『本音さえ言い合える』苦手な部下とも信頼を築くコミュニケーション

部下との間に強固な信頼関係が築かれ、互いに本音が言い合える。チームに合意や納得を生み出しながら、意思決定を伝えていける。全員が互いに協力しながら、前向きに仕事に向き合っている。

そんな理想が叶うコミュニケーションが存在します。

人材・組織開発コンサルタントとして通算7年、数多くのマネージャーの方々へコーチングやトレーニングを提供してきた経験から、合意や納得、そして良好な人間関係を重視しながらチーム運営をしたいマネージャーがその実現に苦心していることが分かっています。

以下は、そうしたマネージャーが典型的に抱えるフラストレーションですが、皆さんが直面している状況はどれに当てはまるでしょうか。

・相手を理解したいと思っているのにそっけない態度をとられてしまう
・全員で進めたいのに周囲のことを考えず個々が好き勝手な言動をする
・皆の意見を聞いた上で結論を導きたいのに「決めてください」と部下に言われてしまう
・時間が足りず皆の事情に寄り添いきれない
・一人ひとりに寄り添っていると落としどころが見つからない
・会議で自分の本音はあるけど言い出せない
・部下に厳しいフィードバックができない
・全員が本当に納得した上での合意なのか分からずに不安が残る
・会議では「やる」と言ったのに思うように作業が進んでいない部下がいる
・仕事を依頼した相手にできない理由を言われて容認してしまう
・「頼りない上司」だと言われ部下から信頼されていない

関係性を重視するマネージャーはこうした時、一人ひとりにもっと寄り添うべきだと考えます。そして、部下それぞれの状況、考え、気持ち、要望などを把握し、それらを調整することに卓越した能力を発揮します。その調整には多大な労力がかかっています。

残念ながら、それでも全員の満足は得られません。あなたの上司や成果志向が強い部下は物事が進むスピードが遅いことに不満を持ち、あなたに「自ら意思決定する強いリーダー」であることを求めます。結果、あなたは「部下にもっと寄り添うこと」と「強いリーダーを求める周囲の期待」の狭間で葛藤します。

こうした時、大抵のマネージャーは「ダメなマネージャー」と自分をラベリングしてしまいます。しかし、真実はあなたが悪いのでも、相手が悪いのでもありません。理由は、異なる「タイプ」という存在と、タイプに合わせたコミュニケーションを知らないという知識と技術の問題なのです。

その知識と技術を手にすれば、「苦手」や「相性が悪い」と感じている、どんな人とのコミュニケーションであっても快適なものに変えることが可能です。全員との良好な関係性や一体感という理想を諦める必要もありません。そして、「個の違い」こそが「チームの強み」の源泉であるということに確信を持ち始めることができるでしょう。

そのコミュニケーションの核心は、たった3つに集約されます。
（１）自分＝他者という「コミュニケーションの幻想」
（２）全ての人を特徴づける「4つのタイプ」
（３）4つのタイプに響く「タイプ毎コミュニケーション」

この3つを理解し、実践することが、真の意味で他者に寄り添うことにつながります。周囲からの合意と信頼を勝ち取り、理想のマネージャーに近づくことができるでしょう。

◆当日のレクチャー内容
・コミュニケーションの成否は相手から得たい反応が得られるかどうか
・それぞれがコミュニケーションの利き腕を持っている
・全ての人を特徴づける「4つのタイプ」とは何か
・マネージャーの「相手に寄り添いたい」が周囲に受け入れられない理由
・自分のタイプと部下のタイプの見分け方
・タイプ毎の価値観や特性の違い
・合意と共感を生み出す効果的なコミュニケーション
・個の違いこそチームの強みとなる理由

部下に寄り添い、一人ひとりの事情や背景も理解し、全員が納得できるような状況をつくっていきたい。そんなマネージャーが必ずといってもいいほど陥る「なぜあの人とうまくいかないのか」というジレンマ。その理由と攻略法を掴み、理想のチーム内コミュニケーションを実現するための90分です。

◆講座の理論背景
今回の講座で扱うコミュニケーションは「ソーシャルスタイル理論」に基づいています。ソーシャルスタイルとは、1960年代にアメリカの産業心理学者・メリル氏らが研修・提唱したコミュニケーション理論です。