・報酬制度の概要設計

3.人的資本経営導入の方法論:
 人的資本経営の導入には、組織診断、組織開発(組織変革)とその検証という三つのフェーズがあります(組織開発とは組織が変わるということであり、組織のメンバー自らが変革の主体です。組織変革とは、主体が、コンサルタントのように、外部から組織を変える者であり、組織のメンバーは変えられる対象ということです)

 組織診断のフェーズでは、目指すべき姿ではなく、目指したい姿と現状のギャップを定量化します。目指すべき姿では、やらなければならないというストレスを抱えてしまいますが、目指したい姿を設定するとなれば、組織のメンバーのモチベーションが働きます。

 組織開発(組織変革)のフェーズでは、組織のメンバーが対話を通じて新たなコンセプトを生み出し、それを制度や仕組みに落とし込みます。その上で、そうした制度や仕組みを組織のメンバーに対し具体的なルールとして伝えます。組織の姿勢を社内外に伝えることによって、組織の活性化や創造性の向上を生み出します。

 検証のフェーズでは、組織の活性化状況(エンゲイジメント)や組織の付加価値創出の高まり等の成果を測定します。

4.人的資本経営導入の実務

1)組織診断フェーズ:仕事に対するワークエンゲイジメントを測定します。ワークエンゲイジメントは、ユトレヒト・ワークエンゲイジメントと呼ばれる、世界でもっとも広く使用されている、学術的に確立された尺度を利用します。

2)組織開発(組織変革)フェーズ:

(1)変革の方向性としてのコンセプトの明確化と人的資本経営促進に向けた施策への落とし込みが重要です。いかに事業戦略がすぐれていても、働く人たちの意欲や共感性が低ければ事業は発展しないからです。変革推進の基礎としてエンゲイジメントの高い状態を作ることが前提となります。エンゲイジメントが高まる方向性を示した上で、採用、配置、異動、育成、人事基幹制度、風土等の施策の方向性を明確にします。それら施策に優先付けを行い、取り組む理由を明示しつつ、中長期での変革シナリオを構築します。これを「人的資本経営戦略」と呼びます。

(2)変革シナリオの発表:変革シナリオを具体化するエンゲイジメント指標や個々の施策の発表にあたっては、その実効性を高めるため、関係者の共感を呼ぶコンテンツを検討し、対話を重ねることが重要です。その際、当事者である従業員との共創を通じて組織の進化を目指すことが望ましく、これは、トップマネジメント、つまり、組織のリーダーの役割です。これは、インクルーシブ・リーダーシップと呼ばれています。

5.まとめ:
 以上のような組織開発(組織変革)の原動力は組織の「自己組織性」にあります。「自己組織性」とは、組織というシステムが環境との相互作用を営みながら、自らの力で自らの構造を変化させる性質のことです。言い換えるなら、自己組織化とは、組織が自分の中に変化の兆しを読み取り、これを契機に新しい秩序を立ち上げようとすることを言います。環境の変化や社内の声を反映させ、年功的な職能資格制度をジョブ型制度に変革することもその一つと言えます。

 私は組織の自己組織性を原動力とする組織開発の理論を開発し、2021年10月、勁草書房より「組織開発の理論化と実証研究―自己組織化能の解放」を出版しました。本書は、エンゲイジメントやトップマネジメントの役割(「組織創発リーダーシップ」)のあり方、そして組織開発のダイナミズムについて、実例を用いて説明しています。
以上
                  

続きを読む

講座

写真

髙橋 宏誠のプロフィール写真

戦略人事コンサルタント

髙橋 宏誠
質問を送る

先生のスキルから探す