「こんなとき、敬語でなんて言うの?」
そればかり気にしていては敬語はうまく使えません。
「周りと同じような言葉を使っていれば間違いないよね?」
残念ながら、これでは気持ちが伝わりません。
文法を勉強する前に、敬語を使う目的をしっかりと理解しましょう。
<『敬語の指針』とは>
『敬語の指針』とは、「個別的な社会集団や分野の一つ一つを網羅的に扱うのではなく、それらに共通する敬語のより基本的な指針を示すことを目標とした」ものです。つまり、学校や職場でマニュアルを作ったり、教育、指導をする際に、これをよりどころとしてほしい、というものです。
<ダイジェスト版で分かりやすく伝えます>
『敬語の指針』の全文は、文化庁のホームページから誰でも見ることができます。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_6/pdf/keigo_tousin.pdfただ、敬語にあまり慣れていない人にとっては、一人で読むのが難しいかもしれません。
そこで、『敬語の指針』の前半部分を分かりやすくダイジェスト版にしました。その資料を使って、敬語を使う上での前提となる考え方や心構えについて、分かりやすく説明しながら読み進めます。
<この講座の目的>
どこかへ行くときには、まず目的地を決め、その後にもっと細かな道順を決めていきます。
それなのに敬語については、「こんなとき何て言うか」という細切れの情報だけが飛び交います。細切れで覚えた言葉は、自分の言葉になっていない借りものの言葉です。
敬語を学ぼうとするその前に、敬語が目指す目的地を知って、敬語が使える状態のイメージを持ちましょう。
同じ講師の先生の他の講座を受けて、敬語が少しわかった気がしていたので、敬語総論として受講しました。内容的には期待通りで、敬語のアウトラインの理解が進んだと思います。『敬語の指針』に沿って解説しながらも、『指針』の問題点などの指摘もあり、とても勉強になりました。ただ、ダイジェスト版とは言っても、かなりのボリュームで、最後が駆け足になってしまったのは残念です。内容の精選、解説の仕方など、改良の余地はあると思います。今後に期待したいと思います。