上場企業などの成熟した大組織において、「新規事業」の重要性が叫ばれ始めて、もう数年が経つ。米中のテクノロジー企業のマーケットキャップが急激な上昇を続ける一方で、日本企業は平成の30年間でその勢いと存在感を失いつつある。
「このままではいけない!」
こうした経営層の危機感のもと、数年前から「イノベーション推進室」「新規事業企画室」「デジタル事業推進室」といった名称の部門が相次いで立ち上がった。スタートアップイベントや展示会に参加したり、オープンイノベーションを開催してベンチャー企業からの事業提案を募集したり、シリコンバレーや深センに訪問したり... こうした部門は日々、情報収集に明け暮れている。
しかし、これももう限界だろう。当然だが、情報収集ばかりしていても何も生まれない。自らの進むべき方向性や事業仮説を定義しない限り、自社における事業開発はおろか、業務提携やM&Aも十分に機能しないことは明らかだ。
私は経営コンサルティングファームで勤めた後、ビジネス書籍の要約サイトである「Flier(フライヤー)」の共同創業者として起業した(Flierは現在も会員数を伸ばし続け、書籍の要約配信のポジションを事実上独占している非常に素晴らしいサービスだ)。私は同社を離れた後、成熟した大組織を中心に、新規事業プロデューサーとして過去5年間で30件を超える新規事業開発プロジェクトを支援した。当然のことながら、失敗したものもあるし、うまくいったものもある。そして今も市場と格闘しているプロダクトも複数存在する。
私はこうした経験の中から、以下2点を見出すことに成功した。
① 成功する事業には、一定のパターンが存在すること
② 大組織において、現場と経営陣がスムーズに合意形成を図る手法が存在すること
その答えは非常にシンプルなものであった。たった一言でこれを表現するのであれば、
「新規事業も、イシューからはじめよ」
ということに尽きる。そして、私は「IDBP(Issue Driven Business Planning)」という新規事業開発手法を考案した。この方法論は、私が愛してやまない二冊の名著「イシューからはじめよ(安宅和人著)」「ゼロ・トゥ・ワン(ピーターティール著)」から大きなヒントを得たうえに、私の過去の大量の実験結果を組み合わせて考案された、全く新しい新規事業開発フレームワークである。そして、そのフレームワークを実践するために、「IX(ナイン)」という独自のクラウド型ソフトウェアも開発した。
新規事業戦略において、自社で事業開発を進める場合も、業務提携やM&Aをする場合においても、全ては自社が取り組むべきイシューを定義することから始める必要がある。そして、現場と経営層はイシューという共通言語でコミュニケーションをとる必要がある。
この方法論をあなたが組織で実践できれば、必ずや素晴らしい新規事業戦略を実現できる、と私は確信している。ただし、これから紹介する方法論は決して簡単なものではない。それ相応の努力(思考のトレーニング)が求められる。実際のところ、「IDBP(アイ・ディー・ビー・ピー)」を実践している私のクライアントは、優れたイシューの導出に日々四苦八苦している。しかし、その苦労の先に非常に面白い事業戦略を描いているのは紛れもない事実だ。
ここから先の内容を読むと、あなたはもう引き返せなくなるだろう。知ってしまったら最後だ。そしてあなたは、自らの努力によってイシューを導き出すか、運や閃きに任せてイシューを手に入れるか、その二択しかないことを認識することになるだろう。もし、あなたが努力することを拒むのであれば、この先は読まない方がいいし、「IDBP」なんて知らない方がいい。これまで通り、イベントやパーティに参加し、メディア媒体を金で買い、weworkに出社して、ベンチャー企業からの最先端の事業提案を待ち、一生批評家側でいる方が、楽でオシャレで傷つく心配もなく、きっと幸せだろう。私はあくまで、努力したい人にだけ伝わればいいと思っている。
さぁ、自らの手でイシューを掴む、強い覚悟ができた方は、この先に進んでほしい。ここから先は、パワーポイントの資料を用いて「IDBP」を解説する。
-------------- ここからネタバレ!! --------------
https://www.slideshare.net/ssuser9cb227/idbp-167574259さぁ、「IDBP」の概要は理解できただろうか。本講座は上記資料に含まれる内容を詳しく解説することが目的ではない。それよりも、実践的なワーク形式のトレーニングの中で「あなた自身がイシューを導出する体験をする」こと。それこそが目的である。「IDBP」は一人で取り組むよりも、数名でディスカッションしながら学んだ方が圧倒的に効率がいい。発案者である私がファシリテーションする中で、「IDBP」の手法を正確に身に着けてほしい。
ここまで読み進めて、「この講座は自分のために存在している」と感じたのであれば、今すぐ「受けたい」リストに追加してほしい。開催日程を追ってご連絡差し上げたい。
時流にマッチした海外モデルをケーススタティーとして、
説得力のあるロジックと、独自のメソッドで、理解浸透率の非常に高い講座でした!
御教示頂いた【説】を軸に、改めてアイデアフラッシュをしていきたいと思います
具体的プランが捻出できたら、再度先生に相談に行きたいと思います